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占星術や歴史の前に、とりあえず今すぐ役立つ話から上げていくことにします。
(某キュレーションサイトの名を出して書いた記事は削除したので、一般論として書き直すものです)

 関連記事 三国志ジャンルの捏造記事について +蜀ファンへメッセージ【拡散希望】

ここでは法的な手法をアドバイスしていきます。
専門知識で書いているため誤りはないと思いますが、ケースにより結果は異なり100%確実ではないことをお断りしておきます。
パクりなどの被害に遭われた方は、証拠保全したのち、必ず個別に弁護士さんへご相談ください。

キュレーションサイトの法的問題

ここのところ書いている通り、近年キュレーションサイトの剽窃・捏造問題が取りざたされています。

ある歴史系サイトが剽窃を行っているらしい、という事件は、たくさんの目撃者がいました。ところが被害者が告訴しなかったことと、加害サイト運営者がネット上の批判を全て削除するという強硬手段に出たため、批判者が撤退してしまい問題はうやむやとなっています。
結局、親告罪(しんこくざい。本人が告訴しなければ処罰されない)であるので、被害者が訴えない限り断罪することはできないのが悔しいところです。

ただ、処罰されていないからといって「法的問題がない」わけではありません。

問題のキュレーションサイト運営者は、
「弁護士に相談したところ、うちのサイトは法的に問題がないとの回答を得ている」
と言っているらしいですが、私がそのサイトの情報を少し調べただけでも法的問題だらけです。
いったい、その弁護士へどのような訊き方をしたのか激しく疑問です。
まさか
「うちって他人のサイトから剽窃してるんだけど、法的に問題ある?」
とは訊かないはずですから、
おそらく漠然と
「歴史ジャンルで、他者の考えを参考として新たな文章を書くのは法的に問題があるかどうか」
などと訊ねたのではないでしょうか?
だとすれば弁護士は一般論として「問題ない」と答えるに決まっているでしょう。

もし剽窃問題が取りざたされている現状を弁護士が知り、いかに元記事と似ているのか比較検討されたなら、「問題なし」とは言わないだろうと思います。
これは剽窃が事実行われたかどうかとは無関係です。
たとえ剽窃が疑いに過ぎないのだとしても、疑いがある限りは無罪判決が出るまで「問題ない」と弁護士が言うことは有り得ないからです。
(具体的な事情を知ったうえで「問題ない」と言ったのなら、その人は弁護士失格と言えます)

「剽窃」つまり「著作権侵害」があったことが客観的な証拠で証明された場合、そのサイトの法人は処罰を受けますし、民事の賠償責任を負うことになります。
被害者の方々はどうか諦めないでいただきたいです。
それから上記の判決が出た場合、「あれはパクりではないか」といった推測をした方々も、公益に資す行いをしたということで名誉毀損罪の処罰を免責される可能性が高いです。


また、これは別の話ですが、その歴史サイトには捏造問題もあります。
何の根拠もない作り話・悪口を、あたかも客観的な史実であるかのように装ってサイトに掲載し歴史人物の名誉を貶めているものです。
筆者の推測では、明らかに故意で目的をもって捏造を行っています。

おそらく
「死者に対してどんなに酷い悪口を書いても、相手は死んでいるから訴えられない。悪口言いたい放題!」
と思っているのでしょう。
しかし歴史人物を貶める目的で捏造記事を書くことも「法的問題がない」わけではありません。

前も引用した通り、日本の刑法には
刑法第230条2項 
死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。
という条文があります。
これは過去に実在した人間について、虚偽(嘘の話。誤りの話)を言いふらした者を刑法で処罰できるというものです。
もしこの法律が適用されたなら、たとえば諸葛亮について捏造話を書いているネット記事作成者、歴史学者は軒並み処罰されることになります。


「パクり」などの言葉について、解説

具体的なアドバイスの前に、大事なことですので少しだけ用語の解説をしておきます。

・パクり、パクる

ネットや日常でよく使われる言葉ですが、法律的に言うと「パクり」と呼ばれるものの全てが罪になるわけではありません。
「パクり」はとても広い言葉であり、本当に「インスパイアされた(影響を受けた)」だけであれば問題とならないケースもあります。

