-
・translate 翻譯

引用のやり方

「引用(いんよう)」とは、
「ふつうは処罰されてしまうことを、例外として認めましょう」 という規定です。(著作権法第32条)

例外なのでとても厳しい要件が求められます。
著作権侵害が疑われたときによく「引用だ!」と言い張って刑を逃れようとする人がいるのですが、たいていこの主張は通りません。
「引用」とは単なる「丸ごとコピー・丸ごと複製」のことではないからです。
(コピーペーストを「引用」と勘違いしている人は多い)

引用が認められるには、次の決まりを全て満たす必要があります。

●引用できるのは公表された著作物だけ : 未公開作品や、パスワード付で読む人を限定したコンテンツは引用が許されません。

●正当な目的であること : 単にバカにしたり、悪口を言うためなど、誹謗中傷の目的では許されません。

●公正な慣行に合致すること : 引用できるのは、目的のために必要と認められる範囲だけです。丸ごとコピペは認められません。

●改変はできない : 文章を書きかえたりするなど、元のコンテンツを改変することはできません。改変は「著作者人格権侵害」という罪となります。(ただしケースにより要約は認められる場合があります)

●自分のコンテンツが主(メイン)、引用が従(サブ)であること : 他人の文を長々とコピペして何か一言コメントを書くだけでは引用として認められません。自分の文章などのほうがメインで、引用した文のほうが少ない必要があります。

●自分のコンテンツと、引用コンテンツをはっきり区別すること : たとえば引用文を「」や“”で括ったり、blockquoteタグで囲ったりして引用コンテンツであることを明らかにする必要があります。これはインターネット上の言語の話ではなくて、人間の目に明らかにわかるようにしなければならないということです。

●引用元をはっきり示す必要がある : 著作者は誰か、どこの本またはURLから引っ張ってきたのかなど、出典を明らかにしなければ認められません。

リライトはもっと重大な罪になる!

キュレーションサイトの仕事をしている人たちのなかに、
「リライトすれば勝手に使っても罪にならない」
と思っている人がいます。その考えは大変な誤りです。
他人の文章をリライトして他の場に上げることは人格権侵害となるため、単なるコピペよりも罪が重くなり、賠償額も高額となる傾向があります。
たいていのキュレーションサイトは法的にアウトです。ライターにリライトを指示した時点で罪を犯している、犯罪者集団と言えます。
キュレーションサイトなどからリライトの仕事を依頼されたときは、決して軽い気持ちで受けずに、犯罪に巻き込まれかかっているのだと気付いて断りましょう。安いリライトの仕事で多額の罰金を負ったり、刑務所に入るのでは割に合わないでしょう?


念のため確認。著作権、基本的なこと

他人のブログ記事をコピーしてネットに上げたり、本をコピーして友人に配ったりすると、著作権侵害となります
なお、出版社を通して販売されているかいないかに関わらず、たいていの文章や絵に「著作権」があります※。「版権がないものは自由にコピーしていい」と吹聴している人がいますが、大きな勘違いです(版権とは出版社が持つ複製し販売する権利のこと。作者等が持つ「著作権」とは別)。
相手が素人であっても他人の著作物をコピーして配ると刑罰の対象となります。

 ■コピーの手渡し → 複製権侵害
 ■コピーをメール送信、またはネット配布 → 複製権侵害、公衆送信権侵害

「公衆送信権侵害」については、閲覧者の数に関わらず、ネット上のサーバにアップした時点で侵害していることになります。YouTubeへ気軽に音楽CDをアップして自慢している人がいますが、ものすごく怖いことですね。多大なるリスクを冒して僅かな自己承認欲求を満たす、とても割に合わない行為です。

※著作物ではないものは以下の通り
・ありふれた形状の模写や字体など(判例上、字体は著作権で独占権を主張することは難しい。ただし商標や意匠など他権利登録ある可能性あり、使用は要注意)
・ニュースのタイトルや挨拶文など、短くて誰が書いても同じになる確率の高い表現
・法律文
・カスタマーヘルプの回答文など、マニュアルでコピーされ配られており、誰でも同じような表現となる確率が高い文章
等。
文字数の多い少ないだけで「著作権ありなし」を決定するものではありません。たとえばツイッターの文は短いですが、たいてい著作権があります(文化庁職員が「ツイッター文に著作権はない」と電話で回答したらしいが、この職員はツイッターをよく知らない可能性があり要注意)。


【罰則】
著作権侵害の罰則は非常に手厳しいので注意してください。
「法律を知らなかった」と言い訳しても99%通りません。

罰則: 10年以下懲役、または1000万円(法人は3憶円)以下罰金
    併科可(どちらの罰も受けること)

さらにここへ、民事上の責任が加わります。民事責任とは、例えば……

 ■損害賠償(著作権者へ与えた損害を賠償すること)
 ■不当利得返還(コピーを配ることで得た利益を返すこと)
 ■名誉回復措置(謝罪広告の掲載など)

です。
つまり非常に重い刑罰を受けたうえに、多額のお金を払わねばならないということです。


少しは恐怖を感じていただけましたか?

「自分はバレないから大丈夫」
「細かいこと気にしない、気にしないw」
と笑っているあなたが一番、危険かも。

まだどうなるか分かりませんが、今まで親告罪だった著作権侵害が、非親告罪となる可能性があります。
近い将来、作者に訴えられなくても逮捕されてしまう時代が来る、ということです。


Kindleファイルの変換考でも少し書いた通り、Kindle本を他ファイルに変換することは可能みたいです。
koboでも読みたいんだ! という方はそれも結構。
ただこれはあくまでも自分のための変換であり、友人にコピーファイルを渡すのは「複製権侵害」となる可能性があり危険です。


 関連記事 キュレーションサイトの剽窃(パクり)・捏造をどうするか? 訴訟前の準備をアドバイス
関連記事

吉野 圭-Yoshino Kei
Posted by吉野 圭-Yoshino Kei


気に入っていただけたらシェアお願いします。要パスワード記事は引用しないでください(パスワードを貼るのも禁止です)
記事にして欲しいご質問あればこちらからどうぞ:★コンタクト

管理用 anriy3@gmail.com