トランジット冥王星がASC上を通過するときは、何に注意すべきか?

 


 いただいたメールにアイディアをいただきまして、ようやく占星術の話です。
「ネイタルASC上をトランジット冥王星が通過し、心境の変化が起きた」というお話について。

トランジット冥王星がもたらすもの


以前、
「ネイタル太陽上をトランジット冥王星が通過する時は体調に注意」
と書きました。
根拠としては、ご存知の通り冥王星が「死と再生」を象徴する星であるからです。

この現在最大のマレフィック(凶)とされる星が、たとえば太陽など生命力を表す星の上を通過する時は、極端な話「死ぬこともある」と言われているわけです。

再び奴の話となって恐縮ですが、これほど見事な例はあまりないのでしつこく掲げておきます。
 ⇒冥王星クリーンヒットで死の事例
これは占星術を学ぶ人間として、不謹慎ながら「美しい……」と呟いてしまう典型例です。
(そもそも私が彼の出生日と推測ASCを正しいと最終的に確信したのは、このトランジット冥王星ヒットの見事さが理由)

ただ、死亡する事例はネイタル第8ハウスのサインにトランジット太陽が来た(=第8は死の象徴。生来として弱い季節)うえに、ネイタル太陽へ冥王星がヒットすることが重なるなどの、特殊なケース。
このような場合は高次霊タイムキーパー(マスター)の高度な計算に基づく「寿命」だと言えるのです。
ネイタル太陽上を、トランジット冥王星が通過しただけで全員が確実に死ぬなら、多くの人の寿命を単純な人間ごときの計算で予知できることになってしまいます。現実そのようなことはありませんので、恐れないでくださいと言っています。

冥王星は風変りな星で、「死」とともに「再生」の意味もあります。
つまり、マレフィックでありながら希望をも表すのです。
ネイタルの重要な星の上をこの冥王星が通過するとき、何らか大きな変化をもたらすことが多い。と言うことは大躍進も有り得るので、注意しつつ期待しても良いと言えます。

上の事例でも分かる通り、ネイタル太陽上を冥王星が通過する時は、肉体の変化に注意をしなければなりません。
大きな病気をしたりすることがあるかも。ただしその病は重要な学びをもたらすはずです。
不吉な言い方かもしれませんが、たとえ死んだとしても、そのことによって新たな意味・新たな生がもたらされます。




ASCとトランジット冥王星


では、ネイタルのASCをトランジット冥王星が通過する時は何が起きるか?
「心」あるいは「魂」の変化だろう、と読み解けます。
何故ならASCは自分自身。魂の象徴とも言われています。
このため、自分の根本が変わるのではないかと思えるほどの大きな心境の変化が起きる可能性が高くなります。
(メールでいただいたお話でも、「心境の変化があった」とのこと。星が示す通りですね)

この心境の変化が新しい生き方へ導くことがあるでしょう。
あるいは決定的なダメージとなることも……。

ASC上をトランジット冥王星が通る時は、海上を漂っていた心を、嵐が襲うようなものと考えてみてください。
激しい波に揺られて右往左往する心。
その波は新たな大地に送り届けてくれるかもしれないし、海底へ自分を沈めてしまうかもしれない。
過剰に恐れる必要はないのですが、とにかく落ち着いて目の前の波に対処することです。あるいは波に我を委ねるといいかもしれません。

人によっては太陽と同じく、アセンダント上の冥王星通過も「寿命」となる場合があるようです。
ただその終わりは、きっと重要な意味を持つはずです。




自分の話


――さて。

自分の場合、今の人生でネイタル太陽上を冥王星が通過する可能性はありません。
ただしASC上を冥王星が通過する時はわりと近く、2034年です。(正確にはその前年からだが、ASC上を激しく行き来するのがこの年)

2034年……って。
まるで鏡のように符合し過ぎて笑うしかないですね。
私はもうとっくにこういう符合には慣れっこになっているので、恐怖など通り越して笑ってしまうのです。
必ず死ぬとは限りませんが、何らかの大きな変化を覚悟してはいます。

 >>「符合」について、もう少し詳しい話

誰にでも寿命はあります。
平均より早い・遅いの差はありますが、人生の重要度に大差はありません。

肝心なのは、終わりの時までに何をしたかです。
どれだけ人生を味わったか?
どれだけ他人の幸せを祈ることができたか? 
他人のために何を為せたか?
愛を知ったか? 愛を注げたか?
メッセージを残せたか?

そんなことを自分に問いながら、この無名人生も最後の日々まで一所懸命にやるべきことをするつもりです。


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 読者様より「ネイタル太陽とトランジット冥王星が合の時期に必ずしも死ぬわけではない」

 

 

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