ただし、キュレーションサイトがライターに行わせる
「リライト」(他人の書いた文章を、体裁だけ書き変えて盗用したもの)
は罪となります。
リライトすれば許されると思うのは勘違いです。これは実は著作権侵害のなかで「人格権侵害」に当たります。人の人格を踏みにじる行為ですから罰則があり、賠償額も高くなるケースが多くなっています。

・剽窃(ひょうせつ)

盗作、盗用と似た意味の言葉です。他人の文章を盗むこと。
難しい言葉なので法律用語と思われがちなのですが、実は一般用語です。

これは一般的には「パクり」よりも狭い意味で使われていると思います。
デッドコピーの証拠があり、他人の作品を盗んだことが明らかで、なおかつ悪質な場合によく使われています。

補足 元々は学術論文において出典を明らかにしないまま引用することを指します(学術論文では法的な意味合いよりも学問の目的から、原点を辿るため出典を明記する必要があります。自己の論文であっても出典を明記しなければなりません。犯罪かどうかとは別)。ただ一般社会で「剽窃」は、もう少し犯罪的な意味で使われていると思います。

・著作権侵害

これが唯一、法律用語です。
「パクりが罪になる」とは、著作権法で定められた著作権侵害の罪が成立して処罰されることを意味します。

著作権侵害には細かな種類と要件があり、とてもここで全てを説明するわけにはいきません。
罰則は分かりやすく、
「10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金」
です。(個人の場合)
法人はもっと罰金が重く
「3憶円以下の罰金」
が科されます。

追記 一般の方が勘違いしやすいことを追記しておきますと、著作権はいわゆる「版権モノ」つまり商業販売されているコンテンツ作成者のみが有するものではありません。無料配布されているサイト記事、ブログ記事、ツイッター文章や画像なども著作権がありますので無断で盗用することは法律違反となります。また、著作者がプロであるかどうかも関係がありません。
(厳密に言えば、著作権と著作者人格権は違うものです。著作権は売ることができるため作者とは別の人が持つこともあります。また著作権は期限が来れば消滅します。ただ人格権のほうは半永久的に原著作者のもので、著作権がなくなってからも消えません)

・引用

キュレーションサイトが著作権侵害で訴えられたとき、
「出典を明らかにしているから、法的に許される引用だ!」
と言って処罰を免れようとすることが考えられるでしょう。
しかし、「引用」とは本来罪になるところを例外として許す規定。例外なのですから、それほど簡単に許されるわけではありません。

引用が認められる要件はこちらの記事でまとめています。誹謗中傷目的で使うのがダメなことはもちろん、他にも細かいルールがありますので注意してください。
 著作権のはなし、引用と転載の違い。引用はどうやればOKなのか?

言うまでもないことですが、某歴史系キュレーションサイトは、そもそも出典も明らかにしていないので「引用」という主張は通りません。


訴えの奨め

上に書いた通り、著作権侵害は重罪です。
法人のキュレーションサイトであれば「3憶円以下の罰金」が科せられますから、事実上、サイトを消滅させるダメージを負わせることが可能でしょう。

確かに裁判には費用がかかります。
弁護士への依頼料も高いです。
そのわりに損害賠償で回収できる額は微々たるもの、裁判を諦めてしまうのも無理はないでしょう。

しかし、堂々と剽窃する・悪質な捏造記事を書いて人の名誉を貶めている歴史サイトを野放しにしておくのは、社会的に問題があり過ぎます。
被害に遭われた方は、公益のために訴訟を起こすべきではないでしょうか?

