2022
Feb
13
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現代版『どろろ』が好きでたまらない。他、『鬼灯の冷徹』もおススメ
『妻、小学生になる』感想でも書いた通り、今の私には「前世」という“妄想”と呼ばれるファンタジーも不愉快な現実でしかありません。
今世の日常のほうがよほどファンタジーで穏やかな夢という気がします。この日常にもいずれ奴等が踏み込んできて踏みにじられるのだろうけど。
こんな「汚された現実」ばかり眺めていると、さすがに心が疲れて精神を病みそうな気がしますよ。
そこで私なりの“現実逃避”をすることにしました。
ここのところの“現実逃避”は、もっぱら現代アニメを観ることです。
情けないことだけど最近は本も政治関係ばかり読むようになってしまいまして、小説で息抜きできなくなってしまった。
実写映画も退屈な自称エンタメか、左翼思想を押し付けてくるものばかりで疲れます。
付け加えると、オリンピックも不可解な失格ばかりでおぞましさを感じ観る気になれません。選手に罪はないのですが。
行きついたオアシスが現代日本アニメでした。(もちろん『キングダム』などTHEプロパガンダは避けています)
やはり子供の頃から馴染んだせいでしょうか、ジャパニーズ・アニメの世界観に癒されますね。
ま… Gyaoで無料で配信しているから観ている、ということもありますが。貧乏性なもので。笑
(と言うか実は個人情報を渡したくなくて動画サイトに登録していないだけですけど)
最近、一番好きなのは現代版『どろろ』です。
PV:公式サイト
『どろろ』は手塚治虫原作のアニメで、初代は1960年代に放送されていたもの。
私もさすがにリアルタイムでは観ていません。その後にもレンタルなどで観たことはありませんでした。ストーリーも、なんとなくは知っていましたが今回初めてちゃんと理解しました。
何より、「どろろ」が刀を振り回している青年ではなくて子供のほうの名、ということを知って驚愕しましたね。青年は「百鬼丸」というらしい。…すみませんこのレベルです。
今回、初代と現代(2019年版)と両方観ました。
初代は初代で芸術性が高く痺れます。黒澤明監督『羅生門』を意識しているのでしょうか? 白黒画面も、「あえて」なのではないかと思えてしまうほどうまく使われています。
ストーリーの斬新さ、構図や展開、白黒でも伝わる光の表現に心底感動しました。
手塚治虫は「神」と呼ばれていますがまさにそうだったのでしょう。ストーリーから構図から、現代の日本アニメ表現の原典が全て手塚作品にあるのですね。業界で凄い、凄い、と言われ続けた人の偉大さは想像以上と思います。
その手塚作品の後に現代版を観たので、始めは劣っているように思えました。ですがしばらく観ているうちに違和感にも慣れ、現代版も良く思えてきました。
たとえば身体の機能を奪われている百鬼丸が、初代の手塚作品では何故かスムーズに動き会話もする。荒唐無稽ですが、読者もファンタジーという前提で納得して受け入れたもの。リアリティを出すための説明は邪魔にもなりますので省く手法でした。
現代版では、そのように説明を省かれた荒唐無稽な設定にリアリティを出そうと苦心した点、凄いなと思いました。
始め音の聴こえない百鬼丸は人と会話もできず、彼が義足で歩く時には木を地面に突く音がします。初代では百鬼丸がどろろの保護者のように振る舞うが、現代版では健常者のどろろのほうが百鬼丸を気遣い保護している。確かにそのほうがリアル。これにより苦労して育ったどろろの大人っぽい人格も表現されている。ちゃんと背景が投影されている。…これでも荒唐無稽ではありますが、限界までリアリティを出そうとした意気込みが感じられ感動しました。
百鬼丸が感覚を取り戻していくことで、次第に二人がコミュニケーションを取れるようになっていく描写も丁寧で感動的です。
絵はとても美麗。
キャラクターデザインを全く変えたことを旧ファンは怒っていそうですが、私は純粋に美しい絵だなと思います。
「百鬼丸の顔が女の子なのが違和感」という批判もあります。確かに。でも実は、百鬼丸は15才という設定だからこちらのほうがリアルですね。初代のほうは30才を過ぎている成人男子にしか見えませんから。
あと、私はオープニングが好きで好きでたまりません。
『火炎』という歌とアニメ動画が合い、感動的にかっこいい。鼓の音も良いし、曲を打ち切る箇所も完璧です。
できればOPを貼りたかったのだけど公式は無いようなので検索リンク。
⇒女王蜂『火炎』 (どろろOP)
他に、息抜きで観ているのが『鬼灯の冷徹』です。
「ギャグ漫画」ということですが無理に笑わせようとするお寒いギャグはありません。うっかり笑わされてしまう感じです。
「地獄」が舞台なのでさすがにブラックな箇所もあります。ギャグであっても残虐描写が苦手な方はご注意ください。
しかし幅広い伝統知識が詰め込まれている点、堪能できます。
細部まで行き届いた美しい絵も見どころ。たぶん原作のほうが良いはずですが。
登場人物も魅力的で面白いです。
私は気が弱くて補佐官にオロオロしてしまう、優しい閻魔様が一番好きかな。鬼灯に遊ばれているところが可愛い。
冷静沈着かつ厳格(冷酷)な補佐官・鬼灯のキャラクターには、共鳴する部分がなくもありません。たぶん自分はこういうタイプに思われることが多いのではなかろうかと想像します。本性は白澤寄りのはず(適当なところが。女好きは除く)ですが。
