罹りやすい病をホロスコープで分析する(主に第6室)

 


 いただいたご質問にヒントを得て書く記事です。ありがとうございます。

ホロスコープでわかる「罹りやすい病気」


Q.(引用)
「6室に水星→現実に腸の病気になっている」というお話を伺いました。6ハウスは義務としての仕事、負債、労働、病を表すと仰っていますよね。そこに水星が入ることが腸の病気を示すというのは、星によって司る身体の部位があるということでしょうか。一般的に、もしくは個人の感性でいわれていることはあると思いますが、吉野さんが認識されていることを伺ってみたいです。
はい、こちら『サイデリアル方式の占星術、筆者サンプルで詳細検証 』で書いた話についてですね。

「第6室に水星が入ると腸の病気になりやすい」とは私個人の感性ではなく、伝統的な占星術の知識によります。
“伝統的”と言ってもまたいつの時代に生まれた知識なのかは分かりませんが、現在スタンダードとなっている占星術では星によって司る身体・内臓の部位があるとされます。

第6室はその人が担う負担を表します。典型的な負担が「労働」です。
「病」も第6室が表す負担の一つとされ、ここに入る星の司る部位が病となりやすいと言われています。

では何故、第6室に入る星の司る部位が病となりやすいのか?
これは推測ですが、多くの人にとって第6室は「労働(義務)」として酷使する能力になります。このため、その能力に関連した身体の部位がダメージを負いやすいのだと考えられます。
分かりやすく言えば、ピアニストが腱鞘炎になったり、歌手が喉を傷めるようなものでしょうか。

具体例


具体例として筆者の病で説明します。
筆者の病は「ストレスが原因の腸の病」です。それに先立つ長年の不調として、「自家中毒」風の症状があります。
いずれにしても、仕事や日常で頭脳を使い過ぎることが原因と思われます。
「腸は第二の脳」と言われていることはご存知でしょう。
水星が第6室に入ると頭脳を使う仕事に就きやすいのですが、そのような人は脳神経系のホルモンが過多なため、片頭痛と同じメカニズムで起こる腸の不調を起こしやすいと言えます。
このようなことがどうして古い時代の占星術で分かっていたのかは、謎です。
おそらく昔から経験的に、「頭でっかちな奴はお腹が弱い(または自家中毒を起こしやすい)」という伝承があったのでしょうね。今風に言えば、“あるある”データの積み重ね。
だから「第6室にこの惑星が入ると、この部位が病気になりやすい」といった占星術の話は、実現しやすいわけです。

ただ一般に、第6室に入る惑星が表すのは「生涯にわたって病を発症しやすい部位」ということになります。
無理をしなければ発症を抑えることができるので、必ずその星が司る病になる運命だとは言えません
たとえば第6室に多くの惑星が重なって入っていたり、厳しい角度(90度・180度など)がない限り、無理をしなければ病に至らない人が多いでしょう。

反対に、第6室に惑星が全くない人でも重大な病を発症する場合があります。
それはたとえば、出生の太陽やアセンダントに困難アスペクトがあり、なおかつ体調を崩しやすい時期が訪れた場合。
火星・土星・冥王星などが出生の重要な感受点にヒットする(例:出生ホロスコープの太陽上をこれら惑星が通過するなど)時は命に関わる病を発症することがありますから、注意が必要です。

 【参考】出生太陽に冥王星クリーンヒットで死亡した事例 
 ※ただし、トランジット太陽が出生の第8室星座を通過するなどの不運が重なった結果(つまり、元々体力が弱まる時期に太陽←冥王星クリーンヒットと重なった。従ってこの場合は天寿と言える)。冥王星ヒットだけを過剰に恐れる必要はありません。

この通り、第6室だけで
「あなたは必ずこういう病を発症する」とか、
「あなたは病気にはならないだろう」
などということは言えないので、どうか性急な占断はされませんよう。

ちなみに。
自分のホロスコープを眺めて弱点を分かっている筆者がどうして病を防げなかったのかと言うと、『体は魂の性格でカスタマイズされる、という話 』で書いた通り長期の習慣によるからです。
第6室はこの「魂の習慣(+環境)」を表すわけです。これが第6室のやっかいなところです。
長く染みついた魂の習慣は、なかなか簡単に変えられるものではありません。少しずつ方向転換し、根気よく治していく必要があります。


第6室の惑星と罹りやすい病気 一覧


参考までに、第6室に入る惑星ごとに罹りやすい病の傾向を書いておきます。
(前出のルル・ラヴア氏のテキスト、その他オーソドックスなテキストを参考としています)
太陽 … 心臓・循環器(血管)の全身疾患
月 … 胸部・血液の病
水星 … 神経失調・頭痛・腸の病
金星 … 喉・腎臓の病
火星 … 怪我(外傷)・炎症性疾患
木星 … 痛風・肝臓の病
土星 … 骨・関節疾患
天王星 … 精神疾患・脳障碍・神経不調
海王星 … 中毒症・感染性疾患
冥王星 … 公害病・泌尿器疾患

(補足)
ここに挙げた病は惑星ごとに対応する部位に限定したものです。
実際はその一部に留まらず、各惑星ごとに陥りやすい生活習慣があって、その習慣による病全般に罹りやすいのだと考えられます。
例:木星は食べ過ぎ、飲み過ぎによる病全般に罹りやすい 等
詳しい話はまたいつか占星術サイトのほうで書きたいと思います。

 

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