最近はこんなシステムも誕生しているようです。
 ⇒裁判特化型クラウドファンディング(サポーター募集)
 他、一般的なクラウドファンディングでも可能

☆某歴史キュレーションサイト被害者の方へ、訴訟プロジェクトを立てたらご連絡ください。筆者も宣伝など協力させていただきます。

※プロジェクトを立てる前にまず、30分なり相談料を払って「訴訟が可能かどうか」弁護士へご相談することをお奨めします。資金は集まったものの、証拠がないために裁判不可能ではどうにもならないからです。


著作権侵害からコンテンツを、捏造から先祖を守る! 第一歩は証拠を残すこと

上で「訴訟すべき」と書きました。
ただ、現実に訴訟を起こせるかどうかは、証拠があるかどうかにかかっています。

証拠とは。

【著作権侵害で訴えを起こす場合】

自分の文章などが、ある年月日に自分が運営するサイトのURLに存在したことを証明する必要があります。(可能なら相手の文章などがネット上で公開された日より前に)
以下、証拠として強力な順に上げていきます。

1.確定日付
 最も望ましいのは、公証役場での確定日付を取っておくことです。
 自サイトのページを印刷したPDFファイルを入れたUSB、または印刷した紙などを封筒に入れ、お近くの公証役場へ行き、確定日付のスタンプを押してもらうのです。
 「その日・そのURLにコンテンツが存在したこと」の最も確実な証拠となります。

2.電子的タイムスタンプ
 高度な暗号をかけた年月日時の電子情報をPDFなどに付します。
 詳しくは、サービスを行っているセイコーのサイトをご参照ください。⇒かんたんタイムスタンプ

3.インターネットアーカイブでの、自サイトの記録
 剽窃されたコンテンツの載るページがアーカイブされていないか調べてください。
 インターネットアーカイブでは自分でページを保存することもできますが、アクセスの高いサイトであれば自動で保存されていることもよくあります。
 
4.単純に紙などへ印刷した自サイトページ、日時とURLの分かるスクリーンショット(自分のサイトの)

5.自分のパソコン内におけるファイル作成日時の記録
 一般的に証拠としては弱いと言えます。でも無いよりマシです。
 なお、ブログ記事等の日付も無いよりはいいのですが、ブログの日付は改変できるため証拠として非常に弱くなります。

もし剽窃があった時より前にこれらの証拠を残していなかったとしても、諦めないでください。
あなたのサイトを見ていたたくさんの目撃者がいるなら、証人として裁判で証言してもらう道も残されています。

★当然ながら、剽窃している相手サイトのページを日時とともに記録することも忘れず行ってください。この場合も自サイト同様、「確定日付」が最も強力な証拠となります。


【捏造記事で死者名誉毀損の訴えをする場合】

現実にはあまりたくさんの裁判例がありませんので、証拠として考えられるものを上げていきます。

◆相手の犯罪を証明するための証拠: 
 手順1)相手サイトの問題ページをPDF印刷、またはスクリーンショット
 手順2)確定日付またはタイムスタンプ取得


◆真実の歴史を証明するための証拠:
1.筆跡鑑定可能な、本人の自筆による文書証拠(又は近親者の文書)

2.録画、録音による本人の証言(又は近親者の証言)

3.国家機関などによる正統な記録
 
4.権威ある歴史学者数名による史実の考察

4については『三国志』ジャンルを眺めていれば分かる通り、歴史学者という生物は堂々と捏造を行う本能を持つので、ほとんど当てにはなりませんが。ただ「何も無いよりはマシ」と言える程度でしょうか。
いずれにしても、近い時代の人のほうが、さらに日本史のほうが有利となります。

【関連記事】 「ネット上で嫌がらせを受けた時の証拠の取り方」、良記事です


あくまでも訴訟前の話でした

とりあえず訴訟のための準備をお伝えしました。

もしこれらの証拠が準備できたなら、ぜひ弁護士さんの元へ相談に行かれてください。
証拠が強力であればあるほど勝てる見込みが高まるでしょう。

ただし著作権法での訴えは、弁護士の仕事でもマイナーなほう。
ほとんど著作権法を学んだことのない弁護士もいます。
(まして死者の名誉毀損を受けたことのある弁護士はほとんどいないと思います)
知識がなく誠実ではない弁護士に依頼してしまうと勝てる裁判でも敗けてしまいますので、ぜひご相談前にその分野が得意か、よく調べてください。

 例、⇒著作権侵害に強い弁護士(ココナラ検索)
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吉野 圭-Yoshino Kei
Posted by吉野 圭-Yoshino Kei


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