我傍的、ここだけの話

吉野圭のプライベートブログです。『我傍』裏話や前世、軽めの話+占星術
 メニュー・新着

-

あの歯車、(芥川龍之介と片頭痛の話)

mizsuho170920004_TP_V4.jpg

片頭痛について、頭痛専門医のお話から分かったことを自分の体験とともに情報提供しています。



テレビ番組で知った、片頭痛の解決法


まずは御礼。
昨日、何気なく見ていたテレビ番組で長年の苦しみの解決法を知ることが出来た。ありがとうございました。

番組は林修の『今でしょ!講座』。
2014/7/1(火)は「東洋医学VS西洋医学」ということで興味を抱いた。

しかもテレビをつけたとき、ちょうど話題は片頭痛のこと。
実は私は長年の片頭痛持ちで、つい一昨日も目の前のチカチカが始まり寝込みかけたところだった。
(「目の前のチカチカ」については後述)
今まで自分自身でも漢方をいろいろ試してみたものの、まったく効いたためしがなくて諦めかけていた。もしかしたらプロなら片頭痛を治す漢方薬を示してくれるのではと期待して番組を見ていたが……。

頭痛専門医として番組に出演されていたのは清水俊彦医師。
彼が言うには、意外にも片頭痛には西洋医学のほうが向いているという。
目からウロコの話だった。考えてみれば確かにそうかもしれない。
漢方薬に使われている生薬は血管を拡張させる効果があるものが多いため、血管拡張が原因の片頭痛では逆効果だった。実際、私が試した全ての漢方薬で自分の症状は悪化した。

清水医師のアドバイスに面倒なことは何もない。オーソドックスでシンプルだった。
「ビタミンB、マグネシウムを摂れ」と。
(ウナギなどを食べると良いらしい)

さらにそれより即効性があるのは、なんとコーヒー。
私は経験上、コーヒーを飲むと具合が良くなることを感じていて、無意識にコーヒー党になっていた。
「コーヒーを飲むと具合が良くなるんだ」と言っても誰にも信じてもらえず、むしろ不健康に見えるため「やめなさい」と家族に叱られるんだが、意外にもこの我流の治療が正解だったんだね。

なにしろあの苦しみ。
割れるような頭痛と吐き気でのたうち回る。
(実際は「のたうち回る」とさらに痛いので、のたうち回りたいのを堪えて唸りながら寝ているしかない)
経験がある人には分かっていただけると思うが、あの苦しみにしょっちゅう襲われていたら人生に絶望する。仕事もままならないわけだから。片頭痛に苦しんだあげく自殺してしまう人がいるのも、私は理解する。

自分の場合、たまたま好きだったコーヒーで救われていたのだ。
これも昨日の番組で初めて知ったことだが、私の症状は片頭痛でもかなり重症なほうだったらしい。
もしコーヒー党でなければ人生どうなっていたことか。背筋が寒くなった。
幸いにも二十歳以降、コーヒーをよく飲むようになってからは寝込むほどの発作が減り、頭痛はそれほどの恐怖ではなくなっていた。

しかしここ数ヶ月ほど、カフェインを控えなければと思ってカフェインレスコーヒーを飲んでいた。
そのため久しぶりに重症の片頭痛を再発して寝込むことになったらしい。
「やっぱり何歳になっても治らないのか」と絶望しかかっていたが、なるほどそういうことか。ここ数ヶ月の悩みがあっさり解明してしまった。
清水医師とこの番組に感謝。

※解説と注意: 清水先生によれば、コーヒーが片頭痛に効くのはカフェインに血管を収縮する作用があるためだそうです。コーヒーは「軽症の場合のみ効く」と書いてあるサイトもありますが、私のような重症でも効果があったのでお薦めです。ただしカフェインの過剰摂取は逆に頭痛をひどくするらしいので注意。私の場合、今はコーヒーを一日1~2杯に留めています。ちなみに私は緑茶だと逆効果で、非常に具合が悪くなってしまう。体に良いはずのカテキンが、何故か片頭痛にはマイナスの作用を起こすようです。(と言うのは、高濃度のカテキン飲料を飲み、数分で倒れ寝込んだことがあるため)

【追加情報】 こちらによるとカフェインが逆に片頭痛の原因となっていたらしい。
http://ameblo.jp/henzutsunaosu/entry-11877400664.html
人によるのかな。私はカフェインレスコーヒーを飲み始めたここ数ヶ月、激烈に具合が悪かった。(追記:緊張型頭痛の方の場合はコーヒーを飲むと悪化する。コーヒーで悪化する方は緊張型の可能性がありますね)

とにかく、くれぐれもコーヒーの飲み過ぎには注意。
それとコーヒーを飲むならぜひ良質のドリップコーヒーにしてください。インスタントはダメ。市販の缶コーヒーもダメ。おそらくドリップで淹れるコーヒーの、揮発性の何らかの成分が有効に働いている気がします。
もしかしたら私がここ数ヶ月間、激烈に具合が悪かったのは、インスタントのカフェインレスコーヒーを飲んでいたせいかもしれません。
インスタントコーヒーが片頭痛の要因、って考え方もありますね(いや要因と言うか、何ら予防する効果がないということ。決してインスタントコーヒーが体に悪いわけではない。私の頭痛には無力というだけ)。


片頭痛持ちは頭が良い?


