グランドクインタイル(五芒星形アスペクト)はどう解釈する? 他、占星術以外の五芒星シンボルの意味
占星術の話。
複合アスペクトであるクインタイル/キンタイルについてご質問をいただきました。ありがとうございます。
✔はじめに注意喚起。
某カルト団体が五芒星や太陽など自然界の全てのシンボルへ「悪魔」のレッテルを貼り攻撃対象としています。この者たちの攻撃に注意してください。また、このようなカルト宗教を信じてついていかないでください。
【参照】 陰謀論カルトに気を付けて。都市伝説に仕掛けられた罠
ご質問の内容
役立つ話としてメールから引用させていただきますが、個人情報を伏せるためこちらで質問文を作ります。
Q.クインタイルは創造性を表すアスペクトですが、「五芒星(グランドクインタイル)になると守りの作用を持つ」という話が不思議です。知人にグランドクインタイルの一つ欠け(四つ角)のネイタルを持つ人がいて、その人は守られていないハードな人生を送っています。
はい。回答は後に。
以下は個人情報に関わらないと思うので引用。
それで何度か五芒星について調べたのですよ。
ただグランドセクスタイルってネットで検索するとかなりのサイトが出てくるのですが、ホームベースではない五芒星(グランドクインタイル)って検索しても詳しい情報ってそんなにないんです。(略)
ですから今のところ、五芒星を取り上げてきちんと説明しているのは、先生の鍵付きホロスコープブログぐらいではないかな?と思うくらいです。笑
先生は五芒星と縁深いですし、掘り下げた見解を勉強させてもらえたら幸いです。
>五芒星を取り上げてきちんと説明しているのは、先生の鍵付きホロスコープブログぐらい
そうなんですか。私のアスペクトは正五芒星ではないのでちょっと違うかもしれませんが…。笑
実は私も、今まで六芒星・五芒星の意味について書きたいとは思っていました。占星術に限定せずシンボルとしても興味深いテーマです。
しかしなにしろ「五芒星・六芒星は悪魔教シンボル」などと叫ぶ危険なカルト宗教団体がネット上を跋扈していたから、書けなかったのです。最近は信者も減ってきたようだから※警戒を解いて書きますが。また危険な情勢になったらここにも鍵をかけることにします。
※「信者が減った」のではなく宗教団体として先鋭化したため拡散されなくなってきただけらしい。本格的な「信者」は増えているとのこと。冒頭リンク参照
(五芒星と六芒星は、古代から「神秘」「天使」や神々の奇跡を表す最大吉のシンボルとして知られています。植物の形状・惑星の軌道など、宇宙法則でも頻繁に表れてくる形状であることが、真理に関わる証。
あれらを「悪魔のシンボル」などと呼ぶのは、善悪を反転させて暴力を貪り、世界を破壊したいと望んでいる者たち。さてさて…、宇宙法則に適った者と宇宙法則を呪う者、どちらが悪魔だと思いますか?)
複合アスペクトは事例自体が少ないため、実際どういう人生結果となるのか検証されていないのだと思います。
私自身は、今のところ鑑定をしていて正五芒星を見たことはありませんね。歴史人物などでご存知でしょうか?
六芒星(グランドセクスタイル)も「奇跡」と呼ばれているくらいですから、たぶん体現した人は少ないのでしょう。
おそらくこれらは現実に発生はするものの、巨大なエネルギーを持つだけに実人生で活かすことが難しいのではないかと想像します。
たとえば六芒星は現実化してしまうと良くも悪くも、嵐の中に放り投げられ回されている感覚になります。本人は「嵐の中心にいるようで何がなんだか分からない」状態。けっこう大変です。
五芒星アスペクト、プロの解釈
いつも通り、私の考えを書くより先にプロの解釈を書いておきます。お馴染み、松村潔氏の解釈を引用。ハーモニックの説明は省きます。
(…は略、青地・太字は当ブログ筆者による)
…このハーモニック図の中では、ハーモニック・ナンバー5の図が、キンタイル(クインタイル)に対応します。…
ハーモニックナンバー5の図は、個人の生命力、活動衝動、人生に対する種つけ衝動、子供的な遊び心の爆発などを意味します。…
安倍晴明のセーマンに限らず、世の中には五角形の図形が非常に頻繁に出てきます。これは異物を廃して、個人としての人間性を防衛し、純粋な個人としての可能性を拡張する図形です。人のことに構う気はなく、単独の個人としての夢を広げるのです。
たとえば、牡羊座0度の春分点を起点にしてキンタイルのアスペクトを作ると、その先は獅子座の12・00度になります。獅子座の12・00度は、表現の揺れやダイナミックさ、受ける脚色をするという意味です。さらに、体に埋め込まれた資質の発芽を示す、牡牛座の0度を起点にしてキンタイルのアスペクトを作り出すと、その先は乙女座の12・00度になります。乙女座の12・00度は、個人の資質の力強さで状況の混乱を抑え、個人の力のすごさを派手に見せつける度数です。また、すべてのサインの12・00~12・99度は、スタンドプレーやちょっとした危険を楽しむ度数になっています。そこから、キンタイルのアスペクトをスタンドプレー、個人の可能性の強力な押しと考えてもよいでしょう。この解釈だと、ハーモニック5の意味と同一です。
『完全マスター西洋占星術』P298-299
いかが?
