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昨日、『我らのリアル・ヒーローたち』という記事を上げて藤子F先生を称えたのだけど、ちょうど24時間テレビで『石ノ森章太郎物語』というドラマが放送されることになっていたらしい。

藤子Fが上で石ノ森が下、などと言うつもりは全くないので悪しからず。ドラマに対する嫌味のつもりで記事を上げたわけではない。
ドラマ放送のことは全然知らなかった。本当に。この偶然には運命を感じた。(※藤子F/A氏と石ノ森氏はトキワ荘出身)

※トキワ荘とは:手塚治虫を始め、日本の漫画界を牽引した作家たちが住んだ伝説のアパート。2030年、豊島区に「トキワ荘」が復元され漫画ミュージアムになるとのこと。楽しみです。
tokiwa.gif
豊島区ホームページより

実は24時間テレビが苦手な私なのだが、このドラマは真剣に観てしまった。
見逃せないでしょう、『トキワ荘』の人たちこそ本物のヒーローだから。

「ああ、トキワ荘だ。懐かしい」と思わず呟き、
「住んでたの?」と相方に訝しがられた。笑
まさかそんなあり得ない、あんなヒーロー館に住むなどと。中学生の時に『トキワ荘物語』にはまっただけ。
(何故か例の時代より、あり得ないと思い恐縮する。例の時代には「憧れ」皆無なのだな。笑)

憧れたなあ、トキワ荘。
藤子A先生の視点で描かれた『トキワ荘物語』でしか知らないのだが、後に日本を背負うスター漫画家勢ぞろいのあのアパートは、天上の館に思えた。
今回のドラマで観ても、奇跡を起こした聖地に思える。

石ノ森先生の人生の、エピソード一つ一つに重みがあり胸に迫って来るが、特に痺れたのは
“神降臨”、
すなわち手塚治虫先生がトキワ荘を訪れるシーンだった。

石ノ森先生のお姉さんが手塚先生に問う。
「弟のためにお聞きします。愛されることとは、どういうことですか?」
こんな質問を受けたら普通は答えられないが、手塚先生は少し考え、淡々と答える。
「自分の進むべき道を知ることです」

――手塚先生曰く。
愛してくれる人(ファン、読者)が求めることは、現実の自分が届かない一歩先のこと。そのギャップに苦しむ人もいるかもしれない。
でもそれは自分の一歩先の目印になると思えばいい。
愛は自分の進むべき方向性の目印になる。自分の進むべき道の先を照らしてくれる。
(要旨)

なんという深い言葉。なんという覚悟。
衝撃に打たれ、心が融けて涙した。

ギャップに苦しみ潰れた自分の卑小さを省みる。
無論、自分の場合は「人間にはとうてい不可能」な超人の要求を背負わされたので、一歩先を目指すどころではなかったのだけど。
今ただ怯え、恐怖で固まり、苦情ばかり言っているのが申し訳ない。この体たらくは、愛して応援してくれた人々へ詫びるしかない。

しかし手塚先生も享年60歳。
藤子F先生は62歳。
石ノ森先生は60歳。
……現代としては激しく早世。
皆さん、重荷を背負いながら時代を駆け抜けられたのだなと感じる。
睡眠を削って、命を削っても、応えなければならなかった愛があったのだよね。
間違いなく彼らこそ日本のヒーロー。


最後に、石ノ森先生が作品で心がけたことは
「全ての主人公は弱点を抱え、自らの努力で正義のヒーローになろうとする」
ことだという話を知って深く感動した。
昭和の先輩方は、ヒーローも「弱点ある同等の人」として眺める優しい眼差しがあるから好きだ。
吉川英治氏もそうだった。⇒吉川英治『諸葛菜』感想

(何故あの世代の人々が優しかったのかと言うと、やはり戦争を体験していたからだと思う)

彼らに心を育てられたことを誇りに思いたい。
そして少しでもあの人間愛の精神を未来へ繋げたい。
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吉野 圭-Yoshino Kei
Posted by吉野 圭-Yoshino Kei


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