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偽物の“正義”の裏には恐怖支配がある

ご無沙汰しております。
まだ仕事は終わりませんが、少しだけ気になったことなどを書いてみます。

ISISについて昨今の日本は大騒ぎですね。
今まで完全に無関心で「椅子椅子」など知らなかったのに、日本人が拉致されるととたんに解説者気取りでツイートしたり、フェイスブックでコメント投稿しまくる人が多くなる。
日本人の悪い癖が出たなと思いました。
外国メディアは日本人の人質に同情してトップニュースで伝え、解放を呼びかけています。いっぽう日本人は外国人が拉致されても無関心だった。ほんとうに世界の悲劇に関心があるなら、もっと早い段階でこの問題についてツイートしていたはずだが?

いずれにしても今となってはツイートで騒いで情報を拡散し、ISISを宣伝することが一番有害だからやめるべきと思います。
投稿を増やせば増やすほど敵を利するだけ。
冷酷なようだけど、日本人は今までと同じように無関心を貫いたほうがまだ無害と考えられます。

だから私も、本来こんなところでこういう記事を書くことを控えねばならないのですが。

とても見過ごすことが出来なかったのが先日のテレビ朝日のニュース番組でした。

報道番組が、ISISを絶賛擁護していた


既にご存知の方も多いでしょうが、数日前、古館氏がキャスターを務める番組がこのような報道をしていたのです。

・ISISは自分たちの国境線を勝手に引いたヨーロッパに抵抗して、自分たちの国をつくろうと立ち上がった。
・ISISは確かに残虐なイメージがあるが、電気などのインフラを提供し、国民に豊かな生活をさせている。子供たちにはポリオワクチンを提供している。このように素晴らしい面もある。

あたかも、ISISが
「圧政に対抗して立ち上がった弱者の味方。その主義主張は正義」
であるかのような印象を受ける報道内容でした。
しかもISISに拉致され、脅されて洗脳されたジャーナリストが語る「ISISは素晴らしい国!」という宣伝映像をそのまま流すという暴挙。
いっぽうでISISの残虐行為には一切触れず、虐げられている人々の画像も一切なし。
これでは、ISISによる制圧地域を正義の果たされたユートピアだと感じ、熱狂して渡航しようとする若者も表れるでしょう。

参考記事(別サイト):イスラム国の宣伝し過ぎている? テレ朝「報ステ」に疑問の声も


中道とは、99%の悪事を無視して1%の善行だけ賞賛することではない


こんなバカげた報道番組を観るほうが悪い、と笑われるかもしれませんが、私もたまたまつけていたテレビから流れてきた映像を目撃して驚いただけであって。
何気なくテレビをつけてこれを目撃してしまう人は多いと思います。

そうすると、何も知らない人は洗脳されてしまう可能性があります。
特に平和に飽きている若い人がたやすく中毒してしまうはず。

若い人だけではない、いい年をした大人までもが
「偏りがないニュース報道だ。アメリカ批判の素晴らしい内容だった」
と絶賛しているのを実際に見かけました……。

確かに私もこうなった責任はアメリカなど欧米諸国にあると考える者です。
アメリカが正義だ、などとは微塵も思いません。
しかしだからと言って、ISIS擁護の報道を「偏りのない視点。素晴らしい報道」などと評価するのは性急過ぎるでしょう。

中道や公平な視点というものは、このように99%の悪事を無視して1%の善行だけ認め、擁護することではありません
それは「中道」「公平」とは言わず、多大なネガティブ情報を無視している時点で明らかに「偏り」です。

私は上のニュース番組を観ながら、ある古代の残虐な人物(=曹操)に熱狂している歴史ファンたちを思い出していました。
彼らマニアが熱狂している人物は、無辜の民を大虐殺して恐怖の支配を行った者です。

【別館】 曹操ってどんな人? これが史実です(閲覧注意)

女も子供も犬も鶏さえも、動く者は全て斬り捨てるよう命じたという残虐な人物なのですが、熱狂的なファンたちは何故かそのような残虐行為には完全に目をつぶっています。
と言うよりも、その虐殺行為すら「偉大な大天才・曹操様がお考えになった神なる戦略なのだ!」と正当化して讃えているらしい。驚きの思考転換。

