神秘・占星術

    レオナルド・ダ・ヴィンチはアカデメイアの卒業メンバー?

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    (自分用メモ代わり、常体です)

    今は没後500年とのことでレオナルド・ダ・ヴィンチブームが起きているらしい。
    先日台湾の方々が「諸葛亮はダ・ヴィンチのごとし!」と言っていたので気になった……わけではないが、NHKの『ダビンチは何者だったのか?』という番組を観た。
    特に第2集「 “万能の天才”の謎〜最新AIが明かす実像〜」が興味深かった。

    レオナルド、「知の爆発」に学術サロンの影


    この番組ではAIがテキスト分析を行った。
    と言っても当ブログでお馴染みIBMの性格分析ではなくて、思考パターンを分析し彼の興味の筋道を観たもの。
    つまりレオナルドの“脳内分析”をすることが目的。
    この表現だけに着目するとちょっとディストピアっぽくなるがたいした内容ではない。

    画家であり科学者でもあり医学にも精通し天文学者でもあったレオナルド。
    間違いなく天才だった彼の本質はなかなか捉え難いが、AI分析によれば、人生における幾度かの「知の爆発」がレオナルドの才能を育てたという。

    レオナルドは元々貧しい家の生まれで、意外にも高等教育を受けたことが無かった。
    しかし十代でフィレンツェの工房に入り有名となった後、学術的なサロンに出入りして数学・幾何学・科学・天文などの知識を学んだらしい。
    この時、始めの「知の爆発」が起きている。

    レオナルドに「知の爆発」を起こさせたサロンの名は、“Akademia”。
    彼の手記には何度もこの名称が出てきたという。
    (現代の美術館と同じ表記Accademiaではなく“k”だった気がするのだけど気のせいかな。番組で一瞬しか見ることができなかったので記憶曖昧。間違っていたらご指摘ください)

    今のイタリア美術館と同じでアカデミアと読む? 番組では読み上げなかったので発音も分からない。
    実態が不明だがこのサロンには相当に知的レベルの高い人が集まっていたようで、レオナルドに高度な知識を与えた。
    レオナルドの才能はこの人々から教わった学問なくしては開花しなかったものと思われる。
    どのような天才でもインプット無しでは才能発揮できないということだね。当たり前だが。


    アカデミアの正体とは


    私はこのレオナルドが通った“アカデミア”というサロンが気になった。

    レオナルドはたくさんの手稿を遺していて、一般には「全てレオナルドのアイディアだ」と思われているのだけど、私は「もしかしたらその手稿はサロン“アカデミア”で学んだことをメモした学習ノートなのでは?」と思った。

    この手稿には未来を先読みしたかのような不可解な表記も多い。
    鳥観図や飛行機の設計だけではなく特に不可解なのは天文の表記。
    500年前にはまだ天動説で地球は平らだと信じられていたのに、レオナルドが既に手稿で地球が丸いことや太陽のほうが大きいこと、日食月食の仕組みまで書き記していることに多くの人は驚愕している。(冒頭の画像)
    「こんな昔に地球が丸いことを理解していたなんて! ダヴィンチはまさに超絶天才!」と。
    これらのことから、レオナルド・ダ・ヴィンチ宇宙人説まで唱える人もいる。

    でも実はこのような天体図は既に古代ギリシャ哲学者たちの頭の中にあった。
    ピタゴラスは地球は丸いと言っていたし、プラトンも大地(地球)球体説を唱え地動説も唱えていた。
    世界が逆転し真実が書き換えられたのはプトレマイオス以降。そしてキリスト教会が権力で抑え込んだため、誰も大地球体説や地動説を唱えることが許されなくなった。
    そうして知識は死に絶えた、かのように見えた。

    しかしギリシャ哲学の知識はキリスト教弾圧の手を逃れ潜伏していたのではないか。
    禁じられた占星術が地下に隠れ、脈々と受け継がれていったのと同じく他の哲学や天文知識も密かに伝えた人々がいたのだ。

    それが“アカデミア”、つまりギリシャの“アカデメイア”の知識を継承する地下組織では!?