太字の箇所など、知人の方の生き方にもきっと通じるところがあるはず。
「スタンドプレー」と表現するのは少し偏見強めですよね。松村氏は個性の強い人が苦手で時々悪口めいたことを書くのです、笑。五芒星持ちの方は気分を害されませんように。
ここは
「雑音など意に介さず、ぶれずに自分の想いを貫く。我が道を行く」
という堂々たる態度と考えれば正しいでしょう。
個性を貫けるのでアーティストに多いと言われているのかも。
アスペクトは性格ではなく活動力とその性質を表しますから、魂の人格(ASC他)によって良く出る場合と悪く出る場合とあります。
ただ、この複合アスペクトの持主は、我が道を行き過ぎて他人と歩調を合わせようとしない点で共通しているはず。そのために周囲とトラブルを起こしやすいかもしれません。
そんな理由からも組織を抜けて独立し、独特の生き方をしやすい。
知人の方も他者のアスペクトで四つ角の欠けが補われたら、おそらくそんな生き方が増すのでしょう。
筆者の場合。「封印」と言っている事情
私が自分のネイタル・アスペクトを「封印」と称しているのは若干の自虐もありまして……。
守られているのと同時に“身動きできない人生”であることを表現しています。
実際、クインタイルではなくヨッドが主の変形五芒星なので、創造性とは無縁なのでしょう。縛り付けられたように身動きができない状態です。
(ヨッドは惑星の動きを縛り付けた緊張状態、張りつめた矢に似ている)
これが多重なのでまさに「封印」状態と言えるでしょう。
おそらく本当に封印されているのでしょうが。
ただ、
「一切の余計なもの(魔)が廃され、個人性(私人としての生活)が守られている」
という意味ではクインタイルと同じと言えます。
あのアスペクトを「護符」と表現してくださったのは、当ブログの読者様です。
私がいつも「封印されている」と自虐していたために、「護符としても読めます」と仰ってくださった。
それで私も自虐してばかりではいけないなと気付き、以降「護符」と前向きに表現させていただくことにしました。
あとは私の場合、プログレスの守護もあると思います。
多数の事例で検証してはいませんが、三重円でプログレスのほうがトランジットより強く(遠い惑星で形成されたアスペクトがある)吉角で支援されている場合、トランジットの凶角が作用せずに現象として「守護を受けている・凪」状態となることがあるようです。
私の幼少期から今まではそんな感じ。
だからやはり全体的に自分は守られているのかなあ。と思っています。ありがたし。
世界で五芒星が護符として使われる理由
ここからは占星術ではなく古代幾何学・シンボル学の話。
古代シンボル学は当然のことながら占星術にも影響していると思われます。
古来、五芒星は護符として使われているシンボルです。
安倍晴明の五芒星は中華道教の五行図――のはずなのですが、何故か西洋魔術的な“護符”として使われている気がします。
日本という島国には遠く西の果てから直接に流れ着いた人々が多かったのかもしれません。
五芒星は
「守護」
「魔術」(※冒頭のイメージ図は魔法陣)
の意味があることから、魔術的な守りの技術が必要とされる「軍事」のシンボルとしてよく使われます。
五芒星を使った軍事施設として有名なのは、アメリカの国防省本庁舎ペンタゴン。
日本の五稜郭も有名ですね。ACより。五稜郭を模したマンホール
これらは欧州の城が元となっており、守備に最も適した形状の建物だとされています。
※芒に当たる箇所に見張り兵を配置。これで死角なく、敵に攻撃された時も反撃しやすい。城として最も理にかなった形
そのように力学的に完璧な形であることからも、五芒星がお守りとして崇められ軍人が身に付けることが多かったのだと思います。
これは余談ですが、以前『八陣図』の記事でも書いた通り古代のシンボルは力を発揮しやすい形であるため、軍事から現代宇宙工学まで現実に活かすことができるのです。このようなことからも、古代シンボルを「悪魔」と呼んで破壊を叫ぶのは天に唾吐く行為だと分かるでしょう。
プラトン「アカデメイア」基礎の紋章
それから元々、西洋で五芒星が「魔術」として認識されていたのはプラトン幾何学によるところが大きいのではないでしょうか?
