アイドルの名を永遠に残したいと言って、そのアイドル名義で星を買うファンがいるらしい。
微妙な気持ちになるお話……。
アイドル本人は嬉しいのだろうか。
正直に言うけど私だったら嫌だと思う。自分の名が星に刻まれて永久的に残るなどと、想像しただけでゾッとしてしまう。ごめんね。
(まさか買う人はいないだろうが。何かしら好意のお気持ちを抱いている方へ、冷たい感じのことを書いてすみませんの意)
でもよく考えたら名というものは常に他人が残すのだよね。
一瞬、「気持ちわるっ」と思ってしまったことを反省。
本当にごめん。
アイドルさんへ、有難いご厚意だ。純粋な応援のお気持ちには感謝しよう。
そもそも自分で「歴史に名を残したい」などと言う人のほうが間違っているのだと思う。
実は私は昔から、「歴史に名を残したい」と言う人たちの気持ちが分からずにいる。
人類のために何か役立つ行跡を残したい、という気持ちは理解するのだけど、だとすれば名なんか残っても残らなくてもどうでもいいのでは。
どちらかと言えば行跡だけ残るのが最もカッコイイ。それは人類として生まれた者の理想。
なので、「歴史に名を刻みたい」と言う人が苦手だ。
「何故、名を残したいと思うのか?」
聞いてみたい。
彼ら彼女らは一度でも自分の胸に「何故」と問うてみたことはあるのだろうか。
あるジャンルでトップに立つために努力することは大切だと思う。ただ何でもいいから名を残したいだけという、名誉欲には欠片も共鳴できなくて疲れる。
――などと考えていたとき、テレ東『カラオケ・バトル』でバークレー出のエリート女性が
「私は歴史に名を刻みたいんです!」
と力強く仰っていて思わず大笑い。
うん、なるほど。何故か納得。
絶対に話が合いそうにないな。向こうもお断りだろうが。