    などと番組を見ながら妄想し興奮を覚えていた。
    フリーメイソンと比べると殺人ミステリーが無いので皆さんの興味を惹かないかな?
    個人的にはフリーメイソンも古代エジプト知識を伝える学術的な秘密結社なのでは、と想像しているのだが。キリスト教によって言論が抑圧された世界においては、秘密結社でも作らなければ正しい学問を伝えることができなかったのではと。

    ※その後、以下の通りと知る。一応オープンなサークルらしいが、大地球体説や地動説は咎められなかったのだろうか?
    ルネサンス期のフィレンツェにおけるプラトン・アカデミーはメディチ家と人文主義者の私的サークルであったが「アカデミー」という言葉が用いられる端緒
    Wikipediaアカデメイア



    天才は独りで成れず


    もし私の妄想が正しければ、レオナルド・ダ・ヴィンチは決して単独でその天才性に辿り着いたのではなく、伝統ある「アカデメイア」の知識バックアップあっての結果だったということになる。
    レオナルドは、優秀な“アカデメイア大学”の卒業生の一人に過ぎなかった。

    つまり、天才は独りで成れず。
    そう思うと安心しませんか?笑

    ――ただそれにしてもレオナルドの知識吸収力と集中力、能力の発揮ぶりは確かに「空前絶後」と言える。尋常ではなかったことは確かだ。

    改めて冒頭の言葉を振り返る、

    >諸葛亮はダ・ヴィンチのごとし!

    はあ?
    どこが?? とアンチでなくとも抗議したくなるね。
    遠く及ばないにも程がある。
    幼稚園児と東大生くらいの差があるだろう。
    ※追記 ただし軍事・政治をレオナルドに任せたら危険な気がするので、得意分野が違うとも言えるだろうか。

    そんなレオナルドも死ぬ間際は
    「私はいったい何かを成し遂げたのだろうか?」
    という台詞を遺したらしい。
    この台詞だけは、生意気ながら私にも何となく理解できるような気がする。

    確かにレオナルドは偉大な芸術作品を遺した。でも世界人類を決定的に救う発明を遺したわけではない。
    単なる芸術家と言うのも違う気がする。言わば「レオナルド・ダ・ヴィンチ」という人格のブランドを遺した人だ。人格そのものが芸術作品。
    それで充分と思うが、レオナルドには納得いかなかっただろう。
    「名ではなく功績を遺したい」
    と思ったのではないだろうか。
    才能も知識もあまりにも溢れ過ぎていて一つに絞ることができなかった、それが彼の欠点と言えるのかもしれない。


    余談 幾何学と「水」


    最後に気になったことをメモ。

    上の番組にてAIが、
    「レオナルドを理解するのに重要なキーワードは“aqua=水”」
    と導きだしている。
    彼は「水」に異常なこだわりがあったらしく、手稿には何度も「水」という言葉が登場し絵画にも必ず書き込んでいた。

    水……。
    またしてもここで登場したキーワードが気に罹った。
    個人的に、私にとっても「水」は特別なワードなので。
    (『永遠の雨』シリーズ最終巻参照)

    今年は特に「水」という言葉を各所で目にすることが多かった。
    偶然の一致だろうが何かシンボリックなものを感じる。高次元からのメッセージだったら怖いな。

    他、
    レオナルドが「幾何学」を重視していたことも引っ掛かりを覚えた。
    かつてギリシャにあった“アカデメイア”の門にはこう書かれていたという。
    「幾何学を修めていない者はこの門を潜る資格がない」。
    数学を避けてきて未だに幾何学もまともに修めたと言えない一般文系の私には、この言葉が痛い。
    自分にはインプットが足りないとつくづく反省。
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