神秘・占星術

    フレディ・マーキュリーのホロスコープをASCから考え直す

    占星術の雑談です。

    フレディのホロスコープは?


    この間、映画を観てから気になっていたフレディ・マーキュリーのホロスコープ(ネイタル)を調べていた。

     映画レビューはこちら:『ボヘミアン・ラプソディ』異端スターの孤独を描いた物語。この人生は体感すべき

    ネットに色々と記事が転がっていて、アセンダントを乙女座に設定したものが特に目立つ。
    「アセンダント×太陽 合」というネイタルなのだが……。

    いまいち腑に落ちなかったので、AstroDatabankでフレディの情報を調べてみたら出生時間は分からないらしい。
    上URLより:
    freddie.gif

    やはりフレディの「アセンダント乙女座」という出生図は、何かの間違いではないかな?
    たぶん誰かがソーラーハウス(太陽を起点としたホロスコープ)で作成した図が出回っているのだと思う。


    フレディは乙女座らしくない


    基本性格をアセンダントで見る手法で考えれば、フレディが乙女座というのはどうも違う気がする。

    もしかしたら
    「フレディはゲイだから乙女座らしい」
    などと短絡的・差別的に考える人もいるかもしれない。
    でもそれは性的アイデンティティの現実からも、占星術的な解釈からも誤った考え方だ。

    他記事で何度か書いている通り、乙女座を「乙女チックな星座だ」と考えるのは誤り。
    乙女座は、律儀・几帳面・潔癖・職人気質・研究員風・職務に忠実……等々という言葉で表現されるように、むしろ寡黙な男性のイメージすら持つ。日本の職人などに近いイメージ。

    太陽とアセンダントが乙女座にあれば、この職人気質なところが人格として際立つはず。律儀で几帳面を絵に描いたような人になると考えられる。
    フレディにそんな寡黙で律儀なイメージがあるか? ――否、だ。
    フレディは細かいルールに忠実だったか? ――否、だろう。遅刻魔だったらしい。

    確かに、彼は楽曲という作品については品格を求め、潔癖さを持っていたのかもしれない。この点、乙女座の性質の表れと言える。
    でもそれは太陽の要求する、表向きの行動(装い)に過ぎない。
    本質から乙女座なのであれば、あれほど世界中で共感を呼び、感情に訴えかける芸術を生み出すのは難しかったと思う。


    自己矛盾に葛藤する、繊細な人柄


    私はあくまでも映画で観た限りのことしか知らないのだけど、彼が自己矛盾を感じていて、葛藤した人生を送ったことは間違いない。
    ということは、アセンダントと太陽の仲はあまり良くなかったはず。90度か180度だったのではないか?
    (アセンダントと太陽が合の人はアイデンティティに迷いが少なく、葛藤する暇すらもったいないという雰囲気で、やりたいことをやり続ける人が多い)

    また映画で描写されたフレディ・マーキュリーという人格は「繊細さ」「傷付きやすさ」が際立って見えた。
    と言うことは魚座など、水星座が本質にあるのでは?
    特に太陽と180度の魚座は可能性が高い。

    日本語では乙女座にも魚座にも、同じ「繊細」という表現が充てられる。
    しかし乙女座と魚座の繊細さは異なる。
    乙女座の「繊細」は手先の仕事や業務遂行、ルールなど、義務となるものに向けられている。日本の職人が見せる繊細な技巧が典型的。
    いっぽう、魚座の「繊細」は感情の傷付きやすさ、感じやすさの意味。英語の「sensitive(センシティブ)」。

    魚座であっても傷付きやすさは慎重深さ・疑い深さとなり、結果として技巧がデリケートになることはあるのだが、あくまでも感情メインであるところが乙女座とは別種。

    乙女座的だと感じるのはむしろロジャー・テイラーなど他のメンバーたちのほうかな。職人気質な感じ。
    フレディは彼らと合わせるために乙女座の太陽を使役したような気もする。


