-
・translate 翻譯
最長GWで混雑する前に、平日休みが取れたので映画鑑賞。
コミック原作、山崎賢人・吉沢亮主演で話題の映画、『キングダム~KINGDOM』を観てきた。

 ⇒キングダム公式サイト



どんな作品? 冒頭ストーリー


『キングダム』の原作のほうは、私は冒頭をアニメで観ただけなので深くは知らないのだけど、異次元に面白いストーリーで日本人の話を作る才能に驚愕したものだった。

ストーリー:
幼き頃に戦災孤児となった信は奴隷として買われ過酷な労働を強いられていた。
同じ家にいた同年代の少年、漂とともに「大将軍」となる夢を見て日々戦いの技術を磨く。
ところがある日、大臣の目に留まり王宮へ召し上げられたのは漂だけだった。
悔しさに身を焦がしながらも親友の出世を喜び、祝福して送り出す信。「いつか漂の後を追う」と誓って腕を磨く信だったが。
しばらくして傷を負った漂が信のもとへ戻り、信は漂が秦王の影武者として使い捨てされたことを知る。
漂は信へ、中華大陸で羽ばたく夢を託すが――

二人の少年の絆。
底辺からのし上がる壮大な夢を求める情熱。
情と義を軸とした、シンプルかつ熱い物語。

この冒頭だけでも引き込まれるではないか。
歴史など知らない人でも予備知識なしに見ることができるはず。

さすがさすが、ジャパニーズコミック! 奇跡のストーリーテラー民族!
と称賛したくなったのだが……。

ああ、これが、完全に架空の物語だったら良かったのにと思った。
ここまでよく出来たストーリーなら100%架空にすべきだった。

何故、安易に現実人物の名を使って歴史捏造をするんだ。
外国侵略を後押しするイデオロギーに尻尾を振って売国し、恥ずかしくないのか? 
日本の知的弱者たちよ、どこまで恥をさらせば気が済む?

これほど残念な物語はない。


映画としての無責任な感想


ひとまず現実は措いて、映画だけの感想。
純粋にジャパニーズ映画として観た場合の、無責任でミーハーな感想を書いておこう。

個人的な話を述べると、「中華大陸の戦乱時代」が舞台であるこの映画、私は戦場シーンを警戒しつつ観に行った。
よほど辛かったら目を閉じて耳を塞ごう……と思って構えていたのだけど、幸い?なことにリアルな戦場の描写も攻城シーンも一切なし。安心して眺めることができた。

もちろん「安心」とは私の個人的事情から言うことで、一般の基準には合わないと思う。
アクションシーンにて流血はあるのでお子様や、流血が苦手な方は注意してください。

流血シーンの基準を言えば、『るろうに剣心』に近い程度。PG12くらいだろうか。
映画としての属性・ジャンルも『剣心』に近いのだが、あれより若干、血は少なくストーリーの重さもない。
『進撃の巨人』より遥かにライト。ジャンプコミックそのものという感じ。話も、中学生くらいのお子様向け。
(映画の『剣心』にはエンタ-テイメント性を除けば歴史物としての重みもあったが、そのような重みは『キングダム』には一切無い)

リアルさは皆無。
圧倒的に強い暗殺者や、巨人などの化け物が次々に表れて対戦していくゲーム形式。
まさに「ジャンプスタイル」。『キン肉マン』や『ドラゴンボール』の伝統を忠実に踏襲している。

ジャンプらしく敵は異常に強い化け物だが、主人公たちも全員が一騎当千で圧倒的に強い。
王宮に閉じ籠もって甘やかされて育ってきたはずの秦王でさえ何故か一騎当千であることに苦笑。
そして「山の民」は原始的なアマゾネス。(異民族の表現として相変わらず差別的)
どうしても一騎当千や、アマゾネスを出さなければ気が済まないのだね日本人は。
これは『少年ジャンプ』の伝統であるが、そもそもフィクション『三国志』と『蒼天航路』の伝統でもあるのだろうか? 

