【占星術で見る善悪】悪事をする者は未熟とは限らない。ゼロ地点と双極の話
占星術に関する回答です。
少し前にメールでいただいたテーマですが、ダークな話なので躊躇して書くのが遅くなりました。すみません。
ある殺人犯のネイタルホロスコープ
テーマ引用。青地箇所は筆者による加筆。ちなみに「先生」は筆者のことで、一般的な敬称としての「さん」の意味:
不意にネットで見てしまったそちらのニュースのせいで、先週久しぶりに精神的にズドーーンと落ちました。
あまり詳しくは書きたくありませんが、北九州連続殺人についてです。昔の事件なので知らなかったんですね。
…(略)…
先生がブログでヒトラーや独裁者たちに書いている内容を思い出しました。でも私は先生のように俯瞰できず、何故同じ人なのにこのような酷なことができるのかと理解出来ず、同一視することで余計に苦しくなりました。
幼い魂ゆえの過ちなのかと犯人のネイタルを調べたらむしろ逆で、経験値を積んだホロスコープです。
経験値を重ねているのに、狡猾さや残忍性ばかりに磨きがかかっているようにしか思えません。もはや人間ではない存在、悪鬼のようです。
魂は、世界は、少しずつ良くなっていっていると信じていますし、それについて疑う余地はありません。
例外であるのも承知ですが、悪に傾けばとことんそちらに向かう有様を間接的に知りゾッといたしました。
北九州連続殺人事件。存じております。
あれは酷い事件でした、ニュースで耳にしても気持ちが落ち込む耐え難い話です。
よく言われる「トラウマ級の事件」と言えます。
(読者の皆さんへ。精神に悪影響を及ぼすショッキングな事件なので検索の際はご注意ください)
>幼い魂ゆえの過ちなのかと犯人のネイタルを調べたらむしろ逆で、経験値を積んだホロスコープです。
ホロスコープを見たところ確かに経験値の高い魂と思われます。
ただし数多くの転生で蛮行を重ねてきた者なのでしょう。
経験値が高いのは、蛮行に関してのみ。
「いかにして逮捕されず殺されもせずに蛮行を愉しむか」という一点だけで訓練してきた者と言えます。
……と、述べるのはホロスコープだけ純粋に見た占断ではありません。
あくまでも結果としての殺人事件を見て、ネイタルホロスコープと照らし合わせての推測です。
まあアスペクトにはある程度、蛮行をしがちな人の傾向というものが表れていますがね。
差別に繋がってしまうので具体的に細かくは書きません。
少しだけ所感を述べると、メジャーな複合アスペクトで「人格が歪みがち」「不吉」とされるあの最大マレフィックが多重である(オーブ広めの場合)ことは警戒して良い象意と思います。
そもそも全体にハードアスペクト、特に90度があまりにも多く、緩和するイージーが少ないことも蛮行へ傾きがちな性向を表していると言えるでしょうか。
そのうえに地のサインが圧倒で強いということは、地上に関する知性や他者をコントロールすることに長けるわけです。
宿曜は亢宿。亢宿とは本来、優れた改革リーダーとなり得る力を持つ宿なのですがその才能が完全に悪いほうで使われてしまいましたね…。
トータルで蛮行するために生まれてきたような人です。
この人が幼い頃に私が鑑定する機会があれば、親御さんへ「きちんと教育してください。甘やかしては駄目」と注意をうながすことでしょう。教育など無理かもしれませんが。
ただ、最大マレフィックをネイタルに持つからと言って全ての人が蛮行をするとは限らない。
むしろ人生の障害を乗り越えて偉人へ成長することもありますので、このようなネイタルを持つというだけで悪に仕分けすることはできません。
よって、ネイタルによる差別などというものは不可能なのです。
以前も書いた通り、残念ながらネイタルのホロスコープからその者の本性が善であるのか悪であるのか(蛮行をするか否か)を判断するのは不可能です。
不可能でなければならないのだと思います。
もしネイタルから善悪を判断できたら
「誕生時に殺処分」
という方策が採られかねず、それもまた一種のディストピア(恐怖社会)の実現となります。
かつてヒトラーのネイタルホロスコープに相当する年月日に、ある占星術師が
「この日に生まれた子供を警戒すべきだ! この日生まれた子供が世界を恐怖へ陥れる」
