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こちらの人物紹介の記事の補足として、名前について解説しておきます。

■孔明の本名

本名は諸葛亮(しょかつ・りょう)といいます。
「諸葛」が姓で、「亮」が名です。
よく見かける「孔明(こうめい)」という名前は字(あざな)といって、成人してから付ける呼び名です。
伝統的な日本の三国志フィクションでは、「諸葛亮孔明」と姓・名・字をフル表記することが多いようです。
これは、日本におけるフィクション文化の中では決して間違いとまでは言えないのですが、史実においては誤りと言えるのでなるべくやめましょう。中国で「劉備玄徳」や「諸葛亮孔明」という呼び方をするとバカにされ恥をかきます。
(ただし社会主義国となった現代中国は古い慣習を禁じ、字がありませんから、若い世代は「字」というものを知らないかもしれません)

よくフィクションしか知らない人が「諸葛亮孔明」などとフル表記して偉そうにしているのを見かけます。
フル表記だと漢字がずらずら並ぶので、他人を威圧できると勘違いしているのかもしれません。
こういう人は、態度はとても大きいですが実は史実の知識が全くない人たちだと思って間違いないです。

ちなみに劉備(りゅう・び)は「劉」が姓、「備」が名、「玄徳(げんとく)」は字です。日本と異なり、中国では一文字の姓が一般的。「諸葛」など二文字の姓はめずらしい。
だから中国の人は二文字姓に慣れていません。
諸葛亮が若い頃は自己紹介するたびに
「え、、なんて?」
と聞き返された経験を持つでしょう。
さすがに今では諸葛という姓がメジャーとなったので誰もが知っているでしょうが、当時はまだ地方だけで有名な豪族の姓に過ぎなかったのです。
人生で何度も聞き返され、相手が聞き取れるまで何度も言い直す時間のロスは膨大。
だからもしかしたら諸葛亮自身が、積極的に「諸葛」ではなく「孔明」という字を使ってもらうようにしていたかもしれません。
そのためにインパクトがあり平易な「孔明」という字を考えた気もします。
その想いが日本に伝わり、皆さんに「孔明」と呼んでもらえるようになったのだとしたら彼も嬉しいのではないでしょうか。


■字の使い方


古代中国には「本名を呼ぶことは失礼だから字を呼ぶ」という習慣がありました。ただし字を呼び合う関係は友人や同僚に限られ、目上の人に対しては字を呼ぶのも失礼なので地位で呼びます。
現代日本で言えば、字が「姓」、本名が「下の名」のような感じでしょうか。会社の同僚を呼ぶときは、姓を呼び捨てにすると思います。でも下の名は、家族などよほど親しい人でなければ呼びませんよね。姓名はそんな感覚です。しかし上司に対しては姓を呼び捨てるのも失礼だから「課長」「部長」など役職名で呼ぶはずです。
こうイメージしてもらえると、古代中国の姓名に関する習慣が分かりやすくなるのではないでしょうか。


【諸葛亮の場合】
目上の劉備から → かなり年下なので「亮」も有り得るが、「孔明」と字を呼び捨てするのが自然
部下からの呼ばれ方 → 「諸葛丞相」 ※丞相は地位名

【関羽の場合】
目上の劉備から → 「雲長」と字を呼び捨て
目下(年下)の諸葛亮から → 「関将軍」または、親しみを篭めた愛称として「髭公」

【趙雲の場合】
目上の劉備や関羽らから → 「子龍」と字を呼び捨て
年下だが地位は上の諸葛亮から → 公の場では「趙将軍」、プライベートでは微妙だが趙雲が許せば「子龍」


2018/7/28 見出しを設定したついでに少々追記

三国志カテゴリ
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吉野 圭-Yoshino Kei
Posted by吉野 圭-Yoshino Kei
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