ところで清水医師いわく、「片頭痛持ちは頭が良い」そうで。
は? そんなこと初めて聞きましたよ。
と思ったら、意外にもネットで書き込んでいる人は大勢いて驚いた。
片頭痛持ちの方々、苦しみの代償として喜んで。↓

 参考(アーカイブ) 【偏頭痛】頭が痛い…そんなあなたは天才かも!?【才能】

頭痛を治してしまうとこの人たちの長所である「天才性」を奪ってしまうことになると言って、清水医師は片頭痛持ちの病を完全には治療せず、
「生かさず 殺さず」
である程度は症状を残すらしい。

「生かさず 殺さず」……この台詞、片頭痛持ちには怖過ぎます。

苦しみを取るか才能を取るか、か。
頭痛を治してしまうと凡人になるのかぁ、と思うとなんだか複雑な気もするが、もともと自分は「凡人」としての人生しか生きていないので頭痛で苦しむだけ損。


『歯車』より、あまりに的確な前兆現象の描写

※かんたんな症状のまとめは下のほうにあるので、スクロールしてください

最後に、番組でも紹介された芥川龍之介の『歯車』について。
この描写は片頭痛の前兆現象を本当にリアルに表していると思う。
番組で取り上げてもらって嬉しかったのでここに引用。
のみならず僕の視野のうちに妙なものを見つけ出した。妙なものを?――と云ふのは絶えずまはつてゐる半透明の歯車だつた。僕はかう云ふ経験を前にも何度か持ち合せてゐた。歯車は次第に数を殖(ふ)やし、半ば僕の視野を塞(ふさ)いでしまふ、が、それも長いことではない、暫らくの後には消え失(う)せる代りに今度は頭痛を感じはじめる、――それはいつも同じことだつた。眼科の医者はこの錯覚(?)の為に度々僕に節煙を命じた。しかしかう云ふ歯車は僕の煙草に親まない二十(はたち)前にも見えないことはなかつた。僕は又はじまつたなと思ひ、左の目の視力をためす為に片手に右の目を塞いで見た。左の目は果して何ともなかつた。しかし右の目の瞼(まぶた)の裏には歯車が幾つもまはつてゐた。僕は右側のビルデイングの次第に消えてしまふのを見ながら、せつせと往来を歩いて行つた。
 ホテルの玄関へはひつた時には歯車ももう消え失せてゐた。が、頭痛はまだ残つてゐた。
芥川龍之介『歯車』より引用
参照:青空文庫 http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/40_15151.html

片頭痛持ちがこの箇所を読めば、すぐ「あ~、はいはい。歯車って、あれね」と分かる。同じものを見ているので。
なんだか、あるあるネタに遭遇したような嬉しさがある。
(ただし清水医師によれば、この前兆現象が起きるのは片頭痛持ちの中でも少数の重症タイプだけであるらしい。芥川の描写に共感する人は何らか対処しないと、日常生活に支障をきたすと思う)

ちなみに番組で再現された影像は少し違う。あんなふうにグレーに塗りつぶされたように見えるのではなく、ガラスがひび割れたような屈折した光が視界を邪魔する。
小さな細かい△が組み合わされたギザギザの破片が円状に集まり、ぐるぐると回っているように見えるので、「半透明の歯車」とは超絶にうまい表現。
なお、この「ガラスがひび割れたような屈折した」感じも芥川は正確に表現している。
丁度細かい切子(きりこ)硝子を透(す)かして見るやうになりはじめた。
同、『歯車』より
光は△の重なりなので、まさに「細かい切子硝子」を透かして見る感じとそっくり。
ただもっと正確に言えば、その「切子硝子」を通して見る部分は見えているようで見えない。焦点を合わせて見ようとすると見えなくなる。

2019/8/3追加 参考: 伝説的にうまい「歯車」の再現画像です。(私はもう少し激しく画面全体に切子硝子が巡る)


