“前世のお母さん”に会いたい子供の話。前世の知人に会うべき?

 


一昨日、テレビで「生まれ変わりの記憶を持つ子供の話」が放送されたそうで……家族がわざわざ録画してくれていました。

番組はTBS『爆報THE!フライデー』。いつも週刊誌的な話題を放送していて、私はあまり好きになれない番組です。でもせっかく家族が録画してくれたし、生まれ変わりの話なら勉強しておかなければなと思って観ました。

あまり期待していなかったのですが、内容は意外にも“新ネタ”で興味深い話でした。

今年2月にTwitterで話題となった話だそうです。皆さんご存知でしたか?

“前世のお母さんを探しています”Twitter投稿


私はこの話、全く知りませんでした。前世に関するブログを運営しておきながら不勉強で申し訳ないです。

当時はコロナや東アジア情勢など現実の危機で忙しくて、前世の話題どころではありませんでしたね。実は誰よりも「今」を生きている私です。笑

どんなツイートだったのか?


番組で放送された話の具体的な内容をご紹介します。

きっかけは今年2月、Twitterにこんな投稿がされたこと。この投稿は話題となり3万件リツイートされたそうです。
★前世のお母さんを探しています★

3歳より前世の記憶を語り始め、現在7歳になる息子が「前のお母さんに会いたい」
と言っています。お母さんが今も悲しみの中にいるかもしれず、ご存命のうちに会わせてあげたいと思っています。

前世を信じていらっしゃらない方、こういった呼びかけ・ご依頼を不愉快に感じられる方もいらっしゃるかと存じます。そのような方々にはあらかじめお詫び申し上げます。また、その場合はどうぞ本件はスルーしていただきますよう、何卒よろしくお願い申しあげます。

本件に関し、お心当たりのある方、何かご存知で情報提供等ご協力いただける方は、お手数ですが以下のメールアドレスより是非ともよろしくお願い申し上げます。

******@aol.com

現在40代中盤〜後半位の方で高校時代にバイク事故で亡くなったクラスメイトなど心当たりのある方はいらっしゃいませんか?息子が発した言葉から情報を絞り、これまでにわかっていることは、以下の通り。

●17歳の男子高校生のとき、バイク事故で死亡。
●バイクで走行中、右から来た車と衝突した。過失は車にあり。
●右足が開放骨折で裂け、救急車で大病院に運ばれ、手術は成功したものの、感染症により病院で死亡した。
●事故は通学途中ではなく、休日に買い物に行った時に起きた。
●バイクは赤色で、ヤマハのJOGやホンダのライブDIOに近い。
●バイクは、母親から「もうこの年齢なら乗れるしバイク買ったら?」と勧められて買ったもの。
●場所は日本で通学にバイクが必要な地域。
●死亡したのはおそらく90年代あたりで、生きていたら現在40代中盤から後半くらいと思われる(バイクやファミコンから考えて、1970~1978年生まれの可能性あり)
●鹿児島県鹿児島市石谷町である可能性がある。(これは本人ではなく、見える系の人に見てもらった情報なので、確証はありません)
●一人息子だった。
●お母さんのことは「母さん」と呼んでいた。
●お母さんは専業主婦で、髪が長く、声が可愛い人。
●お父さんは医療関係者で、薬剤師など医者看護師以外のコメディカルで、中規模病院で働いていた。
●ゲームはファミコン世代で、初代スーパーマリオで遊んでいた。

息子に関する不思議な話は、月刊『ムー』3月号(2020年2月9日発売号)でも詳しく記事にしています。ご興味のある方は、ぜひご覧ください。

長くなりましたが、情報等は記載のメールアドレスまでお願い致します。

togetterより引用 https://togetter.com/li/1467002

アカウント(現在は削除されている):前世捜索アカウント @5xavfYOTub4r5zw

※本名で投稿されていたようなのですが、当ブログ引用では伏せました

 