ところでこの作品はずっと少年ジャンプ連載だと思っていたのだが、ヤングジャンプだと知って意外に感じた。
ヤンジャンなのに……少年向け『剣心』『進撃』より遥かにお子様向けなのは不思議だ。
(おそらく原作はヤンジャン的な重さがあるのだろう。と思っておく)

ストーリーは優れているし役者も頑張っているので、純粋にエンタ-テイメントとして観るには面白いだろうと思う。

しかし映画館で観客を見回してみたら、かなり年配の方々も多くいたからまずいなと思った。
司馬遷『史記』が原作だという宣伝を信じて観に来られたのだろうか? だとすれば落胆するだろうし、怒りも覚えるだろう。これを『史記』原作と宣伝するのは詐欺になりかねない。
我々のようにジャンプ作品に慣れた世代でなければ、「ジャンプだから仕方がない」と温かい目で眺めるのは難しいはず。

一般の映画と同じように芸術的な歴史作品を期待して観るのは間違っているのだから、映画館の入り口で断り書きを置くべきではないだろうか?
「この映画はコミック的エンタ-テイメントです。歴史物を期待しないでください」といった感じで。

頼むからこの映画を海外に出さないで欲しい。
特に、中国人に観せるのはどうかやめて。
日本人の知的弱者ぶりが恥ずかしいし、政治で考えればもっと非常にまずい。
(中国人は当然に大大歓迎するだろうがそれこそまずい。バカだろ日本人wwと心から嗤われるだろう、千年の笑いものになる。現に知的弱者であることは事実なのだけど……)


役者は頑張っていた


良いところも述べると、役者さんたちは本当に頑張っていた。以下、敬称略。

山崎賢人には少年ジャンプ的ヒーローが完全に憑依していて好感が持てた。
イケメンキャラを脱ぎ捨て、役者としてステップアップしたのではないだろうかと上から目線で失礼なことを思っていたが。
若者が頑張って成長していく姿を見るのはいいね。

吉沢亮にはもっとキャラクターが憑依していて驚いた。
彼は天才か? そう思わせるくらい憑依しており、漂と政の目つきが違うことに背筋が寒くなった。
素材もいいのだろう。あのキャラクターは確かに、「国宝級の美形」と言われている吉沢しかできなかったかもしれない。

/完全に余談だけど、「吉沢亮」という名を観た時に私は自分の名のように感じた。三字全て、馴染みがあるので。一歩間違っていたら私は小説を発表する際、あのペンネームにしていたかもしれない(まあ「亮」は絶対に使わないとしても。「吉沢」は有り得た)。つくづく良かった……遠く及ばない美形さんと同じ名を名乗っていなくて。妙なことで胸を撫で下ろす。笑

大沢たかおには最も驚いた。いつもと180度違うキャラクター。仁先生とは思えない。
体格を鍛えたのか。あの発声も訓練したのだろうな。
役者って本当に凄いなと思わせてくれる。
『星の金貨』の頃はどうなるのかなと思っていたが。ベテランの風格が漂うようになった。

それにしても、日本人役者が日本語で秦国の物語を演じるというのは不思議な光景だ。脳が混乱する。
ただ、現実を言えば日本人・日本語のほうが当時の中華に近いのだと思う。
※古代中華の文化は、現代中国よりも日本に近い。言語の発音もおそらく日本語のほうに近い

何よりカンフーが無いところが良かったかな。
ワイヤーアクションは少し入っていたが、カンフーが役者の体に染みついていないので、自然な仕草となり抵抗なく眺めることができる。
クルクル回られてカンフーアクションをされると私は抵抗を感じる。時代が違うだろう、と思わずにいられない。
古代にはまだ近代中国のようなカンフー文化がない。だから登場人物の仕草も、日本の役者を使ったほうが史実に近くなる。

だからこそ重ね重ね惜しい。
これで物語が史実を映した重みを持っていたら、長く語り継がれる名作映画にもなり得ただろうに。


中華侵略にバンザイと叫んで手引きする、愚かな奴隷たち


最後に、言わずもがなだけどこの映画の有害性を書いておく。

映画では秦王をヒーロー的に描き、中華侵略を「正義のため」と教え込むイデオロギーが濃厚だった。
秦王はあのような善人ではないし、正義の心を持つヒーローでもないというのに。
どちらかと言えば民を簡単に殺した、あの秦王の弟(成蟜)のキャラクターこそ嬴政そのものだろう。

残虐な嬴政に接しても、親友の夢を叶えるために自分を抑えて従う信……という葛藤を描くストーリーなら芸術として良いのだが。
結局は現実そのままだと誰も共感しないからと、歴史を捻じ曲げ、都合の悪いことをごまかし、虐殺もなかったことにして嬴政をヒーローに描いた。

