現代世間話

    染谷くんへ、片頭痛にはコーヒーが一番効くよ。低気圧男子と「頭痛ーる」の話

    昨夜も『ホンマでっか』を小耳に挟んで気になったこと。

    俳優の染谷将太くんは「低気圧で頭が痛くなったりボーッとしたり、具合が悪くなる」体質であるらしい。
    しかも「雨男」と呼ばれるほど撮影時には雨が多いという。
    なるほど映画『空海』では雨のシーンが多くて、私は「襄陽らしい景色!」と感じイメージを刺激されてしまったのだが、今の襄陽(襄樊市)はさほど降水量が多くないらしいので不思議に思っていた。染谷くんが雨雲を連れて来たのか。
     関連記事:映画『空海』 感想

    現実に彼が雨男かどうかはともかくとして、低気圧で体調を崩す体質なのに雨雲と遭遇することが多いのは大変だな。目の焦点が合わない感じの飄々とした演技は魅力でもあるのだが、実は具合が悪いせいなのだとしたら気の毒に思う。

    彼が学者たちに対策を質問したところ、また澤口氏がおかしな回答をしていたのが気になった。
    「低気圧で頭痛が起きるということは脳科学の論文で完全に否定されています」
    「(頭痛が起きるとコーヒーを飲むという染谷に対し)コーヒーは、頭痛には全く効かないからやめるべきです。緑茶を飲むといいですよ」
    とか。
    いつものことだが呆れた。

    これだけ世の中で「雨の前には片頭痛が起きる」「体調が悪くなる」と言っている人が大勢いるのに、現実の証言を完全無視して、また一分野の論文で完全否定ですか。
    (おそらく脳科学では否定するのが正しいのだろうね。片頭痛は低気圧時の血管拡張で起きやすくなる。脳科学は医療ではないから、血管は関係ないのだろう)

    それはともかく、片頭痛にコーヒーが効くのは本当。
    単にカフェインで「しゃきっとさせている」だけ、という気分の話ではなくて現実に片頭痛が治まる。
    私は重症の片頭痛持ちだったがコーヒーに救われて、今では無事に日常生活を送ることができている。
    もしコーヒーがなかったら芥川龍之介などと同じ運命を辿っていたと思う。

    あくまでも私の体験なのだけど、緑茶では逆にものすごく具合が悪くなって寝込んだことがあるからやめたほうがいい。
    コーヒーより緑茶のほうがカフェインが多いのは事実。
    でも、片頭痛にコーヒーが効くのはどうやらカフェインのおかげではない。
    もちろんカフェインが主で効いているのだと思うが、他の微量な何かの成分との相乗効果で効いているらしい。

    だからインスタントではなくレギュラーで飲むべし。
    しかもなるべく新しい豆を使った、良質な抽出コーヒーを。


    ここに書いたことは私の体験だから、人によって合う・合わないがあると思う。
    特にカフェインは過敏症の人もいるので注意してください。少しずつ試しながら飲むといい。

    とにかく、
    「頭痛なんて100%思い込みに過ぎない。コーヒーなんて絶対に効かない。緑茶を飲め」
    などと、頭ごなしに現実と正反対のことを言う学者の話など聞かないほうがいい。
    (染谷くんは腑に落ちない顔をしていたから聞かないだろうが。あの番組を観ていた人たちが鵜呑みにして具合が悪くなってしまったら気の毒)

    ところで染谷くんが紹介していた「頭痛予報」のアプリらしいもの、ダウンロードしてみた。知らなかったので感謝。
    『頭痛ーる』
    zutuu.png



    ――検索等で染谷将太さん本人に届くといいなと淡い期待を篭めて書きました。もしここを芸能人の方が読んでいて、ご本人と知り合いだったらお伝えください。
    また片頭痛(偏頭痛)持ちの一般視聴者のために、この記事の拡散をお願いします。

    〔他に参考になりそうな関連記事〕
    芥川はコーヒー党だったが同時にココアも飲んでいた。ココアは最大禁忌。…等、詳しい話
     ⇒あの歯車、(芥川龍之介と片頭痛の話)


    2018/4/25公開 的確な専門記事、発見。
    国内で約1000万人が悩む「天気痛」とは 痛みがひどくなるのは天気のせいだった!?
    (毎日新聞 医療プレミア/有料版)
     痛みがくり返されるようになると、脳の「扁桃体」や「前頭前野」、「海馬」といった部分が変容すると考えられています。脳の「扁桃体」は不安や恐怖を感じるとストレスホルモンを分泌させ、交感神経を興奮させます。「前頭前野」は感情や行動を抑制する働きがあり、「海馬」は記憶などに関わる部分です。痛みがくり返されると、脳の「扁桃体」が過敏になり、「前頭前野」や「海馬」が萎縮するため、本来ならば痛みと感じないことを痛みと感じたり、不安・恐怖や身体反応が大きくなったりするのです。このような脳の変容を防ぐために、強い痛みが出た場合はなるべく早い段階でその痛みを取り除くことが重要です。

     また、このような痛みがくり返されると、交感神経の活動が弱まり、神経伝達物質であるノルアドレナリンの放出量が少なくなります。すると末梢神経は、少なくなったノルアドレナリンをできるだけキャッチしようと、受容体を増やします。そのため、天気の影響が末梢神経にダイレクトに伝わるようになると推測されています。たとえば、「雨が降ると古傷が痛む」というケースは、このようなメカニズムで起きていると考えられます。

    絶望的な話。
    脳まで変容させてしまうというのに、CT画像に表れない痛みを「気のせい」と言って患者を嘲笑する医師や脳科学者が多いのは腹立たしい。
    「気のせい」と馬鹿にすることで患者に精神的苦痛を与え、放置して身体的損害も生じさせているこの医師たちは訴えるべきかな。
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