と叫んだという伝説があります。
(正確な引用ではありません、ニュアンスです)
その伝説も事実だったのかどうか定かではありません。
悪事をする者が全て「未熟な魂」とは限らない
>何故同じ人なのにこのような酷なことができるのかと理解出来ず、同一視することで余計に苦しくなりました。
いや、私も同じで苦しいですよ。
こういう「純粋に蛮行を好む者・本心から蛮行が正義だと思っている者」が同じ人間のなかに存在することが苦しく、恐怖でもあります。
他にも。
幼児に壮絶な拷問を与えて死に至らしめる親たち、それらの行為をニュースで耳にするたび心理的ダメージを受けています。
隣の大陸政府が行っている蛮行を聞くと、もっともっと苦しくなります。
人が人に暴力をふるう。
幼き子や無力な民をとことんまで拷問し、悲鳴を上げ苦しみのたうち回る様子を眺めて快楽を得ている者たちが存在する。
こんな行いが地上で起きていることが許せない。
「俯瞰」などで納得することはできません、納得してはいけないことだと思います。
(だから私も今、戦っているのです)
しかし原理は分かる気がします。
どうしてこのような者たちが地上に存在するのか。
蛮行を好む者も我々と同じ魂であり、決して「未熟だから」「低次元だから」というだけではありません。
未熟な者が欲望をコントロールできず犯罪に走ってしまう、という傾向は確かにあります。でもそれだけではない。
ニュートン氏の被験者たちは「全ての魂が善である。蛮行する者は肉体コントロールができない未熟な者だけ」と言っていますが、そうではないと私は感じるのです。
たいていのサイコパスは知能が低いことが分かっています。脳の障碍ですから当然です。
しかし稀に知能が高いサイコパスもいます。
上の殺人犯の経歴を調べたところ、幼い頃から学校の成績は良く「オール5(全科目最優等)」だったとか。
ショッキングな話ですね。知能が高い者のなかには善良な人も、悪い人もいるという。
このことからも、
「知能が高ければ人格も高潔で善良」
とは言えないし逆に
「知能が高い者は全て悪人の犯罪者」
とも言えないということが分かります。
〔参考〕サイコパス診断、筆者結果
経験値でも同じことです。
「経験値が高ければ全て善良」
「経験値が低ければ犯罪者になる」
と決めつけることは不可能です。
0から双極へ分かれる世界。この世はハブ空港
私が思うに、死後を含む全宇宙・全世界には0(ゼロ)という地点があって、それがこの地上に相当します。
(地上とは地球のことだけではありません。他の星を含む)
昔から言っているのですが「地上は善と悪とが交差するハブ空港」。
このゼロ地点を介し、魂はプラス(陽)かマイナス(陰)へ分かれて行くことになると思われます。
ゼロ地点からどれだけ離れたかによって、低次・高次が決まります。
つまり、善良なる天使に相当する「高次霊」もいれば、禍々しく強力な悪魔と呼ばれる「高次霊」もいるわけです。
悪魔のほうをあまり「高次霊」とは呼ばないので、「究極なる低次霊」と呼ぶべきなのかもしれませんが。
力としては陰陽、互角です。
だからこそやっかいで、地上の戦闘はやまないし悪事もなくならないのです。
特にこの地球のように波動の重いゼロ地点においては、常に悪の勢力と善の勢力が拮抗して戦い合っていると言われています。
「悪い魂など存在しない」
と高をくくって安心しているのは甘いと言えます。悪い者は相当に罪が深く危険なのです。
私が繰り返し
「性善説にも性悪説にも偏ってはいけない」
と述べているのはこの理由からです。
ただし善悪が拮抗するのもゼロ地点に近いレベルだけ。
いずれ地球の波動が上がれば、双極の対立が減り穏やかな人々がこの星で暮らすようになるのでしょう。
その時、悪事を重ねてきた「究極なる低次霊」の者たちはどうなるのかと言うと、地球よりもっと重く低い場所へ追いやられるかもしれません。
あるいは、「魂の処刑」に等しい解体を受けるのかもしれません。
実際のところは私にも感覚としてつかめず不明ですが、蛮行を重ねないほうがいい、ということだけは確かに言えます。
悔い改めるなら今のうち。
今このハブ空港で生きている間だけです。