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「ホワイトウォッシュ」。聞き慣れない言葉です。
日本等が原作のストーリーを白人に演じさせ、白人化してしまうことを言うらしい。

『攻殻機動隊』『ポケモン』『鉄腕アトム』まで白人化の話が持ち上がり物議を醸しているとか。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160617-00010025-realsound-ent
 ハリウッドでは現在、日本の漫画を原作とした作品が次々と実写化されている。その中でも賛否両論を巻き起こしているのが、『ゴースト・イン・ザ・シェル』(原作は『攻殻機動隊』)。大手のパラマウント・ピクチャーズが先日、女性型サイボーグ・草薙素子に扮した人気女優スカーレット・ヨハンソンのイメージを公開したことから、アメリカで「ホワイトウォッシュ」(※有色人種の役を白人に演じさせ、白人化してしまうこと、参考:1)反対の署名運動が起こり、物議を醸し出したのも記憶に新しいところだ。

ちょうど先ほどもハリウッド版『ザ・リング2』の録画を少し見て、
「やはり貞子は日本人じゃないと雰囲気出ないなあ。白人は、白人が演じないと感情移入できないのか?」
などと家族で語り合っていたところでした。
監督が中田秀夫ということで、ゾンビ映画に堕ちた前作と違い、演出が一流なのにビデオ中の女性が日本人ではないことにより雰囲気半減してしまった。やはり文化や人種が物語の重要な要素であることも、現実にあると思うわけです。それなのに何でも白人化するアメリカ映画は、もったいないことをしている。

おそらく何でも白人化してしまうのは差別心からではなく(差別する人はいても一部で)、最大の理由はアメリカの一般市民たちが遠方の文化について想像できないから。単純に無知な人が多いのだと思う。
証拠にアメリカ人であっても、アニメオタクなどは「春日部」もどこにあるか認識しているし、東京都に住む我々よりむしろ埼玉の文化に詳しい(笑)。
ただオタクは少数だから、一般受けを狙うとすれば白人的に演出しなければならない。そうしなければきっと採算が取れない。

(例。『レッドクリフ』では香港や日本人の俳優が使われたが、内容はTHE白人物語『イリアス』でしかなかった)

その事情は、実は日本でも似ている。
『進撃の巨人』など原作で白人が多く出て来るのに、映画での俳優は日本人オンリー。
『テラフォーマーズ』も同様。
『テルマエ・ロマエ』は阿部寛があまりにもローマ人役にはまっていて逆に大成功だったが、本来は外国人を使わないと駄目だと思う。
でもそれでは観客が入らない、きっと。
どこの国でも自分と同人種の俳優が演じたほうが親近感が湧き、成功しやすいでしょう。

あと、日本漫画の映画化契約が海外で成立しやすいことについては日本に問題もあります。
漫画家さんの立場から見れば、日本での原作者に対する扱いは酷過ぎると思いますよ。
例えば『テルマエ』は作者に100万円を払って終わりにするつもりだったようで、大問題となりましたね。
要するに著作権をないがしろにし、原作者を「下等」「使い捨てのゴミ」と看做している日本の習慣があるのだから、原作者や版権者たちが海外へ作品を売りたくなるのは当然でしょう。

「ホワイトウォッシュ」などと抗議行動をする前に、日本ではやるべきことがあるという気がします。※
不当な扱いを受けている原作者、著作権を大事にして欲しい。

(以上は法律事務所勤務で、著作権業務に携わる筆者の実感)

*
※もう少し詳細。
「ホワイトウォッシュ」に抗議しているのは主に外国人たちであるらしい。
日本人ファンの関心はただ「原作のイメージを実写でどれだけ再現できるか」だけにあって、『攻殻機動隊』も幻滅させられることは必至なので文句を言っているだけであり、人種差別には特に興味なし(笑)。
白人が演じたとしても原作が正しく再現されるなら日本ファンから賞賛されるだろう。まあ海外の映画会社に日本漫画を再現するのは99%無理だと思うが。つまり差別云々ではなく、単純に製作者としての実力がないというところを責めている。

創作の本質を見ている。
私は日本人の、創作に関しては頭の良いところ(創作と現実を区別して見ることができる頭の良さ)は好きです。

ところで『進撃の巨人』の原作に黒人が出て来ないことを、海外の人たちはまた「黒人差別だ」と騒いでいるらしい。しかし原作に黒人が出て来ないのは、始めドイツ風の国をイメージしてフィクション設定を構成した原作者が、ドイツに黒人も住んでいることを知らなかったため(笑)なのだとか。つまり単純ミス。
それはそれでOKでしょう。フィクションなのだから、そこだけのフィクション設定として何でも可。現実どうかなど関係ない。もちろん差別でも何でもない。

歴史小説でもなく実在人物も出て来ない、完全フィクションに対して「現実に照らしてどうのこうの」と言う人は本当にバカか、頭がおかしいのだと思う。
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吉野 圭(Yoshino Kei)
Posted by吉野 圭(Yoshino Kei)
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