2018
Nov
11
-
ダリル・アンカ、バシャールとは何者か? 危険なスピリチュアル2

『やりすぎ都市伝説2018秋』は録画で観た。
その前に、ツイッター検索で少し感想を眺めていたのだけど、「怖あぁい」などという感想とともに
「バシャールって?」
「まさか都市伝説でバシャールの名を聞くとは思わんかった」
等々の感想が流れていて複雑な想いがした。
うーん……そうか。バシャールか。
関よ、どっちの方向へ行く気だ?
(この記事では敬称略)
最近の関暁夫は殺人や犯罪の元凶となっているフ×ーメ××ン陰謀論をテレビで語ることを封じられたらしい。
たぶんそのせいで宇宙人の方向へシフトしているのだと思うけど、「バシャール」はどうなのかなと思う。
若干、ジャンルが違うのでは。
「ジャンルが違う」と言うのは、バシャールは宇宙人ジャンルと言うよりニューエイジ、神秘思想系だから。
宇宙人ジャンルが好きな人はたぶん、物質世界だけで語るのがお好きなはず。
でもバシャールになると思想も絡んで来る。
と言うことは宗教にも関わる危険性もはらむ。
バシャールとは?
ダリル・アンカは1980年代に流行したチャネラー。1951年生まれのカナダ人。職業はハリウッドの特殊デザイナー。
1970年代にUFOと遭遇し、以降、宇宙人と交信できるようになったという。
※チャネラーとは、高次霊や異次元の存在に「チャンネルを合わせ」、彼らの言葉を直接伝える者。つまり霊能者のように霊のメッセージを代弁するのではなく、直接に自分の肉体をスピーカーとして貸し、高次霊の者たちに語らせる。(と、いうことになっている) 日本で言えば、イタコの高次霊版。
アンカはバシャール(BASHAR)と名乗る地球外知的生命体と交信し、バシャールからのメッセージを伝え続けた。
80年代のアメリカで精力的に講演会を開き、そこで質疑応答のような形で語っている。来日もしているらしい。
このバシャールメッセージは書籍として出版されているので興味があれば読んでみては? ただし、書籍のみで留めること。
思想書として、書籍だけ読むのは構わない。でも読解は原文(翻訳は可)だけで留めるべき。
他人の解釈を必要とするくらいなら解読を諦めて。自分はまだこれを理解する次元には達していないのだと素直に認めるべきだ。
これの解説をするというブログへ通っては駄目、ましてセミナーに行っては絶対に駄目。
バシャールを騙る宗教団体や解説セミナーには絶対に近付かないように! OK?
「吉野さんはこう言っていたけど、やっぱり我慢できなくてセミナー行っちゃいました……」という報告は無しで頼みます。
何故こんなにうるさく注意するのかと言うと、こういったニューエイジの本を入口として、80年代に多くの若者がカルト団体へ入信してしまったからだ。
結果はお分かりですね? ⇒分からない人は検索

※これは画像のみ
解説。バシャール系が危険な理由
私がバシャールを読んで危険だなと感じたのは、「ワクワク」
が中心思想となっており、
「時間は存在しない。誰でも今すぐ悟りを得て次元上昇できる」
と語っていること。
しかもこの言葉だけが拡大されて解釈されがち。
バシャールへ過剰にはまりがちな人は、
努力が嫌い・楽しいことだけしていたい
という欲求が強いタイプなので、バシャールの「ワクワク」と「色即是空」を拡大解釈して受け入れてしまう。
つまり、
「ワクワクすることだけしていいんだ! この世は欲望の追求場所。我がままになっていい」
「時間など存在しないから、罪もないし修行も必要ない。今すぐ次元上昇(アセンション)できる! アセンションしなきゃダメだ!」
と解釈して、欲望追求とアセンションのために追い立てられる。
ワクワクしていない状況や、時間に縛られた普通の生活をしていると焦りを感じるようになり、「こんなところにいてはいけない。こんな生活をしている場合じゃない」と思い始める。
そうなった人がどうなるか?
