この時期、久々に良いと思えるドラマがどういうわけか同じ時間に重なっていた。
『仁』は録画、『マルモのおきて』はリアルタイムに観たもの。
『マルモのおきて』は最後まで泣いたり笑ったりしながら観ました。
最近、子供モノに弱くなってしまった。
終わり方はとても優しくて私は好きです。
個人的に、家族は別れるべきではないと思うのです。
死など仕方のない理由があってどうしても別れなければならない理由があったとしたら、なるべく別れは少なくするべきと思う。
我がままではない子供も現実にいて、別れる時に泣いたりわめいたりすることのない場合もある。だけどそんな子供でも必ず心は寂しさで傷付いるはず。
と言うのも、私自身も子供時代に一家離散を経験しているから。
父親が出て行った時も、兄が出て行った時も私は一度として泣くことがなかったのだけど、大人になった今は深い傷を負っていたと分かります。
幸いなのは弟と別れずに済んだことです。
当時、私は伯父に引き取られる話があったそうだが、何故か伯父は私一人だけ欲しがった。
それで母が
「幼いきょうだいを引き離すのはあまりにも不憫だ」
と言って意地を張って私を手放さず、女手一つで二人の子を育ててくれたのでした。
(このあたりの事情からIF設定として考えたのが兄妹の恋愛モノ、『little life』。一人称の小説だと事実そのものだと思い込んでしまう人がいますが、小説はフィクションですのであまり本気にし過ぎないようお願いします。著者の私は実母に育てられていますし結婚相手はイトコではありません、笑。あと私は「自分自身の過去の事実の出来事だけを書いて、痛みを訴えて同情してもらいたい」という目的で小説を書いている人間ではないため、勘違いなさらないよう切に切に頼みます;)
「幼いきょうだいを引き離すのは不憫だ」
と言った母の言葉が、このドラマを観ていて大人目線から切実に分かったし、ありがたさも身に染みました。
もしあのとき弟や母とまで別れていたら、私はどんなに寂しい子供時代を送っていただろうか。
きっと笑うことも兄弟喧嘩も知らずに育ったんだろうな。
だから家族はなるべく引き離すべきではないと実感として思う。
このドラマで言えばマルモも既に双子の家族です。
既に父親を失うという悲しみを背負った子供たち。さらにせっかく家族になったマルモから引き離すとは、このドラマはなんて酷な設定を考えるのだろう……頼むからこれ以上あの子たちに寂しい想いはさせないでくれと祈りながら観てしまいました。
結果、ご都合主義と言う人もいるかもしれないけど嬉しくなった。
現実に置き換えたとしても正しい結末と思います。
久々に幸せなドラマでした。
子供たちも可愛かったけどアベサダヲも素晴らしかったなあ。
ラスト、ムックの台詞には腹抱えて笑った。あやつ、確信犯だ。
こんなふうにただ、ほのぼのと。人を幸せな気持ちにさせる物語は素晴らしいと思う。
ダークなものより「ほのぼの」のほうが高度な才能が必要です。
私はそこに届かない。