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『住みここちランキング』という調査で「北山田」という聴き慣れない街が3位に入ったという話、ニュースで取り上げられていて驚きました。
何故なら自分にとって思い出深い街だから。

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 ※写真はセンター北

北山田、港北NTの思い出

私は昔、あの辺りに住んでいました。
今話題の北山田ではなくてNT(ニュータウン)はずれの方でしたが、北山田~センター北は当時の私の「庭」で、毎日の散歩コースでした。

文庫本を片手にぶらぶらと歩きまわり、公園読書するのが日課。
完全に怪しい奴でしたが(笑)、今と違って人口が少なかったため気にする人もなく。

東に横浜や東京の高層ビル群が青い影を浮かべ、西には大山と富士山がそびえる。
そんな丘上からの眺望を楽しみながら毎日歩き回っていたことを思い出します。

私が住み始めた二十歳の頃はまだ北山田駅など影も形もなく、センター北駅の阪急百貨店や南駅の東急百貨店もありませんでした。
北駅の駅ビル、「アイタイ」(上の写真、阪急の隣)すらなかったのですから、今の住人にはどれだけ昔だよと笑われそうですが。
仕事はなく貧しかったけど、美しい景色を眺めながら過ごした若い日々は幸福でした。

春には毎年、弁当を持って山田富士公園へ行きました。
富士山を模した小山の上から眺める桜が格別に美しいのです。
住み始めたばかりの頃はまだ我々夫婦二人しか桜を見に来ていないというほど穴場の花見スポットだったのですが、引っ越す直前の花見時期はもう人で溢れ返っていました。
街の雰囲気が変わってしまい、寂しくなって引っ越しを決めたものです。
今回、ニュース映像で山田富士公園などが映った時はさすがに懐かしくて声を上げてしまいました。

お気付きかもしれませんが、短編
 『空蝉 -utusemi- 』
の舞台はこの街です。
具体的に書いてしまうと幻滅させてしまうのではと思って以前は伏せました。

前にいただいた『空蝉』等へのご感想で、「静か」と仰っていただいたのでなおさら具体的な地名を告げるのは気が引けました。
『住みここちランキング』のニュースでは、インタビューされた住民たちが
「都心へのアクセスが便利なわりに閑静だからいい」
と回答していましたが、私が住んでいた頃の「閑静(と言うより閑散)」と比べたら雲泥の差です。

キラキラした世界が肌に合わない、わたくし。
私には今の港北NTは少々賑やか過ぎます。
実際、今住んでいる街のほうが賑やかなのですが、人種が違うと言うか。
港北は他所からの移住者が多く、「オシャンティ」を目指す金持ちばかりで私の基準から言えば少しチャラい気がしてしまう。(悪口っぽくて、すみません。あくまでも昔との比較で言っています)

ドラマ撮影のメッカになっていることは、たまにテレビ画面で懐かしの景色を見ることができて嬉しいのだけど。
そのせいでまたおシャンティな人種が増えたのだよな。
 参照:なぜ「港北ニュータウン」がドラマ撮影のメッカになったか?

あげく、今回は「住みここちランキング」で全国3位とか。
ますます移住者が増えそうな気がします。
街はうるおって業者や横浜市は喜んでいるでしょうが、元々の地元住民が少し気の毒になります。


2015年、市営地下鉄の三国志キャンペーン

余談ですが、この港北NTを横切る横浜市営地下鉄で『三国志スタンプラリー』というキャンペーンが開催されたことがあります。

何を血迷ったのか、横浜市長の林文子さんがゲーム会社コーエーと手を組んで行った企画。

何故なのかなと不思議だったのですが、やはり中華街を擁する横浜市だからでしょうか。
それと、三国志ゲームのパイオニアとして有名な(株)コーエー本社が横浜市港北区にあるんですね。