公式サイト
(以下数行カット)
良い息抜きを見つけました。ジャパニーズ・アニメに感謝。
今世の日常のほうがよほどファンタジーで穏やかな夢という気がします。この日常にもいずれ奴等が踏み込んできて踏みにじられるのだろうけど。
こんな「汚された現実」ばかり眺めていると、さすがに心が疲れて精神を病みそうな気がしますよ。
そこで私なりの“現実逃避”をすることにしました。
ここのところの“現実逃避”は、もっぱら現代アニメを観ることです。
情けないことだけど最近は本も政治関係ばかり読むようになってしまいまして、小説で息抜きできなくなってしまった。
実写映画も退屈な自称エンタメか、左翼思想を押し付けてくるものばかりで疲れます。
付け加えると、オリンピックも不可解な失格ばかりでおぞましさを感じ観る気になれません。選手に罪はないのですが。
行きついたオアシスが現代日本アニメでした。(もちろん『キングダム』などTHEプロパガンダは避けています)
やはり子供の頃から馴染んだせいでしょうか、ジャパニーズ・アニメの世界観に癒されますね。
ま… Gyaoで無料で配信しているから観ている、ということもありますが。貧乏性なもので。笑
(と言うか実は個人情報を渡したくなくて動画サイトに登録していないだけですけど)
『どろろ』現代版
最近、一番好きなのは現代版『どろろ』です。
PV:公式サイト
『どろろ』は手塚治虫原作のアニメで、初代は1960年代に放送されていたもの。
私もさすがにリアルタイムでは観ていません。その後にもレンタルなどで観たことはありませんでした。ストーリーも、なんとなくは知っていましたが今回初めてちゃんと理解しました。
何より、「どろろ」が刀を振り回している青年ではなくて子供のほうの名、ということを知って驚愕しましたね。青年は「百鬼丸」というらしい。…すみませんこのレベルです。
今回、初代と現代(2019年版)と両方観ました。
初代は初代で芸術性が高く痺れます。黒澤明監督『羅生門』を意識しているのでしょうか? 白黒画面も、「あえて」なのではないかと思えてしまうほどうまく使われています。
ストーリーの斬新さ、構図や展開、白黒でも伝わる光の表現に心底感動しました。
手塚治虫は「神」と呼ばれていますがまさにそうだったのでしょう。ストーリーから構図から、現代の日本アニメ表現の原典が全て手塚作品にあるのですね。業界で凄い、凄い、と言われ続けた人の偉大さは想像以上と思います。
その手塚作品の後に現代版を観たので、始めは劣っているように思えました。ですがしばらく観ているうちに違和感にも慣れ、現代版も良く思えてきました。
たとえば身体の機能を奪われている百鬼丸が、初代の手塚作品では何故かスムーズに動き会話もする。荒唐無稽ですが、読者もファンタジーという前提で納得して受け入れたもの。リアリティを出すための説明は邪魔にもなりますので省く手法でした。
現代版では、そのように説明を省かれた荒唐無稽な設定にリアリティを出そうと苦心した点、凄いなと思いました。
始め音の聴こえない百鬼丸は人と会話もできず、彼が義足で歩く時には木を地面に突く音がします。初代では百鬼丸がどろろの保護者のように振る舞うが、現代版では健常者のどろろのほうが百鬼丸を気遣い保護している。確かにそのほうがリアル。これにより苦労して育ったどろろの大人っぽい人格も表現されている。ちゃんと背景が投影されている。…これでも荒唐無稽ではありますが、限界までリアリティを出そうとした意気込みが感じられ感動しました。
百鬼丸が感覚を取り戻していくことで、次第に二人がコミュニケーションを取れるようになっていく描写も丁寧で感動的です。
絵はとても美麗。
キャラクターデザインを全く変えたことを旧ファンは怒っていそうですが、私は純粋に美しい絵だなと思います。
「百鬼丸の顔が女の子なのが違和感」という批判もあります。確かに。でも実は、百鬼丸は15才という設定だからこちらのほうがリアルですね。初代のほうは30才を過ぎている成人男子にしか見えませんから。
あと、私はオープニングが好きで好きでたまりません。
『火炎』という歌とアニメ動画が合い、感動的にかっこいい。鼓の音も良いし、曲を打ち切る箇所も完璧です。
できればOPを貼りたかったのだけど公式は無いようなので検索リンク。
⇒女王蜂『火炎』 (どろろOP)
『鬼灯の冷徹』は息抜きになります
他に、息抜きで観ているのが『鬼灯の冷徹』です。
「ギャグ漫画」ということですが無理に笑わせようとするお寒いギャグはありません。うっかり笑わされてしまう感じです。
「地獄」が舞台なのでさすがにブラックな箇所もあります。ギャグであっても残虐描写が苦手な方はご注意ください。
しかし幅広い伝統知識が詰め込まれている点、堪能できます。
細部まで行き届いた美しい絵も見どころ。たぶん原作のほうが良いはずですが。
登場人物も魅力的で面白いです。
私は気が弱くて補佐官にオロオロしてしまう、優しい閻魔様が一番好きかな。鬼灯に遊ばれているところが可愛い。
冷静沈着かつ厳格(冷酷)な補佐官・鬼灯のキャラクターには、共鳴する部分がなくもありません。たぶん自分はこういうタイプに思われることが多いのではなかろうかと想像します。本性は白澤寄りのはず(適当なところが。女好きは除く)ですが。
公式サイト
(以下数行カット)
良い息抜きを見つけました。ジャパニーズ・アニメに感謝。
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