幼い息子さんの身が心配


私は始め、この話を批判的に聞いていました。

もちろん前世の話を信じないという理由からではありません。私自身が前世の記憶を持つのだから当たり前ですが。

仮に一から全てテレビ局の作り話でないなら、話の内容からも3歳の幼児が構成できるものではないでしょう。

退行催眠でここまで詳細な記憶を植え付けるのも、3歳では幼な過ぎて無理です。

投稿者さんが何故、「(前世の話を信じない人へ)あらかじめお詫び申し上げます」などと詫びなければならないのかも分かりません。信じるかどうかはその人次第。誰が何の体験を話そうとも他人に迷惑をかけるわけではない。それより体験や何かの事実を語る人を、暴力を使ってまで黙らせようとする人々のほうが異常者で反社会的なのではないでしょうか?

 

ただ私が気になったのは息子さんが7歳と非常に幼いことと、相手方のご家族が存命である可能性が高いことでした。

「お母さんどうしてこういう投稿したかな? まだ幼い子供にはきちんと意思確認できないから、本人が公開されることを本当に望んでいるかどうかも分からない。個人情報特定などすぐにできる。騒ぎとなれば子供が好奇の目で見られ、追い回されるというのに考えなかったのか。場合によっては相手方のご家族にも迷惑が……」

と思っていました。

上の投稿を見ると、投稿時点で既に雑誌記事への掲載が決まっていたらしい。ということは雑誌社から「Twitterに投稿して」との指示があったのかもしれない。雑誌売上のため? 良くないことです。

実際、ネットで公開したことによって心ない誹謗中傷も届いたそうだから、こういう手法はまずかったのでは?

息子さんはかなり具体的に前世情報を記憶しているので、Twitterに投稿する前にまずは自力で探すべきだったのでは…等と思いました。

しかし投稿者のお母さんは乳がんで手術してから死生観が変わり、「人間いつ死ぬか分からないから、生きているうちに息子を前世のお母さんに会わせてあげたい」と思うようになったそう。

そういうことならば(…どうにか)納得です。親心であり人間としての優しさからだと思えば共感できます。

確かに息子さんは、前世のお母さんに会ってメッセージを伝えるために同じ日本へ・早い転生を果たしたのかもしれません。そんな彼の悲願を叶えるためにどのような手段でも講じたいと思うのは人情でしょう。

 

直近の時代・同じ国・近い地域へ転生するのはイレギュラー


前世記憶を思い出した人々の体験談によれば、このように亡くなってから数十年という短期、しかも同じ国に生まれるケースはめずらしいようです。まして近所に生まれる確率は非常に低い。

親族に生まれる確率はもっと低く、「同じ血統に生まれることは100%絶対に無い」と述べる人もいます。

何故なら似たような環境に生まれたら学習にならないから。

したがって上の話のように数十年で、同じ日本に生まれたのはイレギュラーだと言えるでしょう。

もしかしたら人生計画の途中で不慮の事故に遭い亡くなった方は、「似た人生計画のやり直し」という意味で再び近くに生まれるのかもしれません。

そしてこの場合、前世の言語を話せるケース(同じ国でも、たとえば知らない地方の方言などを完璧に再現する等)、前世の住所氏名を記憶しているケースもあります。

 

「魂に時間は関係ない」と言いますが、どうも肉体次元に近い場で起きている転生現象は地上の時間に影響されるようです。

転生までの時間が短ければ記憶がよく保存されていて、長ければ長いほど記憶曖昧になっていくものらしい。たとえば私などは前世の数字記憶・言語記憶を失っています。映像と感情の記憶しか無いため細かい話ができません。仲の良かった人たちの名はおろか、自分の名すらはっきりとは思い出せないのです。現世で名前を見た時に「これが自分のイメージに合うかも」という感覚はありましたが。