「うちに来れば今すぐ時から解放してあげる、アセンションさせてあげる」と誘う宗教団体へ、何もかも棄てて駆け込むことになる。
それは地獄の生活なのだけど、本人は天国へ行ったのだと信じている。
……もちろんこんな人ばかりではなくて、「ワクワク」を精進のための努力と理解したり、「地上生活では時間という概念も必要」と正しく解釈している人もいると思う。
そういった人はお釈迦様の言葉も正しく理解できるだろう。
だけど、たいていの人は難しく考えるよりも、欲望を満足させるための安易な考えのほうが好きだから「ワクワク」に誘われてカルトな団体へ入ってしまうのだ。
だから本来、テレビ番組であまりこういうものを紹介すべきではないと思う。
知ってしまって、興味を抱いたのなら、どうかここに書いたことを心に留めてください。
この下も読んでね。
スピリチュアルは何でも同じではない
一般の人はスピリチュアルは何でも同じだと思っていて、そんないかがわしいものを信じているとカルトの罠にはまることになると思っている。私もここで前世の話をしているので、「同じ穴のムジナ」と思われて叩かれることはよくある。
でもそういう一括りの考え方こそ危険で、ご自身が詐欺に遭う要因となるから気を付けて欲しい。
実は、巷で大流行の「引き寄せの法則」などはこのバシャール系ニューエイジから発祥している。
(源流は定かではないけど同じ流れに入るジャンルである)
そこから発展した、ビジネスセミナー、金融セミナーも全て同じ流れに入ることは意外と知られていない。
日ごろスピリチュアル差別をしていて学ばない人は、こういった本質を知らないでビジネス関連の書物を読んでいるので、比較的あっさりと詐欺に遭う。
気付いたらスピリチュアル差別主義者が詐欺の被害者になっていることは、よくある。
ビジネスセミナーも「カルト」の一種なのだと気付かないのは、日ごろから物事を表面でしか見ていないツケが廻って来たのだと言える。
こういう人を、「自分の頭で考えないおバカさん」と言う。
関連記事 洗脳されるかもしれないアナタへ
釈迦の説法と、バシャールの違い
細かいことだが、スピリチュアルジャンルにも色々ある。その見極めが一般社会でも役に立つと思う。ざっくり言えば、スピリチュアルは
1.この世は修行と言う輪廻転生系――完全自己責任
2.色即是空(即上昇)系――即時アセンション、引き寄せ法則
に分かれる。
(前にも他記事で書いたがここでも改めて書いておきます)
一般に、チャネリングで語られるものは2が多い。
人の欲望を掻き立てるのはこちらのほうで、そのため絶大に支持されて流行しがち。
乱暴に分けてしまうと、世界最大宗教のキ教も本質的にはこちらジャンル。罪を「金銭」または「入信して悔い改めること」つまり、贖いで解決できるという教義は、弱い人間の心を掻き立てて最も多くの信者を獲得した。
いっぽうの1は、古典思想に多い。神秘主義の研究者はたいていこちらに属する。
チャネリングでも例外として、シルバー・バーチやモーゼスはこちらの思想を語る。
実は「スピリチュアル」と言えばこちらが本流で本義。バーチから発した思想、因果律を語るのがスピリチュアルだ。
釈迦から発祥した仏教は、1と2を併せ持つ稀有な思想と言える。
宗派によって色々とあるようだけど、概ね
「色即是空」と説きながらも
「修行せよ」と迫る。※
そしてその根幹には輪廻思想があるので、完全なる自己責任の理論である。
金を払って自分の罪を無しにしてもらえたり、入信してお題目を唱えれば幸福になれるなどの例外は絶対に許されない。
許す仏教があるとしたらそれは仏教ではなく、
この通り、一休さんもお怒りです。
⇒オトナの一休さんに激しく同意、「悟りを金で買うな!」
※「修行」とは、最も正しく解釈するなら「人生を真っ当に生きること」、ただそれだけ。用意された人生計画を生きることだけがカルマを解消する唯一の道(と言っても意外とそれが難しい。真剣に生きてみよ、難しいから。人生に比べたら、滝行のなんて安易なこと! 甘え過ぎ)。誤った仏教宗派が説くような特別な修行は必要ない、むしろそのようなものは人生計画を損ないマイナスとなり得る
〔用語について〕この記事で「カルト」とは、俗語の「狂信的な宗教、思想団体」という意味。正式な訳は単に「儀式」。
私が見たところ、この1の思想を貫いているスピリチュアルなり、仏教系なりがカルト化した例はない。
(今のところバーチを騙る宗教も見当たらないようだ。そもそもバーチは「宗教教義は作っても求めてもダメ」と言っているので、バーチを騙る宗教があるなら矛盾と言える)
何故なら、1は絶望的に人気が得られないから。
人間は努力が嫌いで「ワクワク」だけを求めたい、我がままな生物。修行したり、黴臭い道徳で縛られたりするのは嫌なので人が集まらないのだ。
で、「絶望的に人気が得られない」ということは旨味がないことになる。
旨味がなければ、儲けを目的とした悪い人々が寄って来ない。
だから悪徳カルトがこのジャンルを選択する可能性は低いことになる。(あくまでも「可能性が低い」ということで絶対ではないから、警戒は緩めないでください)
結局、努力を厭わない・厳しいものを遠ざけない・自ら学ぼうとする態度が身を守るということになる。
日常社会と同じですね?
つまり、日常を忘れては駄目ということです。
日常こそが最高度の神秘であり、修行なのだから。
関連記事 危険なスピリチュアル、「色即是空」の甘い罠
関コーナーの感想
最後に。注意喚起は終わりで、番組として純粋な感想を述べると、「今回の関コーナー、まあ面白いんじゃない」
と思った。
子供心を刺激してくれるという観点だけで観れば、宇宙人などの話をしても別に構わないでしょう。
それにあと十五年後――つまり2034年以降、きっぱり価値観が変わるということは、私も何となくメッセージを受けているのでそうなのだろうと思う。
それが宇宙人の存在が公認されるということでも、別に私は驚かない。
しょせんは物質的なこと、肉体的なことではないか。
単に人類の交流範囲が広がるだけのこと。
黒船が到来した時と何が違うのか?
宇宙人とDNAが混ざった人類が既に生きていて、そういった人たちがバージョンアップしていき人類へ知恵を与えているのだとの話。
それはそうなのだろうが、ハーフがいたとしてもあまり過剰に崇め過ぎないほうがいいと思う。
しょせん、肉体の問題。
しょせんはDNA。
そんな乗り物よりも、中身のバージョンアップが大事でしょう。
地上的・物質的なことより、もう少し精神的・魂的なバージョンアップをしたいものだなと思った。
これからはそういう魂的なバージョンアップを目指す人と、死を恐れ地上にしがみついて物質的な長生きを求める人と、二つに分かれる気がする。
あなたはどちらを選ぶか? ということころを今、迫られている時期なのだろう。
【関連記事】
「一括り」に考えてはならないことと、同じと考えるべきこと
- 関連記事