2020
Nov
17
-
『ムーラン』2009年版が心に沁みた。文化は魂へ刻まれる
この反中ご時世に何ですが。
また例により華流上司からのお奨めで観ました……映画『ムーラン』。
何かと物議を醸している有名なディズニー映画『ムーラン』ではなく、2009年中国×香港版の『花木蘭(ファ・ムーラン)』です。良かったら観てみては。
戦場が舞台ですから少々残虐シーンはあるものの……もし大丈夫なら人間ドラマ・恋愛映画として女性にもお奨めです。
無名映画であっても全然チープではありませんよ。
私個人的には、ものすごく良かった。
映像も音楽も想像以上に芸術性が高くて驚きました。雰囲気だけで言えば、「こういう世界観に触れたかった」と言えてしまえるような、私にとっては理想の映画です。
“良い意味で予想を裏切られた”という下レビューに完全同意です。
アクションは地味。なんとワイヤー使い一切無し!!
戦争の細かな展開説明も省かれています。このためアクションや軍事が好きな方には物足りないかもしれません。
でもワイヤーアクション一切無し、というところが私にはリアリティを感じられて非常に良かったです。
戦況描写も、たぶんそれがこの映画のメインテーマではないのでしょうから省いて結構。“真の愛”がメインテーマなのだと思います。
勝手な想像ですが、ワイヤーアクション大量使いのディズニー映画より遥かに良いのではないでしょうか? それともディズニーのほうはファンタジックでジャンルが違う感じ?
戦場の闘いシーンは08年の『レッドクリフ』を経た後であるせいか、なかなかリアルで見ごたえあると思います。そのため私はちょっと目を逸らしてしまいました。ムーランか自分……! (という突っ込みは映画を見れば分かるかと。たぶん私はムーラン以上に女々しい)
ストーリーは、どうかな、少し物足りない感はあります。仲間との友情や恋人同士の心理をもっと細かく描いてもらえたら感情移入できたと思う。
何か長編ドラマのダイジェスト版を見せられたような気分です。映画なので尺が短く、仕方がなかったのでしょうが。
なお『ムーラン』にはドラマ版もあり、そちらはそちらで冗長過ぎて話もチープだとか。
もし映画版の芸術性を保って大河ドラマの長編なら、『琅琊榜』をしのぐ名作になれたかもしれません。惜しい。
恋愛ストーリーとしては少々ベタですが非常に奥ゆかしく、同志愛のようなところもあり感動的です。まるで日本の昔話のように美しくて感動しました。
そのような恋愛表現を含めて、奥ゆかしい世界観に古代東洋の“匂い”(雰囲気)が感じられ、私は浸ることができました。
映像も過度にファンタジックではなく、砂埃で色褪せた景色が中国大陸らしくて良いと思います。
個人的には、たぶん「懐かしい」という感覚があるのだと思います。音楽や景色にいつまでも浸っていたいと感じました。
本来はムーランの冒険的人生や、恋愛のところに感情移入すべき映画なのでしょう。
が、私は何故か別の箇所で感情を掻き立てられました。
---以下少しネタバレ---
捕虜になった兵士たちと、ムーランの隊の兵士たちが向き合って歌うシーン。
その民族や国家の誇りを歌う歌詞に、激しく心を揺さぶられました。
古代中華民の心をよく表現しているなあ……と感じたので。そして何より、あの徹底的に文化破壊された後の大陸で“古代の心”を正確に表現する、こんな人々がまだ存在していることにたまらなく感動したのでした。
共に買収されたディズニーにこんな映画は作れまい。
おそらく欧米化された香港人だけでも、日本人にも無理です。
うまく表現できないのですが古代大陸にあった精神文化は、独特なのです。ただ奥ゆかしく礼儀正しいだけではなく、奥に義を貫く強さがあった。特に民は強かった。そんな民の、一兵卒の強さと精神性の高さがこの映画にはよく描かれていました。
日本文化ともやはり違いますね。儒教等の文章では正しく全てが表現されていないし、伝達は難しいと思う。
“空気”にも等しいあの精神性を今まで伝え残し、蘇らせてくれた大陸人に感謝です。
『琅琊榜』を観ている時にも何度か書いたように、最近の古代精神を正しく描いた華流時代劇を眺めるようになって、ようやく自分の魂に過去生で経験した文化が刻まれているのだと気付きました。
あれだけ東洋が嫌い(苦手)だったはずなのにですね……。自分でも意外な転向です。