【関連記事】前世に関して、どのくらい記憶があるのか? 私の場合

(前世が遥か古代であっても、人によって名前くらいは思い出すことがあるようです。私は自分の名前に興味が無かったらしい。いずれの場合も、名前よりも「その前世で何があったか」と感情を思い出すことが重要)

あまり直近の転生で、亡くなった時の年齢のまま記憶を受け継いでいるようなら、「憑依(ひょうい。浮遊している他者の霊にとり憑かれること)」の可能性も残ると思います。憑依か前世記憶かは、記憶を思い出して以降に人格の変化あるなしで判断します。

参照:
自分で前世を思い出す方法。安全な対抗催眠のやり方と、注意


結果… 前世の親御さんの反応


上の番組の話に戻ります。

投稿後、Twitterを通じてたくさんの情報が寄せられたそうです。

彼は1990年代に亡くなったそうなので、当時の友人たちが事故のことを鮮明に記憶していたようです。それらの情報によって該当する過去の交通事故が判明し、前世で住んでいた土地や前世の家まで特定できたとのこと。凄い! なんだか羨ましい!笑 Twitterの力も凄まじいなと改めて思います。

そのようにして息子さんの前世実家が特定された後。

投稿者さんはお一人で前世の息子さんが生きていた地へ旅立ちました。これはまだ幼い息子さんが前世で死んだ地へ降り立って、衝撃を受けてはまずいという配慮からだそうです。先に母親が下見をして、報告をして大丈夫そうなら息子さんを連れていく予定だったようです。

番組は投稿者さんの旅の様子を取材。

息子さんが前世で自分が亡くなった道路の絵を書いていたのですが、道幅や視覚障碍者向けの信号機が「ピヨピヨ」鳴っていることなど細かいところまで一致していました。これは鳥肌ものの前世照合です。

しかし息子さんの前世の実家を訪ねたところ、寂しい結果に……。

先方のお父様が対応され
「死んだ息子のことは思い出したくない。そっとしておいて欲しい」
と回答されたのことで、息子さんから託された手紙さえ渡すことができませんでした。

それはそうでしょう。とても真っ当な対応だと思います。

いきなり訪れた人から“前世”云々という話をされても信じられないでしょうし、信じたのであればなおさら、会って心がかき乱されることを避けるだろうと思います。


これはこれで良い結末です。断った前世の息子さんの親御さんの態度は立派でした。

おそらく欧米なら何のこだわりもなく前世の息子さんに会って抱きしめているのでしょう。観ている側の我々もそういった奇跡のドラマが実現し、感動シーンを眺めることを心待ちにしてしまうのですが、これはフィクションではなく現実の話。

心乱れる過剰な奇跡を求めるより、「今ある現実を大切にする」ことに踏みとどまる態度のほうが賢明と思います。

前世の家族に会うという過剰な奇跡


上のtogetterで
仮に事実だとして、事故後何十年かして子供の死を受け入れて穏やかにやってるところに 「あなたの子供の生まれ変わりですよ」ってやってきて 失われた時間を取り戻せるでもなく別人格として別の親のもとで育つのを見せられるの地獄では?

@ekitai_peropero


というコメントがあり、その通りだなと思いました。

欧米など外国の方々はわりとタブー意識が低く、奇跡を歓迎する大らかさを持ちます。例えばイアン・スティーブンソン『前世を記憶する子供たち』などの研究では前世家族との再会が基本でした。しかし繊細で情の深い日本人には難しいでしょうか。

特に、相手方の家で新たな人生を歩むかつての我が子を眺めることを嫌がるかも。

理屈では「過去に戻れない」「あの子は今新しい人生を歩んでいる」とは分かっていても、嫉妬や理不尽を恨む感情で苦しむことになるかもしれません。攫われた子供を別家庭で発見したように感じてしまうか。

当事者たちが心かき乱されるくらいなら、奇跡など無いほうがいいと思うのが普通でしょう。


いずれお互いの気持ちが落ち着いて、息子さん本人が大きくなり意思決定もできるようになってから「会いたい」と願うなら別。

それより前に息子さんの前世記憶が消えてしまう可能性のほうが高いですが……。その時は、ネット等に記録されたこの奇跡と息子さんが7歳時に書いた手紙が役立つのではないでしょうか?


