桜2023と三渓園の梅
季節が過ぎ行く。
2023年の桜もそろそろ終わりでしょうか。
また無事に花見ができたことをありがたく思います。
今年は日によって気温差が激しかったせいか? 同じ町でも時間差で桜が開花したため、長く花見を楽しめましたね。
私は夕方に桜を見て回ることが多かったので夕日に映える桜がいつもより美しく見えました。
町に溶け込む桜があまりにも美し過ぎて、いつまでこの夢のような地で過ごせるのかなと切なくなったり。
写真は毎年似たような感じになってしまい恐縮です。
代わりに、一か月前に撮った梅の景色を上げてみます。
インスタグラムのプロフィール画面より。各写真が見たい場合はインスタへ。
これは神奈川県横浜市にある三渓園(さんけいえん)というところ。
日本全国から古い建物を移築し造り上げた見事な庭園です。
仕事帰りに寄ったのですが、訪れたのは十数年ぶりでした。年を取ったせいか昔より美しく感じられ楽しむことができました。
三渓園は桜の季節が特に有名らしく、ライトアップも行われて大変混雑するそうです。
でも実は梅の季節が最も美しいとのこと。
園を造った原三渓(はら・さんけい)という人は梅を大変好み、建物と梅が調和して見えるよう計算されているからです。
スマホの写真ではいまいち伝わらないのが残念ですが、肉眼ではほんとうに息を飲む美しさでした。
茅葺屋根の田舎家屋や、中華式の東屋(亭)、竹に埋もれる庵などに控えめに寄り添う梅が良い。
まるで桃源郷のよう。
(梅で“桃源郷”と呼ぶのは合っているのかどうか?)
一瞬、自分は死んだのかと疑ってしまいました……。
いや違いますね。前世と見紛う景色だったのですね、たぶん。
三渓の中華趣味のせいかもしれませんが、和と中が調和したこの園がちょうど古代の景色に似ているのだと思います。
毎年思うのは、この梅から桜の時期に日本の大きな庭園を歩いていると、いったい自分がいつの時代に生きているのか分からなくなるということ。古代のあの地と錯覚しそう。
きっと来世で思い出したなら、前世と今世が一続きの人生に思えるのではないでしょうか。
二千年近くも経っているのに“あの頃”を感じさせる景色が見られるのは不思議なことです。全て計らいのような気もします。
人の心が荒んだ時代に飛ばされたことを恨んだこともありましたが。今はこの美しい地で幸福に暮らせていることを、心からありがたく思います。