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私はアウンサン・スー・チーさんが昔から好きだったのだが、ロヒンギャ族の迫害に関し歯切れの悪い演説で少し残念。
権力がさほど強くないなど事情は色々あるのだろう。それでも残虐行為は強い言葉で非難すべきだし、一刻も早くやめさせるべきだと思う。

いっぽう、この問題を「宗教弾圧」と見ている欧米の人々の単純さが気になる。
「ミャンマー人の90%を占める仏教徒が、イスラム教徒のロヒンギャ族を弾圧している」
と報道されているのだが……。
真相はどうなのだろう?

私もこの話を初めて聞いた時は、仏教徒も駄目かなと思いかけた。
三大宗教のうち仏教だけはまだ少しだけ見込みがあると思っていたのに。
「見込みがある」と言っても、「他宗教の信者を皆殺しにせよ」と積極的に殺人を命じる法典がないだけマシだというだけの話だが。

それにしても殺生を禁じる仏教が、教義に基づきジェノサイドを行わせるのは全く理屈に合わない。

詳しく調べてみると、やはり「宗教弾圧」と言うより真相は軍部による民族弾圧であるらしい。
たまたまミャンマーで仏教徒の割合が多く、ロヒンギャがイスラム教を信仰していただけで、他のイスラム教徒が弾圧されていないのだから「宗教弾圧」という報道は明らかに誤りだろう。いや、ねつ造に近いか。

偏った報道はやめて欲しいな。
いつものことだが、欧米人の自己中心さを感じる。

たぶん欧米の人たちは、宗教を理由とした迫害しか理解できないのだろう。
今まで自分たちが宗教戦争の中でしか生きて来なかったために。

気の毒なほどの視野の狭さ。
今回の報道について「仏教に対する悪意がある」と言う人もいる。でもそうではない、本当に欧米人には宗教で殺し合う世界以外を全く想像できないだけなのだ。
犯罪的無知だと思った。



私が大人になってから気付いて特に驚いたこと。
欧米人は、我々が想像するより遥かに東洋文化を理解していない

グローバル化などは嘘で、西と東は今もまだ文化的に断絶されている。

「欧米人は、自分たちがよく知っている話に変換しなければ東洋のことが理解できない」
ということをよく表していたのが、『レッドクリフ』だ。
あれは東洋の歴史物語を、キリスト教徒であり西洋文化の中で育ったジョン・ウーが映画化したもの。
ジョン・ウーは東洋史を『イリアス(トロイア戦争)』へ変換して欧米人へ提供したのだった。
ウーは西洋で生まれ育ったために欧米人のことをよく分かっていたのか、それとも自分自身が理解できなかった経験を持つからなのか。
そんなことはどちらでもいいのだけど、あの映画を見た時、私は欧米人の視野の狭さを知って驚いたものだ。

まあ日本人も欧米の宗教についてほとんど理解していないけどね。笑

西と東、両方を眺めている人は想像以上に少ないのかもしれない。


恐ろしいのは今回の欧米人による偏った報道のせいで、仏教国も宗教戦争に巻き込まれそうであること。
既にISがミャンマー政府への「ジハード」を呼びかけているらしい。
同じ仏教国、と世界からは見られている日本も他人事ではない。
仏教が彼らと同じ、一神教のカルト教団と同等の価値観で括られるとは、全く心外で迷惑な話。

(欧米人は「戦争のグローバル化」だけは上手で、宗教を理由とする争いを世界中へ広げようとしている)

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吉野 圭-Yoshino Kei
Posted by吉野 圭-Yoshino Kei
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