あれを「錯覚」「幻視」などと言われてしまっていた時代は、本当に辛かっただろうと思う。

私も頭痛が始まった子供の頃(14歳くらい)に
「光が見える! 頭が痛い!」
などと言って幻覚を見ていると誤解され、「そんなもの見えるわけがない」等とバカにされて辛い想いをしたことがあった。
その後やはりテレビで片頭痛の前兆現象が紹介されているのを見て、あの光は幻視ではないんだと知り救われたもの。
現代は芥川の頃に比べれば、まだ少しは恵まれた時代と言えるな。

ふと思ったが、そもそも芥川は当初この単なる片頭痛の前兆現象を「幻視」と誤診され、精神病の薬浸けにされたがために脳を病み本物の幻視を見るようになったのではないか? 
医学が進んでいなかった時代における不幸な医療事故か。……いや現代でもこういう誤診、不幸は起きている。

なおこの『歯車』の主人公はしきりにコーヒーを飲んでいるものの、片頭痛の予防とはなっていない。これは同時にココアを飲み、アルコールを摂取しているからかもしれない。
特にココアは経験上、片頭痛の引き金となることがある。(ココアには血管拡張作用がある。アルコールも同様)

小説『歯車』は始め単なる頭痛の前兆描写だったが、この後には統合失調症の描写に移り変わっているように思える。
頭痛の前兆としての「歯車」と、統合失調症の幻視とは全く別なので分けて考えたい。
まして「歯車」の描写に文学的、観念的な意味はない。

この番組のMCで塾講師の林修さんは、学生の頃に「なんとなくカッコイイから」と言って、アンニュイさや憂鬱さを装うために
「歯車が見える」
などと言っていたらしい。
片頭痛持ちでもないのに「歯車」を見たことがあると嘘をつく人が近くにいたら笑ってしまっただろう。
私も、彼と同級生だったら
「なんだコイツ……」
と思って距離を置いていたに違いない。笑

どうも、カッコイイからというだけで本を読んだり、見えてもいないものを見えたと言う人とは友達になれそうにない。

【片頭痛の症状まとめ】

・閃輝暗転などの前兆現象が起きることがある
・うめき声が出たり、頭を抱えて転がるくらい痛い。痛みを表現するなら「ズキズキ」「ドクドク」(これとは違い、うずく感じの鈍痛は緊張型頭痛。下参照)
・マッサージ、ココア、温泉などで悪化
・頭の片側だけが激しく痛む。座っていても寝ていても症状は緩和しない、寝るとさらに痛くなる
・数時間すると痛みが治まってくる

これ以外の症状がある場合は「片頭痛」以外の頭痛である可能性があります。病院で検査しましょう! 頭痛があるひとは、下の項目も読んでくださいね。

豆知識


三国時代の曹操は頭痛持ちであったことが記録されていますが、彼の頭痛は「片頭痛」ではなくて「脳腫瘍」または「脳炎」と思われる疾患でした(幼少期からですので、おそらく生来の脳障害もあったはずです。このことは彼がサイコパスだったことの裏付けともなります)。最終的にその疾患が死因となっています。

このように片頭痛だと思っていると重大な病気が隠れていることがあるので注意してください。頭痛持ちの方は一度、病院で検査するといいですね。
なお、慢性頭痛のなかでも「片頭痛」とそれ以外のものがあり、血管拡張で起こっているものだけを「片頭痛」と呼びます。女性に多い頭痛は、もしかしたら血行不良で起こるタイプの頭痛(緊張型)なのかもしれません。肩こりから来る頭痛はこちらのタイプの可能性が高いと言えます。その場合はコーヒーを飲むと逆効果となる可能性があるので注意してください。血行不良タイプは、運動や温めで改善するそうです。

※ご注意 当ブログ筆者は医療の専門家ではありません。この記事は番組で知った医師の話と、自分の体験を書いたものです。頭痛持ちの方は、まず病院で受診されることをお奨めします。


【重要な関連記事】 
片頭痛や共感覚でも、前世記憶があっても、統合失調症ではありません

・植木氏「霊を信じる人は頭がいい」発言と、片頭痛持ちでも「小さいオジサン」は見ませんよという話  (片頭痛の前兆現象を未だに幻覚扱いする心理学者がいるので要注意、という話です)
関連記事
My profile

Author : 吉野 圭

→プロフィール・お奨め記事

【お願い】
当ブログの記事を気に入っていただけたらシェアお願いします。要パスワード記事は引用しないでください(パスワードを貼るのも禁止です)

記事にして欲しいご質問あればこちらからどうぞ:★コンタクト

検索フォーム

Translate,翻譯

過去ログ v Co リバース

管理者 別サイト

現在位置

トップ > 心理テストや体、脳のことなど > あの歯車、(芥川龍之介と片頭痛の話)

このブログはPG12です。→保護者の方へ

メモ帳

【別窓で開く】