ファン獲得のための安易な捏造。
浅はかな犯罪だ。
結果、他国侵略を賛美するイデオロギーを振りまいてしまった。


このようなことを書くと
「フィクションはフィクションとして観ろ」
「エンタ-テイメントにイデオロギーを持ち込むな」
と怒る人たちがいるだろう。
そのように思える人には関係ない話だ。
フィクションと史実を切り分ける頭を持っている人は元から洗脳される可能性はなく、安心。

でも実はフィクションだから、エンタ-テイメントだからなおのこと有害性が高くなる。

何故なら世の中、特に日本人はフィクションをフィクションとして観ることができない人が99%だ。
歴史上人物の名を使ったフィクションに触れると、完全なる史実と思い込み信じてしまう人がほとんど。そのまま一生、史実など調べないから洗脳されて生きていく。
きっと自分の家族が殺されて、自分が奴隷として売られるようになる日まで洗脳されたままだろう。
いや、奴隷として売られることになってもまだ「始皇帝さまバンザイ!」と尻尾を振り続けるのでは? 

今、
「『キングダム』は史記を原作とした、史実の秦王を描いたマンガ」
と本気の本心から信じ込んでいる若者は99%だと思う。

そして『キングダム』に篭められたイデオロギー、
「天下統一さえすれば平和が訪れる。始皇帝は中華を平和にし、民を大切に守った素晴らしいヒーローだ!」
という洗脳教育を喜んで受け入れ信じている。


『キングダム』という聖書を信じ、始皇帝を英雄として崇拝して、「グローバリズムこそ唯一の平和な手段なのだ」と信じた日本の若者はどうするか?
次は現実でも同じことをする。

この日本人たちは中華の支配を喜んで受け入れるだろう。尻尾を振って、涎を流しながら。
きんぺー(または次の指導者)に始皇帝を投影し、「素晴らしい平和をもたらす英雄!」と手を合わせて拝むだろう。
家族が殺されても、奴隷として売られても、腹をさばかれて内臓を売られても、
「平和のため……これこそ素晴らしい天下統一のためだ……」
と歓喜の涙を流すのだろう。

だって、始皇帝が中華全土で行った虐殺も、大量の粛清も、
「素晴らしい平和のため! 素晴らしい大義のため!」
なのだからな。

なんだっけ、
「始皇帝様を暴虐な君主としたのは間違っている。虐殺を否定するのは偏見だ。虐殺は必要な、素晴らしい善行だったのだ!」
というのが正義なんだよな。あなた方にとって。

グローバリズム、
グローバリズム
グローバリズム!

素晴らしいな、グローバリズムって。
どのような残虐行為もこの言葉を唱えただけで善行に変わってしまう魔法の言葉だ。


……溜息しか出ない。

愚かだ。愚か過ぎて吐き気がする。
いったいどこの国の民が、他国の残虐行為を「素晴らしい善行」と褒め称えて受け入れるだろう?
性根から奴隷なのだろうか。
今の日本人は
「中国の王様。私の国を侵略してください、どうか我々に対して残虐行為をしてください。侵略されて嬉しいです、よろしくお願いします」
とラブコールを送っているのだからな。
もはや動物の本能にも反し、狂って壊れているとしか思えない。


右翼の人々は何故こういったフィクション作品を批判しないのだろうか? こういう有害フィクションこそ徹底的に攻撃すべきだが。
(朝鮮メディアによる左翼思想汚染マンガ、『蒼天航路』も叩くべきだ)

もしかしたら右翼の人は、フィクションに疎いのか……?
自分が好きな右翼新聞しか読んでいない?
右翼も肝心な敵陣文化に無知だから、全く役に立たない。

本気で国を防衛しようという気持ちでいる人などこの国にはいないのか。
どちらを向いてもこの国は無知な人たちで溢れていて虚しくなる。
この人たちに危機を叫んでいても無駄か。虚しいばかりだ。
関連記事

吉野 圭-Yoshino Kei
Posted by吉野 圭-Yoshino Kei


気に入っていただけたらシェアお願いします。要パスワード記事は引用しないでください(パスワードを貼るのも禁止です)
記事にして欲しいご質問あればこちらからどうぞ:★コンタクト

管理用 anriy3@gmail.com

 カウントは2014年頃から、お休み期間もあり