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神の業、都江堰 -古代と現代のバランスを

 都江堰(とこうえん)は世界最古の水利施設である。
 洪水を防ぎ、さらに水不足に悩んでいた地へ水を導いた。
 この都江堰があるから蜀(四川)は潤い、作物が豊かに実る肥沃な土地となっている。

 紀元前の人間が成した神の業。
 古代の人はこれだけの知恵を持ち優れた事業を成している。

 比べて現代の人々は……。
 欲望のまま無謀にダムを造り、水の流れを阻害し、今こうして現実の脅威に直面している。
 既にこのような反対論が出ていたにも関わらず経済発展という餌を貪ることしか考えられなかったのか。

 http://www.pwri.go.jp/team/suiri/ao_yoshi_trip.htm
 ダム建設反対論者の理由:
 

(4) その流域の地質は、断層が多く地震の発生しやすいところであり、ダムは下流の安全を脅かす。


 古代に比べて現代人の知恵はあまりにも浅はか、やはり人間の知能は退化しているのだとしか思いようがない。
 どこまで現代人は愚かに落ちれば気が済むのか?


 だからと言って古代のほうが文明的に優れていたとか、古代へ回帰せよ等と唱えることもしたくない。
 それもまた偏った夢想。現代技術を嫌悪し否定し、何もかも一気に排除しようと考えるのは危険なユートピア思想に繋がる。
 現代には現代なりの技術があり、過去には考えられない繁栄をもたらしていることは事実。何より当面、この危機を乗り切るためには現代技術での修繕が必要…。
 
 ただ現代の技術のみに偏り過ぎては破滅するだろう。

 もっと先人の知恵へ敬意を払って欲しい。
 水を恐れ、神を恐れてくれ。

 三峡ダムも酷い、彼らは自らを養う水への敬意を忘れたのか。今のまま反省なければ、各地が洪水に見舞われることは明らか。

 
 古代技術と現代技術のバランスが必要だ。
 両極にあるどちらかを棄ててはならない。

 


 事情の詳細を知らず、専門家でもない一般外国人の私が出来るのは、こんな片隅で精神論を呟くことくらい。
 無論、自然の脅威を忘れて無茶苦茶なことをしているのはあの国だけではなく、日本を含めた世界中の多くの国について同じことが言えるのだろう。それに今さら一人で声高に自然主義を叫んでどうにかなるとは思えない。
 けれど今の危機に晒されている狭い地域に関して、何の因果か「水」というキーワードが自分の中で合致してしまったので、いたたまれなくて書いている。

 いつも人は驕り高ぶり技術で身を滅ぼす。
 水に敬意を払わなければ、水の報復を受ける。


 
 どうか杞憂で終わりますよう。これ以上の災害がありませんよう。

 どうかどうか、生きている皆様、無事で。

【2008-05-15筆】
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