プラトンは自らが建てた大学校アカデメイアの門に
「幾何学を修めぬ者は、この門を潜ってはならない」
という宣言を掲げました。
プラトンが傾倒し、アカデメイアの教えの基礎ともなったのがピタゴラスの幾何学。
そのピタゴラス学派の紋章こそが五芒星だったとか。
https://seijimania.blog.fc2.com/blog-entry-57.html(リンク切れ)より引用。感銘を受けたので長め。
さて、プラトンはアカデメイア学園を開設する前、40歳頃、
イタリア、シケリア島、エジプトを遍歴しています。
その時に、イタリアのシケリア島でピタゴラス学派に影響を受け
のちに、アカデメイア学園に算術、幾何学、天文学といった研究を取り入れました。
特に幾何学を重視しており、学校の入り口の門には
「幾何学を知らぬ者、くぐるべからず」との額が掲げられていたといいます。
ピタゴラス学派とは、古代ギリシアにおいて哲学者のピタゴラスによって創設されたとされる
一種の秘密結社であり、数学、音楽、哲学の研究を重んじていました。
ピタゴラス自身も古代オリエント世界の各地を旅し、エジプトで幾何学と宗教の密儀を学び、
フェニキアで算術と比率、カルディア人から天文学を学んだといわれています。
ピタゴラス学派が宗教秘密結社と言われるのは、
古代ギリシャからあるオルペウス教の影響であり、
オルペウス教とは、魂と肉体の二元論、転生、輪廻からの最終解脱(終末論)を教義とし、
秘儀的な入信儀式や禁欲的道徳律を定めていました。
これはマニ教、ゾロアスター教や道教と同じく二元論が基礎となっています。
わたしが考えるには、プラトンはピタゴラスに影響を受けたものの
彼が重視したのは幾何学であった。
つまり、多面的であり立体的思想であった。
しかし、ピタゴラスは二元論にあまりにも集中してしまい、
宇宙のすべては人間の主観ではなく数の法則に従うのであり、
数字と計算によって解明できるという思想を確立してしまった。
そしてその思想は宗教的になってしまい、
彼の思想を否定する無理数を見つけてしまった教団のメンバーは
死刑になったほどだそうです。
ちなみに、ピタゴラス教団は、古代世界で最も著名な数学の研究機関となり、
この学派は当時信じられていた宇宙の五元素を示す、五芒星を紋章としたそうです。
「宇宙の全ては数から成り立つ」と宣言したピタゴラス。
多分、ユダヤ密教である「カバラ」はこういったところから
アイデアを受けたのだと思います。
また、陰謀論でよく言われる数字の関係も五芒星を悪魔に仕立てたのも
こうしたものがオカルト的に発展していったのだと思います。
六芒星と五芒星は、対極同士である
最後に六芒星と五芒星のシンボル学的な意味をまとめると、こうなります。
鍵付きの記事より転載。
六芒星 … 解放、拡散、活動
五芒星 … 集約、集中、凝縮
これどこで読んだのか忘れましたが、理に適っていると思ったので載せていました。結論に相応しいと思います。
六芒星はダブル・グランドトラインが基礎。
活動的で、「拡大・拡散」していく形ですので、必然的に多くの人に恩恵を与えます。無私の奉仕です。
良くも悪くも拡散力が絶大ですから、ネイタルにこの複合アスペクトを持つ人はスケールの大きな有名人ともなりやすいでしょう。
いっぽうの五芒星は、プラトンらが“完全な人間の形”と呼ぶように完成を表します。
外側に向かう力ではなく内側に向かう力のほうが強まるため、「集中・凝縮」を意味します。そのため護符となる。
また、五芒星は「永遠」を表すともされます。五芒星のなかに五芒星が生まれ… 永遠に続く。何ごとかを永遠へ固定する。
私がよく「永遠」「固定」と書いているのはこの辺りのシンボル学を意識しています。
この通り、六と五は正反対の極を表すシンボルです。
二極を経験した自分の人生においては、「始まり×終わり=永遠」を意味するのかな、と想像しています。
今は五のほうなので、多くの方へ影響を与える有名な人生とはならないでしょう。実際、なっていませんし。
その代わり、永遠のなかへ物語を固定するために生きていくことになるのかもしれません。
今のところの解釈は以上です。
〔この記事の画像はACよりお借りしています。再利用はできませんので、必要な方はACへ登録してダウンロードしてください:魔法陣 封印の護符〕