そして口をそろえて言います、
「あの方は、部下の能力を認めて出世させた!」(その直後に処刑したがスバラシイ)
「あの方は、図書館を建てて国民の教育を高めた!」(それ以上に多くの国民を虐殺したがスバラシイ)
「だから世界で最も素晴らしいお方なのだ! 正義とはあの方のことだ!」
と ……。

99%の残虐行為には目をつぶり、1%の善行に酔って「絶対的正義」を感じる。
(逆に、諸葛亮など蜀人物については欠点を針小棒大に拡大して「極悪人」と中傷している)
頭がおかしいんじゃないのか? と疑ってしまいますが、このような種類の人は現実に存在します。

一般の人にもっと分かりやすい例で言うと、ヒトラーも全く同じです。ヒトラーはあのような残虐行為をした人物ですが、車を作ったりハイウェイを作ったりしてドイツの経済を活性化させました。これを「ヒトラーの奇跡」と呼んで「素晴らしい神様のような人物!!」と崇める一部の人たちが存在する。1%の善行が絶対的正義、となってしまう謎の人々の思考です。

彼らの思考回路は、ネガティブな情報を完全にシャットアウトあるいは事実を捻じ曲げ正当化して、ポジティブな情報だけを受け取ることが出来るように設定されています。
カルト教団の熱狂的信者や独裁国家の幹部たちとよく似た思考回路ですね。


どのような悪事をはたらく人間でも必ずほんの数%の善行を行っているものです。
その数%を100%だと心から信じ込むことが出来る恐ろしさ。

それはある種の才能と言えるでしょうか。
否、欠陥と言うべきか。

参考:このような詭弁を米国では“チェリーピッキング”と呼ぶそうです

偽物の正義を見抜くには?


この世には偽物の「正義」が数多くあります。

映画『レッドクリフ』で、金城くんがブッシュ元大統領のごとき「正義」を語らされたのを観たとき、あまりの怒りとバカバカしさに気が遠くなったのを覚えています。

「正義」の代わりに私が好むのは、「義」という言葉です。

「義」は古来のシンプルな感情です。
残虐行為に対する怒り、女性や子供が殺されるのを見過ごせない気持ち。
人間として当然に抱く自然な感情と思います。

人間として共通の「義」の感情をベースに動けば、無抵抗の民の虐殺などは出来ないものです。
まして女性や子供に爆弾を背負わせたり、サッカー観戦していた少年を銃殺など出来るはずがないでしょう。

上の報道番組より引用、
「テロリストとは何なのでしょうか? 『自由を求める義勇兵』と何が違うのでしょうか?」
は?
完全に別物でしょう。
『自由を求める義勇兵』は、武器を持たない民を無差別に虐殺しませんし、女性や子供を殴りません。自由を求める義勇兵が女性の自由を禁じることはありませんし、サッカー観戦も禁じることなく自分から進んで見るはずです。

ほんの僅かに似通っているだけの、見かけに騙されてはいけません。

独裁者は見かけだけ繕うのがうまいものです。
ISISも見かけ上、過去の偉人たちの行いを模倣していますね。
「カリフ」という英雄を騙ったり、革命の旗を掲げたり。
それらは英雄たちが実際に行ったことと似ているので混同しやすいですが、張りぼての見かけだけのものです。裏側をよく見れば全く違う行いをしていることが分かるはずです。

もし「正義の旗」についていきたくなったら、その旗の裏側に恐怖がないかどうか注意して眺めてください。
正義の旗の裏側に恐怖があれば、旗を掲げた者は必ず嘘をついています

【筆者の別館・関連記事】偽物の「正義」「弱者救済」を掲げて政府転覆、社会を破壊しようとする思想(政治話あり、メンタル弱い方は禁クリック)

独裁者萌えな人たちが、悪行を完全無視できることの不思議


2015/2/1 20:48
朝方に残念なニュースを知りました。

日本人は何故か自国民に対する蛮行に怒る人は少なく、報復すべきという論調はどこにも見られませんので「憎しみの連鎖」が起こることは絶対ないはず。
むしろ亡くなったお二人のほうを罵倒して彼らの人生を面白おかしく晒し、処刑の映像までツイッターで拡散して愉しんでいる。この喜んで遺体を踏み躙るかのような野蛮な行為に、外国人は驚き呆れるでしょう。本当に酷い。恥ずかしい。

とにかく何であれこれ以上騒ぐのはよろしくないです。

今は静かに後藤さん湯川さんのご冥福をお祈りしたいと思います。

2021/4/20 タイトル変更。正確ではなかった表現を修正

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