自分の場合は会える人がいないことが幸運なのだと思う


私は17歳と、かなり大きくなってから前世記憶を思い出した者。

幼い子供ではなかったからこそ、かえって素直に記憶を受け入れられず苦しみました。

「前世などあり得ない。霊魂は存在しない、そんなの迷信でしかない」という現代の教育を信じていたために、自分で前世記憶を否定することになりました。それでいて前世の感情だけは容赦なく襲って来たので心が引き裂かれる想いでした。現代教育のせいで大変な苦しみを味わったと言えるでしょう。

【前世記憶を思い出して以降の苦しみ、経緯はこちらの小説で表現しています

【当ブログ内の公開記事はこちら。経緯1.退行催眠で見た「前世イメージ」と当初の考え

ただ自分が幸運だったなと思うのは、前世の知り合いに出会う可能性が低いことです。

遥かに遠く離れた昔から転生してきたので、同時代に存命の家族など当然いません。したがって、「会いたい。でも会おうかどうしようか」などと迷ったり、前世の家族の姿に心かき乱されることもありません。

それはそれで孤独であり、寂しいことではあるのですが……。

前世の人間関係で新しい人生が乱される葛藤を思えば、寂しいほうがマシなのではないかと思えます。


もちろん現世で、前世の知り合いの“生まれ変わり”に出会う可能性はまだ残されています。

でも私は個人的には、前世知人の生まれ変わりにも今世では会わないほうがいいなと思っています。

特に敵には遭遇したくありませんね。地獄の主のような相手ですから。またバトルが始まっても困ります。

主人には、本音を言えば熱烈に会いたいです……。会いたいという感情は嘘をつけません。もし存在しているならば我慢できずに一目お姿だけでも拝見しに行くかもしれない。

ただ、対面して会話するのは「怖い」という気持ちもあります。相手がこちらのことを思い出せば、なおさら。

前世の情けなさや現在の体たらくを怒られるのではないか、嫌われるのではないか、過去の良かった思い出が打ち消されてしまうのでは? などと小心者の恐れが湧いて足がすくんでしまいそうです。


私の場合、ただでさえ前世の話を見聞きすることの多い環境。不可抗力で記憶を刺激されて苦しむことが頻繁にあります。特に最近は増えています、何故か。

だから知人に会う可能性が低いことは私にとって、せめてもの救いだったと言えます。

穏やかな今世に感謝。この平和な環境もまた今の人生で与えられた恵みと思っています。



余談。日本って変わらないよね


最後にどうでもいいかもしれない余談。

Twitter“前世のお母さんを捜しています”によれば、投稿者さんの息子さんがかつて生きていたのはファミコン初期時代、初代スーパーマリオで遊んだとのこと。

また、亡くなったのは17歳で1990年代。

と言うことは、筆者と同世代の可能性が高いな!と思っていました。どうやら正解で、ほぼ同じくらいの年の人のようです。

それで気になったのは、息子さんが描いた「前世で事故に遭った道路」の絵が、現在完全にその通り残っていたこと。道幅や点字ブロックだけではなく、“視覚障碍者向けのピヨピヨ鳴る信号”まで完璧に当時のままであったことでした。
「なんと。あの頃から、日本の町はほぼ変わっていないのか……!」
と改めて知って軽くショックを受けました。

自分が過ごしてきた17歳からの長い年月を思うと、かなり衝撃です。日本の停滞もどうかと思います。

(もちろん変わり果てた街もあります。私の住んでいた関東圏の街などは激しく変わりました。しかし地方の停滞は想像以上なのでしょうか)

本筋とは関係ないところで衝撃を受けたという話です。不謹慎でごめんなさい。

 

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