    彼が最も求めたのは「共感・共鳴」


    もう一点、気になるのはフレディがあまりにも強く「友情」や「愛情」にこだわったこと。
    つまり他者へのこだわりが強かった。
    他者との結びつきが正直ではない・足りないと感じれば孤独に怯え、パーティなどに溺れた。

    先日、映画ヒットに関するインタビューでブライアン・メイも語っていたが、
    「フレディは観客の呼応(観客とのコミュニケーション)を何よりも求め、反応を大切にしていた」
    とのこと。
    だから呼びかけのような楽曲が生まれた。
    ということはやはり、他者を重視するホロスコープでなければ筋が通らない。

    フレディの出生日で、アセンダントを乙女座にすると「他者」を表す右側にほとんど惑星がなくなる。
    その場合は他者よりプライベートを重視するタイプとなり、恋人がいようがいまいが、一人でも充分に楽しく生きていける。(もちろんホロスコープの右側に惑星がない人が他者をないがしろにしているという意味ではない。個人の時間を最も大切にしているから、他者に振り回されることは少ないということ)
    フレディはどう考えてもそういうタイプではなかった。もしそうだったとしたらあれほど苦しんではいないだろう。

    友人や恋人、ファンなど他者との関係が第一で、その関係が不十分だと絶望を覚えてしまう。
    それはホロスコープ右側(DSC側)に惑星が集まる人の特徴だ。


    まとめ、アセンダントサイン魚座で設定してみた


    以上のことを総合して、こんな感じのホロスコープを推測してみた。
    fre3.gif
    ※12/22 最初に上げた画像はStargazer設定を変えるのが面倒で緯度経度が合っていなかったため、もう少し正確な画像に入れ替えました

    アセンダントは感受性の強い魚座。
    すると「他者との結びつき」を重視する7室に太陽等が入り、海王・冥王・ASCで天才性を表すヨッドも生まれる(この画像ではASCとの150度が表示されていない)。
    葛藤の多いホロスコープであり、かなり辛い人生だが、そのぶん恵みも多い。
    6室に惑星が集まり、病にはかかりやすい。特にここへ冥王星が入るのは重い。

    この図はあくまでも仮だから単純に考え、ASCを太陽と対極にしている。このため太陽×DSC合に見えるが、もう少しだけ後半でもいいと思う。(もう数分遅い時間になれば当然ながら太陽は6室となるが。ASC16度だと、火星・冥王星ともう少しタイトなヨッドができる。この辺りの可能性もある)
    フレディには燃え盛る火の情熱も感じるので、牡羊座が1室を占める割合が多いのは妥当。


    推測の一つであること


    以上、
    あくまでも推測でした。
    映画を観ただけのニワカによる分析で、トランジットと照合もしていないので間違っているかもしれません。
    推測の一つとして捉えてください。

    また時間がある時に細かいところを考えたいと思います。


    【3/14追記】 その後ドキュメンタリー等で観察して。
    現実のフレディには「派手な衣装での自己演出がうまい」「自分の見せ方を知っている」という特徴が強かったらしく、もしかしたらASC獅子座の可能性もあるかなと思いました。
    実は当初の印象では、フレディはASC獅子座かなと思っていたのです。舞台演出家としての才能は獅子座が全12星座中最も高いからです。(獅子座には芸術性もあります。この点、魚座と競る特質なため判別が難しい)
    しかし映画を観た限り内面の葛藤が強い人であると感じたので、ASCと太陽が遠いタイプだなと推測して上の結果を導き出したもの。
    ただ「葛藤」も獅子座単独の特性と見れなくもない。獅子座は度数によって、孤独を感じやすく道に迷うことがあるからです。
    結局、やはり悩みますね。(もう少し情報が必要か)

    皆様はいかが思われるでしょうか。
    少なくとも乙女座ではないと思いますが。
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