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『輪廻の少年』感想 思い出はかくも切ない/前世記憶、子供と大人の違い

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『輪廻の少年』というドキュメントを観た。
前世の記憶がある少年と、世話役の僧侶との生活を記録した映像。
純粋な二人の絆が美しいインドの景色を背景に映し出されている。

画像はこちらの紹介動画より引用

(実際の映像はこれほど劇的な演出がないので注意、笑。淡々として地味ですが、そのほうがかえって胸に沁みます)



映像紹介


主人公の少年はチベットの高僧(リンポチェ)の生まれ変わり。
ただしチベット寺院が占いで決定した僧侶などではなく、なんと自分自身で前世の記憶を持っている子。輪廻転生の思想を教わったわけでもないらしい。インド生まれの五歳の子が自分で語り出した記憶とのことで、どうやら本物と考えられる。

だが、それ以外は普通の子。無邪気に遊び笑い転げる姿が愛くるしい。
“高僧の生まれ変わり”と言っても幼い子なのだから保護者が必要で、ある貧しい僧侶が世話役として彼を預かり育てている。
この二人の絆が感動的。
貧しいがかけがえのない日々はキラキラと輝き過ぎていく。結末には思わず涙してしまう。切なかった。
スピリチュアルがメインではない作品だから苦手な方もぜひ。

 背信元⇒アジアンドキュメンタリー(有料)

上のサイトから紹介文を引用
2017年製作/インド/作品時間95分
"インドのラダック地方で、リンポチェ(チベット仏教の輪廻転生の高僧)とされる少年と、彼の世話役を務める僧侶との心あたたまる純粋な絆を描いたドキュメンタリー映画です。中国政府の政策により、インドのラダックとチベットは自由に往来できず、少年は次第に自らの”能力“を失いかけていました。少年に力を取り戻させるため、世話役の僧侶は雪降るチベットを目指して、二人でインド横断の旅に出ます。ラダックの雄大な自然と素朴な人々の営み、ゆったりと流れる時間のなかで、チベット仏教の現実もみえてきます。テレビ放送されたドキュメンタリー版(46分)の《ノーカット完全版》(95分)を日本初公開でお届けします。ベルリン国際映画祭やモスクワ国際ドキュメンタリー映画祭でも絶賛された感動の名作です。

幼いリンポチェと世話役の僧侶が過ごした自問自答の日々。二人は前世の寺があるというチベット・カムへの思いを募らせます。このドキュメンタリーで描かれているのは、幼くして高僧の生まれ変わりだと認められた少年の心の葛藤と、リンポチェの世話役を任された初老の僧侶との素朴で純粋な心の絆です。静かな日常に暮らしながら、ひとつずつ乗り越えなければならない壁を、何とかして克服しようとする二人の思いとお互いへの信頼が、あまりにも美しく清らかで、私たちに無償の愛の形を感じさせるのです。本作と向き合うことで、私たちはこの少年と僧侶の二人のしあわせを願わずにはいられません。そして、仏教とは何か、「輪廻転生」とは何か、生きるとは何か、しあわせとは何かについて考えさせられるとともに、私たちの自身の生き様が問われていることにも気づかされます。


もう少しレビュー


これは国際映画祭に出せば絶賛されるよ!と思ったら既に映画賞を総なめにしていた。失礼。

昔懐かしいドキュメントだと思う。
『シルクロード』が放送されていた時代には、よくこういう古代的な習慣に生きる人を記録したドキュメントがあった。我々の住む場所は冷たいコンクリートの都会であっても、世界のどこかには永遠にあのような神秘が存在し続けるのだと思っていた。
しかしいつの間にか世界中、美しい場所や文化は破壊されて失われてしまった。
あれからほんの数十年しか経過していないのに東アジア・中東の全てが獣に食い尽くされてしまうとは。
だからこの映像に描かれた人々の生活は貴重。美しかったチベットも蹂躙されてしまった今、まだあのように高潔な精神生活をしている人たちが残っていたのかと驚く。

その僅かに残された美しい文化が記録されていることも素晴らしいのだが、何よりも疑似親子と言える二人の絆が感動的だった。
特殊な状況でありながら、誰もが共感できそうな親子関係が深く懐かしい。


〔以降ちょっとネタバレかもしれません。これから観ようと思っている方は注意〕


前世記憶があることの辛さ


リンポチェことアンドゥくんは前世記憶があるというのに最終的には「生まれ変わり」認定を解除され、寺院を追い出されてしまう。
理由はチベットから弟子たちが迎えに来なかったからだという。

