2017
Jan
21
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正義の味方と悪の組織、どちらに入りたい?
「悪の組織に勤めるショッカーたち」は、夢と希望(野望)を抱くポジティブさん。諦めない心を持ち、いつも笑っている。
これって何かに似ていない?
そうだ、「プラス思考」を唱える成功セミナーに通う人たちだ!
「成功! 成功! イーイー!」
とネットで語っている人がいて面白かったので検索してみたら、ショッカーに関する新視点は話題のネタらしい。
こう考えると現代はショッカーとなっている人のほうが多いかな。
夢という名の野望を抱いた結果、自分の夢と勘違いした他人の野望を手伝わされ、ブラック企業に使い捨てされる。
こんな悲哀のショッカーに共感する人が多いのも当然だと思う。
「正義の味方」仮面ライダーは上のブラック企業に入れなかったわけだから、現代では落伍者か。
そう言えば、正義の味方はいつも怒っているよね。
現代では「ネガティブ野郎」「悪人」と定義され、激しく批判され攻撃されている人こそ、実は仮面ライダーに似ている。
私もいつも怒っているから、こちら側かあ(笑)。なるほど現代社会では落ちこぼれなわけだ。
しかし現状としては支持されず叩かれてばかり。
こういう状況は今を生きる現時点において、正義とか悪ではないんだよ。
(ショッカーに同情するのは構わないけど、積極的にショッカーになろうとするなよ)
続きの話。
日本人はどうも、悪とされている側を「悪ではないんだ」と言いたがる傾向がある。
これは昔からの判官びいきの本能で、敗者へ寄り添う気持ちを抱くこの民族は素晴らしいと思うのだが。
なかには
「正義と悪を反転させて見ている新しい視点を持つ自分、カッコイイ。どうだ俺って天才だろ!」
と自慢したいだけの人もいる。
この人たちは行き過ぎた「悪」の支持者で、ただ闇雲に「正義」とされてきた側を悪・「悪」とされてきた側を正義と言えば他人から尊敬の眼差しで見られると思い込んでいる。だから手段を選ばず、「悪」側を讃えて「正義」側を貶めるためのフィクション話を捏造することまでする。
たとえば『三国志』で魏の熱烈な崇拝者であることをアピールしている人たちはほぼこのタイプ。そもそも実際の歴史で「正義」も「悪」もなく、そのこと自体がフィクションの思い込みなのだということすら気付いていない、無知を晒している。
ショッカーに対して同情している人たちの話はわりと理屈が通っているのだけど(フィクション上で正義と悪の区別が明確だから)、『三国志』で魏を崇拝している人たちのように実際の歴史を捏造するタイプは非常に危ない人たちだと思う。
おそらく彼らは現実で独裁者が表れた時、独裁者へ節操なく尻尾を振り、話を捏造してまでも支持しようとするだろう。そして反対者を弾圧し殺戮しようとするだろう。
自分は得する集団に所属していて、特別だと思われたい欲求。
崇拝への中毒。
熱烈な支持による思考停止。
そうして彼らは現実に、ショッカーとなる。
それこそ憐れ。
ショッカーたちが皆、片手を挙げ「ハイル!」ポーズをしているのは象徴的。
彼らが言葉を話すことができず、片手を挙げて「イー!」としか叫ぶことができないのは憐れな思考停止を表しているのだ。
そう言えば昭和のアニメやヒーローものの敵側って、皆ナチスっぽい。
何故ナチスっぽいのかと言うと、戦争を経験した大人たちが「二度とこんな時代が来ませんように」という願いを篭めて子供向けの創作を作ったからだろう。
だからショッカーになってはいけない。
ショッカーを見て「なんだか自分みたい」と共感し同情したなら、ショッカーから離れなくてはならないと思う。
落伍者の仮面ライダーとして生きるのはなかなか辛く、生活も苦しいが、毎日「イー!」とか叫ぶよりは幸せだと思うよ。
社会から脱落し福利厚生を失うのが怖いなら、せめて心くらいは失わずに生きよう。
「イー!」以外の言葉を喋るようにしよう。
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