思うに前世ではまだ西洋経験を引きずっていたので東洋に馴染めなかったのでしょう。特に民の命の価値が低いこと、権力者が法を正しく守らない悪い意味での人治主義であること等々が、西洋思想に馴染んだ私には許せなかったようです。もちろん本来の“人道主義”性格にも合わないので拒絶していた。つまり自分で選択していたわけですが。
しかし一般に浸透した民の思想や精神性、文化には共鳴し、その結果として魂に刻まれたのでしょう。
魂が持つ性格はもともと備わったものです。占星術でASCなどに表れている通り。
しかし転生を繰り返しながら後天的に身に付ける“性質”や“行動の癖”があります。この部分に、各地の文化思想が影響していると思われます。
「カルマの因果応報」という意味でも同じですが、全ては未来に引き継がれる。
魂性格の上に文化が載って人格が創られていく感じは、ちょうど肉体の食事に似ていますかね。
「体は食べ物でつくられる」。これです。
肉体はDNAのタイプによって生まれつきある程度の形や特性が決まっていますが、その肉体が最善のスペックを出せるかどうかは日々の食事次第です。毒を食べれば即死することもある。微量な毒でも蓄積されて将来大病を引き起こす。
同じように、魂の性格タイプも核の部分は変わりませんが、選び取る思想・文化によって表現としての人格が創造されていくのだと思います。
だから再三繰り返すけど、悪い思想や行動に馴染まないほうがいいですよ。宗教もそう。人殺しを推奨するような考え方や行いに馴染んではダメ、地獄への道まっしぐらです。
なにも清廉潔白でお上品に、儒教の教科書通りに生きろと言っているわけではありませんので念のため。
多少下品であっても友への誠実と愛を失わなければそれでいい。教科書に書かれた礼儀より大切な精神文化というものがあります。
現代で言えば、明るくて楽しい80年代のアメリカ映画文化などは良かったですね。日本のアニメや漫画文化も、(政治思想に汚染される前は)非常に良かった。
反対に、「嘘をついていい」「何をやってもいい」と教える人道に反した思想には決して馴染むべきではありません。
残念ながら現代は汚染された文化で溢れています。どうか心の声に耳を傾けて。嘘は嫌だ、という感覚に背を向けず、悪事を強要されたら堂々と断るべきです。セミナーへ行ってはいけない。会合などに誘われたらダッシュで逃げること!
悪いものはなるべく頭に入れない(聞かない)こと。もし触れてしまったとしても、自らその思想を選び取らない。そのようにして心と魂を守っていきましょう。
来世にも持ち越して行きたいと思える、明るくて善き文化思想だけ選び取っていきたいですね。
また例により華流上司からのお奨めで観ました……映画『ムーラン』。
何かと物議を醸している有名なディズニー映画『ムーラン』ではなく、2009年中国×香港版の『花木蘭(ファ・ムーラン)』です。良かったら観てみては。
戦場が舞台ですから少々残虐シーンはあるものの……もし大丈夫なら人間ドラマ・恋愛映画として女性にもお奨めです。
映画感想
無名映画であっても全然チープではありませんよ。
私個人的には、ものすごく良かった。
映像も音楽も想像以上に芸術性が高くて驚きました。雰囲気だけで言えば、「こういう世界観に触れたかった」と言えてしまえるような、私にとっては理想の映画です。
“良い意味で予想を裏切られた”という下レビューに完全同意です。
良い意味で予想を裏切られた。
2020年11月15日(日) 06:02
mog*****
こんなに良い映画とは思わなかった。
程度の差はあれ、観れば引き込まれるだろう。
観て、後悔はしない作品である。
アクションは地味。なんとワイヤー使い一切無し!!
戦争の細かな展開説明も省かれています。このためアクションや軍事が好きな方には物足りないかもしれません。
でもワイヤーアクション一切無し、というところが私にはリアリティを感じられて非常に良かったです。
戦況描写も、たぶんそれがこの映画のメインテーマではないのでしょうから省いて結構。“真の愛”がメインテーマなのだと思います。
勝手な想像ですが、ワイヤーアクション大量使いのディズニー映画より遥かに良いのではないでしょうか? それともディズニーのほうはファンタジックでジャンルが違う感じ?