チベットやインドの一部地域の人々は輪廻転生を信じているはずだが、記憶がなく占いなどの儀礼で決定した認定でなければ駄目で「記憶がある」と言う自己申告の人はむしろ疑われてしまうのだろうか?
どうも本末転倒している。
記憶を持つ本物が認められずに、儀礼の判定だけが認められるのはおかしい。
もちろん自己申告の記憶も嘘かもしれないので裏付け調査は必要だが(※追記 このとき裏付け調査として占星術などを使うと良い)。しかし何の知識もない幼い子の申告が嘘であると考えるほうがおかしいだろう。

しかも弟子たちが迎えに来られないのは当然。
チベットでは僧侶たちは拘束され殺戮されているし、国境を出ることも許されないからだ。

【参考リンク】チベットの状況

そのような事情も考慮されず生活の場を追われた。大人の都合に翻弄されるアンドゥくんを気の毒に思う。

しかしそれよりも気の毒に感じたのは思い出に苦しむ姿だ。
かつて住んでいたチベットの寺院を懐かしみ、弟子たちを想って度々泣くアンドゥくんの姿を見るのが辛かった。
その気持ちは私にもよく分かる……。
記憶があると本当に辛いな。もといた場所へ帰りたくてたまらなくなる。
でも行けない所は行けない、前世の場所には帰ることはできないのだから仕方がない。それが輪廻転生。別の時間の別の人生を生きなければならない。

やがて記憶が薄れて行き、ごく普通の少年として育って行くアンドゥくんを見てホッとした。
いつか記憶は完全になくなるのだろう。
そのほうがいい。
普通の人生を送るのが一番幸せだ。

リンポチェではなく、アンドゥくんとして旅立つ彼を私は少し羨ましく思った。

最後アンドゥくんがおじさん(保護者の僧侶)に
「いつか必ず再会しよう」
と言った時に涙が出た。なんとなくその約束は果たされない気がした。
青年になれば誰でも自分の生活に忙しくなり、幼い頃の約束は忘れてしまうものだから。
しかしそうだとしても優しいおじさんは怒ったりしないだろう。愛しい子が幼い日々を忘れるほど幸せになることが、親や保護者の幸せだろうと思う。


前世記憶保持者、子供と大人は事情が違うのかもしれない


私の前世記憶は十代後半まで成長してから「再ダウンロード」したせいか全く消える気配がない。やれやれ。
もう消すことは諦めているが。

たぶんバックアップファイルを「今の脳」に再ダウンロード・保存した形なのだろう。つまり、「オフライン」で使用できるようになっている。
それどころか現実とフィードバックするため欠けた記憶の詳細が埋まり、今も復元が進んでいる。
(それが嫌だからずっと現実を見ないようにしてきたのだが、去年来見ざるを得なくなって今この有り様)
かと言って過去の肉体や立場、土地へ戻れるわけではない。
傍目には状況を愉しみ遊んでいるように見えるだろうが時々本気で辛い。
私は大人で既に別人生があるため切り分けが可能だが、この現象が子供の頃に起きていたらと考えるとゾッとする。
切なくて帰りたくて、狂っていたかもな。十七歳当時でさえ辛かったので。

アンドゥくんと同じように時々世界各国に出現する「前世記憶を持つ子供たち」は成長するにつれ記憶が薄れていく。
この場合はたぶん何らかの小さな不具合で記憶を持ち越しているだけだろう。
たとえば転生までの期間が短くて肉体に近い幽体のまま移動し転生したとか。

幼い頃に「偉大な僧侶」の記憶などを持って生きる様子は痛々しい。
小さな体なのに大人たちに尊敬されて深々と頭を下げられるのは可哀想だ。
敬語を使われるのも可哀想。
(私は前世記憶などなかったのに何故か敬語を使われることがあって辛かった経験がある)
子供は子供らしく育つのが一番幸せと思う。
時々叱られながら無邪気に遊んだりできる僅かな時期を奪われるのだとすれば、それほど不幸なことは無い。

だから前世記憶を持つ子供たちが成長して記憶を失っていくと私はホッとするのだ。
新しい人生を思う存分に楽しみなよ。と背中を押してあげたくなる。

それとは違い、成長してから記憶を再ダウンロードする我々のようなパターンは目的が別なのだろうなと思う。
前にも書いた通りそれはどうしても進めなくなっている人生の障壁を取り除くため。これがほとんど。(前に書いた記事→前世記憶とは何か~クラウドとモバイル機器
または何かお役目がある場合もあるのかもしれない、と今は思っている。

あまり大層な捉え方をしてもらいたくないのだけど、これだけ長期間にわたり記憶が消えず復元までさせてもらっている自分にはやはりお役目があるらしい。
心が折れそうになる日のほうが多いが腐らずメッセージの発信を続けて行こうと思う。

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