過去のキャンペーン情報
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魏・呉・蜀の三国に分かれた横浜市営地下鉄を舞台に、お得なクーポンがもらえるスタンプラリーを開催!
各国に属する対象駅に掲示された武将ポスターのQRコードからスタンプを集め、三国統一を目指そう。
また、各国を制覇するごとに入手できるスマートフォン用クーポン壁紙を、横浜市内の商業・観光施設で提示することで、お得なサービスが受けられます。

実施期間 2015年12月10日(木)〜2016年1月11日(月・祝)終了しました
対象路線
魏 ブルーライン あざみ野駅(夏侯惇)、横浜駅(曹操)、関内駅(張遼)
呉 ブルーライン 湘南台駅(陸遜)、戸塚駅(周瑜)、上大岡駅(孫権)
蜀 グリーンライン 中山駅(劉備)、センター北駅(関羽)、日吉駅(諸葛亮)

横浜市営地下鉄『三國志30周年記念』より
スタンプラリーはおそらく流行らなかったと思いますが、ポスターはごく狭い範囲のファンの間で少々話題になった様子。

個人的には、自分にとって非常に思い出深いグリーンラインの駅が「蜀」として充てられたことが嬉しかったです。
思わず、このスタンプラリーにかこつけて「思い出の地巡り」をしてしまいましたっけ。
こんな企画がなければもう一生帰らなかったかもしれない港北NT。何かの縁を感じます。ありがたかったです。

ちなみに。
「中山(なかやま)」に劉備を鎮座させたのは、たぶん劉備が「中山(ちゅうざん)靖王の子孫」だから。
「センター北」が関羽だったのはグリーンラインとブルーラインの乗り換え駅で、荊州をイメージしたのだと思います。/後で気付いた:もしかしたら丘が多いからでもある? 港北NTは隆中に似ていたのでしょうか、笑。
諸葛亮を「日吉」としたのは、知性の象徴たる??慶応義塾大学があるからかと。関係ないですが私にとっても縁が深いですね。因縁とも言えますか。

慶応義塾。嫌な思い出ばかりだが、見ると懐かしい。hiyoshi.gif

このスタンプラリーはざっくり地図を眺めても(東西南北の配置は異なるが)ミニ中華となっており、よくできていると思いました。
横浜中心地を中原すなわち魏、山と丘エリアの港北NTを蜀、海に近い湘南エリアを呉とするなど(※追記参照)。巧いです。

これら三国志マニアであっても地元人でなければ決してピンと来ない設定は、なかなか気合を入れた企画だったことを感じさせます。おそらくコーエー担当者さんの力でしょう。
でも、「地元の土地勘があり」「三国志マニア」って、ターゲットが狭過ぎて伝わらなかったと思いますよ。おシャンティな街に歴史マニアは住んでいないでしょうし。(私くらい。マニアでもないし。笑)
浸透させるにはもう少し長期でやらないと。

せっかくだから、この『三国志×グリーン・ブルーライン駅』結び付け企画、自治体が引き継いでもう少し長期に安定的に続けたらどうでしょう?
特にグリーンライン駅周辺の自治体関係者さんは、中山などに蜀関連の施設を作るといいかもしれません。浸透すれば中華街を訪れる観光客の流入が見込めるかも。


※追記 湘南台から海へ行ける?:
観光で訪れる方々のために追記しておきます。
上で「呉」に充てられている湘南エリアですが、「海に近い」と言っても駅から歩ける距離ではないのでご注意ください。湘南台駅(藤沢市)が「湘南」と呼ばれる地域に含まれる、というだけ。海までは歩ける距離ではありません。
もし湘南の海に行きたければ、湘南台から小田急線に乗って片瀬江ノ島へ行く必要があります。
なお、横浜市営地下鉄で現実に海(港)に近いのは、関内~桜木町。ここが現実の呉(上海あたり)に似ている地域なのですが、「横浜の中心地=中原」ということで魏を充てるしかなかったのでしょうね。
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吉野 圭-Yoshino Kei
Posted by吉野 圭-Yoshino Kei


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