戦場の闘いシーンは08年の『レッドクリフ』を経た後であるせいか、なかなかリアルで見ごたえあると思います。そのため私はちょっと目を逸らしてしまいました。ムーランか自分……! (という突っ込みは映画を見れば分かるかと。たぶん私はムーラン以上に女々しい)
ストーリーは、どうかな、少し物足りない感はあります。仲間との友情や恋人同士の心理をもっと細かく描いてもらえたら感情移入できたと思う。
何か長編ドラマのダイジェスト版を見せられたような気分です。映画なので尺が短く、仕方がなかったのでしょうが。
なお『ムーラン』にはドラマ版もあり、そちらはそちらで冗長過ぎて話もチープだとか。
もし映画版の芸術性を保って大河ドラマの長編なら、『琅琊榜』をしのぐ名作になれたかもしれません。惜しい。
私が気持ちを掻き立てられたのは、兵士が歌う場面
恋愛ストーリーとしては少々ベタですが非常に奥ゆかしく、同志愛のようなところもあり感動的です。まるで日本の昔話のように美しくて感動しました。
そのような恋愛表現を含めて、奥ゆかしい世界観に古代東洋の“匂い”(雰囲気)が感じられ、私は浸ることができました。
映像も過度にファンタジックではなく、砂埃で色褪せた景色が中国大陸らしくて良いと思います。
個人的には、たぶん「懐かしい」という感覚があるのだと思います。音楽や景色にいつまでも浸っていたいと感じました。
本来はムーランの冒険的人生や、恋愛のところに感情移入すべき映画なのでしょう。
が、私は何故か別の箇所で感情を掻き立てられました。
---以下少しネタバレ---
捕虜になった兵士たちと、ムーランの隊の兵士たちが向き合って歌うシーン。
その民族や国家の誇りを歌う歌詞に、激しく心を揺さぶられました。
古代中華民の心をよく表現しているなあ……と感じたので。そして何より、あの徹底的に文化破壊された後の大陸で“古代の心”を正確に表現する、こんな人々がまだ存在していることにたまらなく感動したのでした。
共に買収されたディズニーにこんな映画は作れまい。
おそらく欧米化された香港人だけでも、日本人にも無理です。
うまく表現できないのですが古代大陸にあった精神文化は、独特なのです。ただ奥ゆかしく礼儀正しいだけではなく、奥に義を貫く強さがあった。特に民は強かった。そんな民の、一兵卒の強さと精神性の高さがこの映画にはよく描かれていました。
日本文化ともやはり違いますね。儒教等の文章では正しく全てが表現されていないし、伝達は難しいと思う。
“空気”にも等しいあの精神性を今まで伝え残し、蘇らせてくれた大陸人に感謝です。
文化は魂に刻まれる
『琅琊榜』を観ている時にも何度か書いたように、最近の古代精神を正しく描いた華流時代劇を眺めるようになって、ようやく自分の魂に過去生で経験した文化が刻まれているのだと気付きました。
あれだけ東洋が嫌い(苦手)だったはずなのにですね……。自分でも意外な転向です。
思うに前世ではまだ西洋経験を引きずっていたので東洋に馴染めなかったのでしょう。特に民の命の価値が低いこと、権力者が法を正しく守らない悪い意味での人治主義であること等々が、西洋思想に馴染んだ私には許せなかったようです。もちろん本来の“人道主義”性格にも合わないので拒絶していた。つまり自分で選択していたわけですが。
しかし一般に浸透した民の思想や精神性、文化には共鳴し、その結果として魂に刻まれたのでしょう。
魂が持つ性格はもともと備わったものです。占星術でASCなどに表れている通り。
しかし転生を繰り返しながら後天的に身に付ける“性質”や“行動の癖”があります。この部分に、各地の文化思想が影響していると思われます。
「カルマの因果応報」という意味でも同じですが、全ては未来に引き継がれる。
魂性格の上に文化が載って人格が創られていく感じは、ちょうど肉体の食事に似ていますかね。
「体は食べ物でつくられる」。これです。
肉体はDNAのタイプによって生まれつきある程度の形や特性が決まっていますが、その肉体が最善のスペックを出せるかどうかは日々の食事次第です。毒を食べれば即死することもある。微量な毒でも蓄積されて将来大病を引き起こす。
同じように、魂の性格タイプも核の部分は変わりませんが、選び取る思想・文化によって表現としての人格が創造されていくのだと思います。
だから再三繰り返すけど、悪い思想や行動に馴染まないほうがいいですよ。宗教もそう。人殺しを推奨するような考え方や行いに馴染んではダメ、地獄への道まっしぐらです。
なにも清廉潔白でお上品に、儒教の教科書通りに生きろと言っているわけではありませんので念のため。
多少下品であっても友への誠実と愛を失わなければそれでいい。教科書に書かれた礼儀より大切な精神文化というものがあります。
現代で言えば、明るくて楽しい80年代のアメリカ映画文化などは良かったですね。日本のアニメや漫画文化も、(政治思想に汚染される前は)非常に良かった。
反対に、「嘘をついていい」「何をやってもいい」と教える人道に反した思想には決して馴染むべきではありません。
残念ながら現代は汚染された文化で溢れています。どうか心の声に耳を傾けて。嘘は嫌だ、という感覚に背を向けず、悪事を強要されたら堂々と断るべきです。セミナーへ行ってはいけない。会合などに誘われたらダッシュで逃げること!
悪いものはなるべく頭に入れない(聞かない)こと。もし触れてしまったとしても、自らその思想を選び取らない。そのようにして心と魂を守っていきましょう。
来世にも持ち越して行きたいと思える、明るくて善き文化思想だけ選び取っていきたいですね。
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