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前記事で「間もなく憲法改正もあるというのに、こんなレベルではいけない」と書いたのだけど、この国の教育レベルの低さは今更どうしようもないと思っている。
フィクションを一度鵜呑みにしてしまうと、たとえ史書に触れてもフィクションのフィルターでしか見ないから、全てを「こうだろう」という憶測・決めつけだけで読む。

前記事の例だと、諸葛亮について
「リーダーを操り人形にして策を吹き込む参謀」
という、二時間ドラマ的なイメージを思い込んでしまうと二度とそのフィルターをはずせなくなる。そして全てを陰謀、策略と決めつける。史実など読んでもその文字が一切目に入らなくなってしまう。

歴史だけではなく、現実においても同じ法則の決めつけがある。
たとえば学校や社会で勉強ができるインテリタイプを見かけると
「陰で犯罪を企んでいるに違いないわっ。怖ーい」
と悪口を言ったり、何もしていないのに
「頭のいい人ってぇ、性格悪いとおもーう」
と責めたりする。
(お察しの通り、これは私が今この人生において現実に浴びた悪口です。「インテリ」とか「頭がいい」とか自分で思っているわけでは全くないので念のため。ただ本を読んでいるだけでこういう悪口を浴びて差別の対象になったわけです)

どうしてこれほどチープなステレオタイプで他人を決めつけられるのだろうか? 気持ちが悪い。
二時間ドラマの見過ぎで、世界の全てに知的犯罪者が潜んでいると本気で信じている。笑

あるいはワイドショーの見過ぎ。
彼ら彼女らにとって歴史とは論理的に考えるものではなく、
「ご近所付き合いの延長」
としての悪口合戦、ワイドショーなのだ。
何の根拠もないのに、他人のことをあれこれ勝手に判断して悪口を言っている。しかも陰口ではなく、全国テレビで大公開で。
あのようなワイドショーや二時間ドラマ漬けで育った人々が、論理的に史書を眺めることなどとうていできるはずがない。


昔々、養老孟司著『バカの壁』という本が流行ったことがあった。

『バカの壁』


「バカの壁」とは、かんたんに言えば、刷り込み教育で脳にかけられるフィルターのこと。
養老氏の表現は“α”だったか。思考停止の境界。現代人の脳では、この思考停止がとても浅い次元で起きていると思われる。

「バカ」と呼ばれている通り、自分で思考しない人たちはこのフィルターを取ることができない。
脳に分厚いフィルターがかかっているこの人たちに対し、いくら事実を見せ、論理的に説明しようとしても無駄。事実さえ無視をするのだから。

例としてカルト宗教の信者を見れば分かる。洗脳されている人の脳には、わずかも光を通さない分厚い壁ができているので一切の言葉が届かない。
あと「ウヨ」「サヨ」の人たちも同じ。(実際、養老氏は右翼・左翼との議論の不毛さを経験してこの結論に至ったという)
社会には出て行かないので目立たないが、『三国志』フィクション(特に『蒼天航路』)に脳を侵された人々も全く同じ、「バカの壁」というフィルターが分厚過ぎて話ができない。史実を見ても文字が読めなくなっているほど病んでしまっている。

これら実例をもって
「話せばわかるは、大ウソだ」
というのが養老氏の結論。
その通りだ!と感じる人が多かったので本が大ベストセラーになったのだと思う。


「話せばわかるは大ウソだ」ということは事実の現実なのだけど、この現実を受け入れるのは絶望しかない。
特に今のように、国民投票の選挙などが近付いて来ると、絶望どころか恐怖を覚える。

自分の頭で考える能力を持たないこの「愚民」さんたちが、自分たちの生殺与奪の権利を握っているという恐怖……

前記事で実例が見られる通り、この人々には法治と人治の区別すらつかない。
自分たちを殺戮する独裁者までにも「カッコイイ!」「萌え萌え~」と叫び、涎を流しながら尻尾を振り、自ら殺されるために駆け寄っていく。この人々は愚かを通り越して激しく有害だ。

実際、現代はもうほとんど手遅れなのだよね。
まともに思考できるようになるためには、おそらく幼少時からの訓練が必要。
でもこの国の教育システムは無思考の人間を作るようにできてしまっているから、大人になってからでは治療することもできない。

だからこのようにネットの片隅で叫んだところで無駄だろうか。
虚空に向かって叫んでいるようだよ。
せめて僅かに存在する「自分の頭で思考する」人たちに届けと願うが……。

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吉野 圭-Yoshino Kei
Posted by吉野 圭-Yoshino Kei


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