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Eテレ『幸せのプリン』で見かけた、虎ノ門にある老舗喫茶店オーナー森さんの話が心に響いた。

(48年間レシピを変えず、昔ながらのプリンを作り続けるオーナーに)
質問: レシピを変えたりしないんですか?

森さんの回答: 私が死ぬまで変えません。変えないことがこだわりです。


何故レシピを変えないのかというと、たとえば毎年子供の誕生日に訪れるお父さんがいる。その子供がプリンを食べ、「おいしい」と言って笑顔を見せる。その笑顔を見るためには味を変えてはならない――からだとか。
他にもたくさん、「あの味」を求めて訪れるお客さんがいる。毎日訪れる人もいる。
「だから、変えられないんです。そういうファンがいるから」
笑顔で語る。

かっこいいな……!

現代でよく見かける、「進化しないものは滅びる」というスローガンが私は苦手だ。
そういうスローガンを掲げて味を変え、商品のクオリティを変えてきた企業がたくさんあり、結果として滅びている。
たとえばダイエットを意識している女性客を獲得するため、主力商品の油分をカットするファーストフード店とか。
新規顧客を獲得して売り上げは上がったのかもしれないが、昔ながらのファンはそっぽを向いているからね。昔のファンにとってその企業の店は、滅んだのと同じだ。

確かに業態を進化しなければいずれ滅ぶ(倒産する)というのは正しい。だから営業方針や、新しい商品を追加していくなど周辺を変えるのはいいのだけど、根幹の主力商品そのものを変えるのは違うと思う。
それは、顧客への裏切り。
江戸時代から続く老舗はそういう裏切り行為をしていないではないか。

自称・意識高い系たちの、「変わらなきゃ。儲けなきゃ」という脅しに追い立てられて大切なものを見失わないようにしたい。

あの老舗喫茶店オーナーこそ頭が下がる、見習うべき手本。
世界が変わり、我々も形が変わっていくのはやむを得ないことだけど、根幹の部分は変えないようにしたいね。
(企業だけではなく、人としても)

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吉野 圭(Yoshino Kei)
Posted by吉野 圭(Yoshino Kei)
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