我傍的な話(裏話・実話を絡めた歴史空想話)

    前世の息子の記憶と、因果応報

    妻の話に引き続き、息子の話。

    息子のことも何度か書いているはずですが、過去ログから見つけられませんでした。
    改めて書き残しておきます。重複していたらすみません。


    前世の息子の記憶


    前世の息子について覚えている場面は、たった二つしかありません。

    1.最初の出征前、赤子だった頃
    2.最後の出征前、7歳頃

    薄情と思われるでしょうか?
    記憶がないわけではなく、たぶん本当にそれくらいしか会っていないのです。

    何故か息子については歯のことを強く覚えていて、
    1.の記憶では歯が生え始めた頃
    2.の記憶では歯が生え変わる頃
    でした。
    その時の息子の年齢は数として覚えていないのですが、歯でだいたいの年齢が分かりました。
    つまり、
    ・最初の記憶は生後半年~1歳くらい
    ・二回目の記憶は、前歯がなくなっていたため6歳~8歳くらい
    ということになります。
    ⇒参考 歯の情報
    ※生え変わりは個人差があるようですが、最後に会ったときの息子は見た目にも小学校一年生くらいでしたので平均的だったはず

    何故、歯のことばかり強く覚えているかというと、最初の出征前に息子を抱いたとき妻が
    「ほら見て。小さな歯が生えているでしょう」
    と言ったからだと思います。(言語記憶はなく意味だけで覚えているのでこの通りではないかもしれません)
    腕に抱いた我が子の、小さな口から覗く可愛い歯を見つけて涙が出たのを覚えています。

    次に会ったときの息子はもう少年の姿で、キラキラした目で私を見上げていました。
    健気な笑顔を向ける彼の歯が抜けているのを見て、「あのときの歯がもう生え変わり始めているのか。早いものだ」と息子の成長を嬉しく思いました。

    どちらの記憶でも我が子への愛しさは強烈で、ずっと一緒にいたい・成長を眺めたいと激しく思いました。
    しかし、とうてい叶わず。
    後ろ髪を引かれる想いで都を出ました。
    どちらも二度と我が子に会えないという覚悟で別れたのですが、二回目の記憶が本当に最後となりました。

    実は、幼い息子を残して戦争に出たことは今でも後悔として胸を刺します。

    だから今の私は年を取ってから子供を持つことをやめようと決めています。
    成人していない子供を残していくのはあまりにも不憫ですし、親にも来世に及ぶ後悔が残るからです。


    その後の息子の運命


    あの後、息子がどのような人生を送ったのか。
    当然ながら死後の記憶はないので、わかりません。

    記憶にある息子と、記録された人物とを重ねて眺めるのは非常に辛いです。
    (記憶にある私の国と、記録の国を重ねて見るのも同じくらい辛いですが)

    これだけ記録を眺めているのですから、まさか私が彼の運命について知らないわけがありません。
    胸が潰れそうになるから本気で重ねて眺めないようにしているのです。

    ただもし仮に記憶にある我が子が記録人物だとしても、親は子の人生をどうにもできない。これは生きていても同じ。
    親と子は別の運命を持つ、別の人間。
    まして過ぎ去ったことはなおさらどうにもできないのだから、結末についてはあまり悲しみ過ぎないように自分へ言い聞かせています。

    せめてもう少し大きくなるまで近くで見守りたかったと悔やみます。
    私の子に生まれて、彼はさぞ辛い想いをしたでしょう。そのことを本当に申し訳なく思っています。


    因果応報


    前世の息子と最後に会ったとき、まるで他人のように私へ憧れの眼差しを向けながら、行儀良く話をする態度に仄かな寂しさを覚えました。
    親として甘えさせてやることもできなかったことが何よりの後悔となっています。

    でも、早くに大人びてしまった彼の態度は、やはり自分に似ているなと思ったものです。
    (この記憶があるので彼は間違いなく実の子だと言えます)

    生まれ変わって今世、幼い頃の私は親から
    「お前は大人びていて何でも理解してしまうから、心配だ」
    と言われています。
    これも因果応報の一種でしょう。
    我ながら不思議なことですが、今世の私の幼い頃は前世の息子にそっくりでした。まるで鏡に映しているように。だから今世の親の心配が手に取るように分かります。

    この他にも、過去に自分がしたことは因果応報で返ってくるという証拠があります。

    今世の私が7歳の時、父親が家を出て行きました。
    そのまま一度も会うことなく父は遠方で他界しています。
    これは私が前世で、息子がちょうど7歳のときに出征して帰らなかったことの報いだと思います。
    年齢までだいたい正確に再現されるのですから、因果応報は恐ろしいと思いませんか? 悪いことはできませんね。

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